『５０歳からの楽しい楽しい「ひとり時間」 ――人生、「嬉しいこと」が、益々ふえる生き方のヒント』
を書かれたとき、著者の三津田富左子さんは90歳。
大正1年生まれの三津田さんが、
40も若い世代に何を申すのか？
と思うなかれ。
50歳で夫を亡くし、
52歳で一人娘が嫁いで以降、
一人暮らしをされてきた三津田さんの言葉は、
＜イキイキとした後半人生を生きたい＞
と思う、全ての人に響くものがあるのです。
三津田さんは加賀前田藩の家老の家系に生まれ、
何不自由ない娘時代を過ごし、
穏やかな結婚生活を営んでいたけれど、
公務員の旦那さんの死によって、
50過ぎてからOLとなり、
65歳で定年を迎えて年金生活。
贅沢ではないけれど、
地に足の着いた生き方をされ、
一言で言えば
＜気骨がある＞
のです。
そして、病気もほとんどされずに
元気で長生きなのは
◆習い事をして、その勉強を欠かさない
◆言いたいことは言い、ストレスを溜めない
◆新聞に読者投稿をし、張り合いをもつ
◆バスの日帰り旅行など楽しみをもつ
◆お金をかけずにオシャレを楽しむ
といったことがその秘訣かなと思います。
習い事は、長唄や社交ダンスといった体を使うもの、
さらに中国の古典など頭を使うもの。
中国の古典は、
予習、復習を欠かさないといいます。
うわー、素晴らしい！
「一人暮らし」というと
・寂しい
・孤独
・不安
というイメージもあるでしょう。
もちろん三津田さんには、
いざという時に頼れる娘さんがいる、
という安心感もありますが、
＜人に煩わされず自分の時間を楽しめる＞
というメリットは何物にも代えがたいといいます。
「誰かがいてくれたら」
「誰かがこうしてくれたら」
と依存するのではなくて、
◆一人だからこそできること
をフルに楽しんでおられるのですね＾＾
「大切なのは、人生の慰めを人に求めず、
しょせん人間はひとりである、と悟ること。
そう悟れば、人生への覚悟もできるはず。
人に依存する気持ちがあるから、寂しくなる。
自分はひとりで大丈夫、平気だと
心に決めることである」
私がハッとしたのは
「運命が決まっているとすれば、
くよくよしてもはじまらない。
一つひとつのことに、精一杯誠意をもって
ぶつかっていくほかないだろう。
そうやって、毎日を悔いなく過ごしていれば、
寂しいなんて気持ちが紛れ込む隙はないと思う」
という言葉でした。
私は、がんをやらかしてから、
「再発したくないな、死にたくないな」
と怖れる気持ちがあります。
でも、運命が決まっているとすれば。
寿命が決まっているとすれば。
健康に気を使いまくっても早く死ぬことも、
全然気を使わなくても長生きすることある。
だから、怖れるよりも
＜悔いなく生きる＞
のが大切なのだなとエールをいただいた気持ちです。
また、一人でいて、誰に何も言われなくなると、
ついだらけてしまうこともあるはず。
三津田さんは、朝6時に起きて朝食などを済ませたら、
カルチャー教室の予習復習をします。
全力投球でまじめに取り組むから
「心底楽しい」のですね。
けれど、時にはおっくうになって、
サボっちゃえと思うこともあるそうです。
けれど、自分の気持ちに正直にサボるかというと、
しません。
なぜなら、そこで自分を律しないと、
「自分に真面目」
ということにはならないから。
「やりたいことは勉強であって、
サボりたいというのは怠け心である。
その部分はきっちりと区別しなくてはならない」
これ、実はすごく大事なことなんですね。
「心の声に従うのが大事」
と考えていて、
「やりたい」「やろう」と思っていたことを、
ちょっと面倒くさくなって「やーめた」と
することがあるかもしれません。
でもそれは、
「やりたい」という元々の「心の声」を
「怠け心」で打ち消しただけのこと。
「出かける気だったけど準備するのが面倒になって」
というのも同じ。
同じ「心の声」でも、
「やりたい」という「ハートの声」と、
「準備が面倒」という損得を考える「アタマの声」とは違う。
ここをしっかりと見極めて、
「ハートからの心の声」を尊重していくことが、
人生の充実度を変えていくのでしょう。
私もすぐに怠け心が出るので、
これは私も気をつけねばです（笑）
あと、おしゃれについて。
年齢が上がると、
「以前似合った服」が
だんだん似合わなくなったりするものです。
それで、新しいものを探そうとするのですが、
「年甲斐もない」とか
「痛い」とか言われたくなくて、
周りと同じような無難なものを
選ぶことはありませんか？
または、考えるのが面倒くさくて、
同じものを制服のように着回すとか。
けれど三津田さんは、
お手頃価格の気に入ったものを買い、
トータルコーディネートのオシャレや、
派手な色合いのものをまとったりするの好き。
コーディネートを考えるのも、
頭を使うので良いんですよね＾＾
「派手過ぎるのではと、誰に遠慮することもない。
どんなお洒落をしたって、税金がかかるわけではないのである。
自分の人生だもの、自分の物差しにのっとって、
好きなようにお洒落をすればよい」
「似合うものが見つからない」と
ファッション迷子になってしまうこともありますが、
三津田さんのオシャレは、
「合う色や合う形に自分を合わせる」
のではなく、
「自分が好きな色、好きな形のものをまとう」
のです。
好きなものをまとえば、元気が出る。
外に出たくなる。
人にどう思われるかを気にして
オシャレ迷子になるのではなく、
「自分の気持ちが上がる」
オシャレを楽しむのが大切なのだなと
気づかされました。
「楽しく、充実した日々を過ごしたい」
そういうすべての方にお勧めの本ですよ～＾＾