近年、都内では自転車移動されている方を多く見かけます。もちろん江東区も例外では有りません。

縦(南北)の移動手段が少ない江東区では特に自転車が多い印象を受けます。

 

しかし自転車が多いという事は、自転車事故も多いという事です。私はSNSで「東雲橋付近で自転車事故が多い」というご意見を頂戴した事から、自転車事故に関してより強い問題意識を持ちました。

 

そのため、私は2月に現状把握・対策案協議のために湾岸警察署を訪れました。

 

湾岸警察署で交通規制係 統括係長、交通課長、さらには東京都第五建設事務所の方にもご出席いただくこれ以上ない貴重な機会を得ました。

 

そして色々とお話を聞かせていただいたり意見交換をした所、東雲橋以外でも江東区内で自転車事故が問題になっている事がわかりました。

 

そこで判明した「今、江東区ではどの様な交通事故が懸念されているか?」「江東区民を事故から守るにはどうしたら良いか?」についてお話を伺いましたので、これを是非とも江東区民の皆様にも知って欲しいです。

 

江東区で発生しやすい自転車重大事故の恐ろしさ

 

まず東雲橋については近々ポストコーン設置により自転車のスピード抑制が行われます。また老朽化に伴い東雲橋の架け替え工事の計画も行われているとの事です。ひとまず安心しつつ、引き続き対応について協議して参ります。

 

そして江東区全体での自転車事故についてのお話を伺って参りました。

 

一番避けなければならない自転車事故は「重大事故」と呼ばれる「死亡事故」です。その現状についてお話を聞くと、死亡事故に繋がる条件を教えていただきました。それは予想外の条件でした。

 

「貨物車(トラック等の大きな車)」「広い道」

 

この組合せが自転車による死亡事故を誘発するとの事です。

多くの方がパッとイメージする自転車死亡事故は、狭い道路でスピードを出した自転車が、不意に出て来た人を撥ねて死なせてしまうというものでしょうか。私もそうでした。

 

「広い道」なんて、自転車で走るのが気持ちよさそうでおよそ自転車での死亡事故のイメージが有りませんでした。

 

しかし悲惨な死亡事故が去年1年間で湾岸警察署管轄内だけで5件も起こっているのです。その内4件もが

 

「車道を走っていた自転車が、左折・右折したトレーラー等貨物車に巻き込まれて亡くなる」

 

という共通した条件で起きているのです。そして江東区の湾岸地域には「貨物車(トラック等の大きな車)」「広い道」を満たしている場所が沢山有るのです。

 

湾岸地域の道路は人が通る事を前提には作られていない

 

江東区の湾岸道路は「広くて綺麗」というご意見を頂きます。

 

湾岸地域は物流拠点や産業施設などが多く、湾岸道路は元々トラックなどの大きな貨物車専用の道路として設置された為に他の地区の道路に比べても広く、そして近年に作られたため綺麗とも言えます。

 

自転車は道路交通法で「軽車両」に該当するため、車道を走る必要が有ります。

当然に湾岸道路でも同じです。その左サイドには自転車を走るポジションとして「自転車ナビマーク」「自転車ナビライン」が存在します。

 

しかし自転車が自転車ナビマーク・ライン通りに走っていたとしても、大型貨物車にとって自転車の存在は死角となってしまう事が有るのです。自転車に乗っている人に絶対に覚えて欲しいのが、大型貨物車から横で走る自転車の姿は基本的に見えていないという事です。

 

参考画像:自転車ナビマーク

 

参考画像:自転車ナビライン

 

湾岸に住むドライバーは自転車が大型貨物車に並走している事がまま有る事を知っています。しかし大型貨物車は荷物を運搬するために様々な地方から来ています。そのため「大型貨物車が走る道路に自転車がいるはずがない」と思い込んでいるドライバーも非常に多いのです。

 

一方で自転車に乗る方は地元の江東区民です。身近に知っている道をいつも通りに走っているため、大型貨物車の近くを走る事も日常です。

 

そんな自転車側の「慣れ」と、大型貨物車側の「不慣れ」が重なってしまい、重大事故に繋がっているのです。

 

自転車に乗る江東区民の方に是非気を付けてほしい事

 

