「クレオパトラな女たち」第6話/〜打ち切りなんてもったいない! | どら☆ぶろ〜テレビドラマ感想ブログの決定版

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連続ドラマの感想やあらすじ(放送回までのネタバレ含む)などについてを主に書いてます。
目標とコンセプトは「面白いドラマをより多くの人に見てもらいたい」です。
朝ドラ「ごちそうさん」「あまちゃん」のあらすじ・感想が日課です。
旅行記も稀に書いています。

水曜22時~
日本テレビ系


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◎あらすじ(ネタバレあり)
峯太郎(佐藤隆太)のもとに市井(稲森いずみ)から電話がかかってきた。
家族の中でに完全に居場所をなくした市井が思わず弱音を漏らす。
心配する峯太郎に、同居人の黒崎(綾野剛)は「市井には夫も子供もいる。その市井に責任を取れないなら優しくするな」と言われてしまう峯太郎。
峯太郎は市井を心配する気持ちと黑崎のアドバイスの狭間で揺れ動く。

ある日、看護師の葵(北乃きい)がBSC(峯太郎の職場)を無断欠勤した。
家に様子を見に行かされた峯太郎。
するとバスルームでリストカットしている葵を発見する。
応急措置を施し、葵を自宅に一時的に保護する峯太郎。

葵はブサイクだった過去にコンプレックスを感じ、高校卒業時に全身整形していたことが、姑の素行調査で交際相手にバレたのだった。
姑に交際を反対され、思わずリストカットをした葵。

コンプレックスであった「顔」を変えても不安はずっと抱えたままだったのだ。

そんな葵に「看護師として優秀なのは事実だから男に頼るのはやめなさい」と激励する市井。

峯太郎の真摯な対応と市井のアドバイスで何かを吹っ切って、「仕事でがんばろう」と新たなスタートを切るのだった。



◎みどころ

コンプレックスはなかなか払拭できない

◯おもしろポイント
払拭できない「コンプレックス」の根の深さ
北乃きいがリストカットを図った。
すんでのところで佐藤隆太に助けられるが、リストカットの原因は「ブサイクだった過去の自分」。
全身整形をして、かなり可愛くなっても、昔の自分の姿、自分の持つ「ブサイク」なDNAへのコンプレックスは消せなかった。
そのコンプレックスを必死で埋めようと今まで「綺麗になった自分の姿」を使って色々な男と遊ぶ。
そして、本命の相手と出会う。
本命の相手と本気で付き合っても、どこかで不安を隠せないのか「心からの笑顔」を見せることはなかった北乃きい(愛想笑いや営業スマイルはどんどん出る)。
交際相手の母親に触れられたくなかった自分のコンプレックスを突き付けられて、動揺し自殺を図る。

「美しくなりたい」「愛されたい」「頭が良くなりたい」「貧乏は嫌だ」
様々なコンプレックスがあって、人は何かしらのコンプレックスを秘めて日常を過ごす。
しかし、ふとした瞬間やきっかけでそのコンプレックスが溢れ出すことがあり、それは時に人に致命傷を与える。

北乃きいの今回のエピソードは人の脆さをとてもよく映していた。

また、脆さだけでなくて、「優秀な看護師だから」という落とし所をつけて救いを持たせたのがすごく「ドラマ的」で視聴後の感じが良かった。
(現実では、「顔も仕事も10人並」の人間が殆どなのだから)



◯ツッコミポイント
「こんな顔の子供が生まれたらどうするの?」
北乃きいの全身整形前の写真を見て、北乃きいの交際相手の母親が言ったセリフ。
・・・しかし、そういう交際相手の男こそがブサイク(役者さん、すみません)だった。
「夫似のブザイクな顔の子供が生まれたらどうするんですか?」

こんな母親が姑になったら、生まれた子供が「医学部受験に失敗」でもしたら北乃きいの責任にされることが確実なので、別れて正解。



◯つまらなポイント
なかった。打ち切りが心底残念。
「コンプレックス」から抜け出せないリアルな人の心情と、「コンプレックスとどう付き合っていくのか」がすごく丁寧に書かれてるので、もっと見たい。

また、ストーリーに流れ(1話完結じゃなくて、全話で1つの物語になってる)がある作品なので、ここから書き換えをすると脚本家にはかなり重労働になる。(もちろん他のスタッフも)
書き換えが成功する確率は非常に低いので、打ち切りが残念で仕方ない。

テレビ業界が斜陽産業で、ドラマは金食い虫(旅番組も・・・)なのは痛いほどわかるけど、それでも
「連続ドラマを1つの作品として最後まで描ききる」という作業を行なって欲しい。
数字に翻弄されて、流行りの脚本家を使って、流行の設定(今なら「ミタ」の影響で「オリジナル作品絶賛礼賛中)に仕上げる。
でも、「明確なメッセージを持った1つの作品」は人に訴える力があるし、制作スタッフも本当は「自分がドラマを好きだからドラマを作ってる」のではないのか?(そうじゃなきゃテレビ制作なんて過酷な業務はこなせない)
「ドラマが好き」って理想と「数字を取らなきゃ」という現実の狭間で苦しむスタッフの姿が本ドラマの打ち切りで見えてしまった。
ドラマファンとしてもすごく辛い。