火曜22時~
フジテレビ系
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◎あらすじ(ネタバレあり)
末期のすい臓がん患者の担当をすることになった祐太(草彅剛)。
病院側の「末期で当院では手が施せない。だからホスピスで最期を迎えてもらう」という方針に納得の行かない祐太。
なんとかその患者を助ける方法がないかを探る。
すると、日本では未認可の新薬が見つかった。
アメリカで認可は降りているものの、失敗事例もそれなりにあり、最悪の場合は死に至る事もあるというその新薬。
患者にその新薬の投薬を提案する祐太。
患者に「祐太が”治る”と言ってくれたら投薬をする」と言われ、悩む祐太。
治療は受けて欲しいが、無責任に「治る」とは言えない。
そうこうするうちに、その患者は新薬の投薬を開始した。
病院内では「祐太が”治る”と無責任に患者に言った」と噂になる。
一時は効果もあらわれ、元気になってきた患者。
しかしある日、肺から大量の出血を起こし突然死してしまう。
患者を救えなかったことに落胆する祐太。
しかし、それ以上に祐太には落ち込む理由があった。
祐太の言葉に元気づけられたという患者に「なんで”治ります”と言ってあげられなかったのだろうか」という後悔だった。
ウソでもいいから治ると言ってあげたかった祐太は夜の病院内で涙を流す。
◎みどころ
医者の言葉は神の言葉ではない。
◯おもしろポイント
医者の言葉は神の言葉なのか?
「草彅剛は信用できるいい医師っぽいだから、草彅剛が言うなら新薬治療を受ける」と言った患者。
しかし、人の言葉に絶対はないし、それは医師だろうが会社員だろうが同じ。
ただ、「病気を持った患者」と「患者を治せる可能性のある医師」ではどうしても医師のほうが力がある。
力のないものは、力を持つものにその身を委ねることしか出来ないし、
だからこそ、力あるものは力のないものに全力で対処しなければならないという理想論がある。
でも、力はあっても医師も所詮人間。
ただの専門家の技術屋であって、神ではない。
言ったことが必ず事実になるわけでもない。
でも、無責任な気休めも言えない。
本当は医師にかぎらず全ての人がそうなんだろうけど、医師はこのドラマでは特に顕著である。
◯ツッコミポイント
①「医者の妻はナース」ではない
残念ながら、医者の妻は医療秘書と同じ医者同士が多い。
若くて可愛くて男受けする医療秘書が研修医とデキて結婚するパターンか、
医学部時代からの長い同期と結婚するパターンが多い。
医師と看護師が結婚することは殆ど無い。(小さいクリニックはそこそこあるかな)
それは看護師が怖いから。
モンスターのような患者の相手をして、夜勤もこなし、上下関係は軍隊並み。
大病院で看護師を続けられる人間は相当強い。
ボンボン坊ちゃん医師なんか尻に敷かれるどころか、踏み潰されて木っ端微塵。
だから、強靭な肉体と精神を持っていない看護師は「パートでいいから小さいクリニックとかで働きたい」とつぶやき、結婚(医師とじゃないよ)を機にパートや非常勤になったりする。
「若くてかわいい新人ナースちゃん」が日々の過酷な業務において「強靭な肉体と意思を持った鉄仮面」になることはよくある話。
管理職看護師になると既婚率は2割以下とかになる。
②大学病院は研究機関
残念ながら現実。急性期医療や高度医療を担うのが大学病院の仕事である。
ドラマでは末期がん患者をホスピスに送っていたが、現実はもっとヒドい。
200~300床程度のそこまで経営の良くない私立病院が受け皿なのがスタンダード。
ホスピスを紹介できるのはまだイイ条件な方だ。(ホスピスと言ってもピンきりだけど)
③37歳の看護師長のいる大学病院
病院内で幅をきかす看護部。その頂点に君臨する看護師長が37歳という若さ!
大学病院のような年功序列組織で、比較的労働規約(労働組合)もしっかりしてるはずの病院で看護師長が37歳。
37歳ではどれだけ有能であっても看護師長にはなれない。
むしろ、慢性的に不足している看護師の中では管理職は更に不足している。
定年を過ぎても、「人材がいない」という理由で2年ほど役職据え置きで雇用期間を延長される事が多い。
37で看護師長・・・どんだけ退職率が高いんだ???
ブラック企業の就職サイトでのPR文にありがちな「平均年齢が若くフレッシュな会社です!」という謳い文句に似た恐怖を感じる。
そんなコワい病院にはかかれない。
◯つまらなポイント
ない。
初回は「まあ、王道のドラマだな~」と思ったけど、見れば見るほど面白くなるし、引き込まれる。
突っ込みどころもあるし、かなり面白いドラマだ!