江東区は都内最大の都バス本数が走っています。そのため江東区内を多数走る大型車は貨物車だけではないのです。都バスも有るのです。

 

私はシティバイクに乗っていますが、気をつけて車道を走っていても何度も「ヒヤッ」とした経験があります。子どもが乗せられるママチャリを運転している方が、怖くて車道を走れない気持ちも非常に良くわかります。

 

ですが、南北の交通事情から分かる通り、自転車移動は江東区民にとっての生活そのものです。私自身もそうですが、「では自転車に乗るのを止めろ」と言われてもそれは難しいです。

 

そこで私達がまずやるべき事は、安全に自転車を利用するための「自転車安全利用五則」の確認です!

 

警視庁HP:https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kotsu/jikoboshi/bicycle/menu/five_rule/

 

私が驚いたのは、自転車安全利用五則の三つ目にある「歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行」の通り、自転車は例外的に歩道を走っても良いという事です。

 

“自転車が歩道を通行する場合は、車道寄りの部分を徐行しなければなりません。歩行者の通行を妨げるような場合は一時停止しなければなりません。”

 

この様に、車道よりを徐行するなら、歩行者を妨げないなら、自転車は歩道を走っても良いのです。

 

また、子どもはヘルメットを着用という箇所がありますが、私は大人もヘルメットを着用する事をオススメします。

 

最初は子どもに納得してヘルメットを着けて貰うために私自身も被ろうと思っただけでしたが、最近は軽くて見た目も可愛いものが出ています!皆様も是非ご検討下さい。

 

参考画像:さんのへのヘルメット

 

お年寄りの方に自転車移動がおすすめできない理由

 

そして湾岸警察署での協議の中で、ハッとなった箇所が有りました。

 

さんのへ「江東区で自転車の重大事故が発生していると言うことは、レンタサイクルの影響もあるのでしょうか。」

 

湾岸警察「いえ、それはありません。現在観光客が減っている事も一因ですが、レンタサイクルでの事故報告は未だありません。レンタサイクルは基本的に若い方が乗られるので…」

 

実は祖母が存命だった頃、自転車の転倒事故を起こしていたからです。

 

怪我をきっかけに祖母は自転車を卒業しましたが、冷静に考えると自転車も自動車と同じ「車両」です。危険時には車の運転と同様に、とっさのブレーキやハンドル操作を求められます。しかし反射神経が低下した高齢者にはそれは難しいのです。

 

近年、高齢者による自動車事故が社会問題になっています。そのため免許の自主返納、高齢者の免許更新でのテスト実施などに注目が集まっています。ですが、自転車も含めた「交通安全教室」って大人になってからは全く無いですよね。

 

「本当に自転車での移動が必要かどうか」

 

「都バス(シルバーパス)の積極的利用」

 

江東区内で、自転車に乗るご高齢の方は是非この2点について検討してください。どうしても自転車に乗る必要がある場合は、ヘルメットを身につける、損害保険へ加入するなど、ご自身や周りの方の身を守る行動をお願いします。

 

損害保険は江東区独自の保険もあります。是非ご参照を。

https://www.city.koto.lg.jp/101010/kurashi/kotsu/kotsuanzen/shisaku/30hokenshuryo.html

 

最後に

 

「交通事故は本当に怖いです。人生狂います。事故に遭った方も、巻き込んでしまった方も。そんな方をたくさん見てきました。」

 

私は湾岸警察の方が仰った、この言葉の重みが忘れられません。そして江東区内で日々報告される交通事故の話を聞くと、居ても立ってもいられなくなります。

 

今一度自転車マナーについて、ご家族や職場の同僚など、皆様で話し合って欲しいです。そして江東区に改善して欲しい事が有るなら、是非私に相談してください。遠慮は全く無用です。むしろ大歓迎です。

 

先日も自転車ユーザーからの声により、北砂一丁目小名木川沿い凸凹の道を直すことができました。

 

参考画像:BEFORE→AFTER

 

基礎自治体である江東区、その江東区議会議員である私の役割は区民の皆様の悩みと行政を繋げる事です。

 

些細な事でも結構です。

少なくとも私はいつでも皆様の声を待っています。

 

さんのへあや