「平清盛」16話/〜中井貴一の圧巻の去就 | どら☆ぶろ〜テレビドラマ感想ブログの決定版

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連続ドラマの感想やあらすじ(放送回までのネタバレ含む)などについてを主に書いてます。
目標とコンセプトは「面白いドラマをより多くの人に見てもらいたい」です。
朝ドラ「ごちそうさん」「あまちゃん」のあらすじ・感想が日課です。
旅行記も稀に書いています。

日曜20時~
NHK総合



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◎あらすじ(ネタバレあり)
得子(松雪泰子)の口利きもあり、昇任が内々定した忠盛(中井貴一)と清盛(松山ケンイチ)。
しかし忠盛は、長年の苦労がたたってか病床に伏せってしまう。
また、忠盛は家盛(大東駿介)を喪ったこともあり、「なぜ戦うのか」という迷いを大きくしていた。
その頃、清盛は仕事で安芸(現在の広島地方)にいた。安芸の活気と造船技術からヒントを得て帰還する清盛。

同時に朝廷では、藤原摂関家における内紛が勃発していた。
摂政の忠通(堀部圭亮)と左大臣の頼長(山本耕史)の藤原家の跡目争いが激化していたのだ。
忠通を擁する得子は頼長を炊きつけ、鳥羽院(三上博史)の近臣である家成(佐藤二朗)を襲撃させる。
その報復として、平氏に頼長を襲撃するよう命じる鳥羽院と得子。

病身の忠盛は襲撃命令に対して平氏一門への命令を出しあぐねていた。
そんなところに、清盛が現れ、
「自分は今まで多くの場で刀を振るってきたが、平氏が刀を振るうのは武士の世のためであり、朝廷の犬になるためではない」
と襲撃命令を拒否する。
その清盛の言葉を受けて、迷いの晴れた忠盛。

後日、平氏一門を集めて時期棟梁を発表する。
「平氏一門の次期棟梁は清盛である」と言い残し、忠盛はこの世を去ったのであった。


◎みどころ

刀に象徴される父子の願い

◯おもしろポイント
①志で通じ合う父(中井貴一)と子(松山ケンイチ)
清盛が持つ1本の刀。
忠盛から授かったその刀は重くて大きく、片手で持つにはかなり重みがある。
その刀の重みは武士としての重みの象徴である。
父から譲り受けた刀を時には、
白河院(伊東四朗)の御前で武士としての自分の存在を証明するために振るい、
海賊から民を守るために海賊船で振り回し、
寺社勢力を武士として退けるために振り回す。

刀を振るったそのすべてが「武士である自分」を証明するためであり、「武士の世を作る」決意である。
鳥羽院からの襲撃命令で迷いを見せる忠盛にその刀を地に刺し
「刀を振るうのは武士の世を作るため」と伝える清盛。
清盛の意思を受け、迷いを振り切り今までの自分の行動の意味を見出す忠盛。

刀を象徴に親子の志が再確認できた回だった。


②志では通じあっていても心が通わない父(小日向文世)と子(玉木宏)
ともに「武士の世を作りたい」と願う為義(小日向文世)と義朝(玉木宏)。
志を同じくしても、「どんな相手であろうがしっぽを振ってでも武勇を示して生き延びる」という為義に
「誰彼かまわずしっぽを振っていても取り立てられず、武士の誇りも地に落ちる」と考える義朝。

しかし、本音では父の役に立ちたい義朝。
自分の理想と父の役に立てない現実に苦しむ息子。

清盛親子とは対照的ですれ違う様が哀しい。


◯ツッコミポイント

①9回も叫んだ松ケン
安芸から帰還後、妻の深田恭子から父・中井貴一の病気の話を聞いた松ケン。
慌てふためき中井貴一の館まで「父上~!!」と叫びながら猛突進する。
叫びまくって、叫んだその回数はなんと9回。
心配な気持ちはわかるが、叫んでも叫ばなくても病状や体調は変わらんぞ。


②本日の転倒
中井貴一の病気の知らせに慌てふためき、中井貴一のもとに駆け寄った際にすっ転ぶ松ケン。
まさか中井貴一の目の前で転倒するとは。
転んだ拍子に病身の中井貴一にぶつかったらどうするつもりなんだろうか。
$どら☆ぶろ
運良く中井貴一に向かって倒れこむことはなかったが・・・


③報われない田中麗奈
玉木宏と結婚した回に「母(田中麗奈)は報われる人であった」とナレーションが入った田中麗奈。
しかし、今回小日向文世と玉木宏の仲を取り持とうとして裏目に出て、泣いてしまう。
玉木宏のことが大好きで、「なんとかしたい」という一心での行動だったのにうまくいかない。

しかも、泣いてる矢先に、玉木宏は偶然だか何だかで出くわした武井咲に安らぎを見出し、デキてしまう。
全くもって報われる人じゃないじゃん、田中麗奈。


◯つまらなポイント
全くない!
特に今回は中井貴一の貫禄の演技に身震いがした。
首の一振りから、言葉を発するまでの間、発する言葉の音感や抑揚のすべてが「志を強く持つが、表面は流水のごとき、文武に長けた人格者忠盛」というキャラクター象にピッタリ。
「中井貴一が今年の大河で忠盛を演って本当に良かった!」と思えた。

また、その中井貴一の演技を受けて立ち、見劣りしなかった松ケン。

ストーリーも、今回の象徴となった刀の演出も演技もどれをとっても超一級品。
視聴率が大河始まって以来の低さらしいが、「観ない」人の気持ちが全くわからない。
こんなに面白くてクオリティの高いドラマはそうそうないのに。もったいない。

ちなみに、今回の再放送は28日(土)13時~ である。
何回見ても損はない。(毎回録画も含めて3回見てるけど、自分)


◯清盛奇行(きよもりきこう)
何かと奇行の目立つ平清盛(とその周囲のキャラたち)。そこで、ドラマ本編終了後の「清盛紀行(きよもりきこう)」をパロって清盛たちの奇行を紹介することにした。


今回は中井貴一のシーンが多かったからか「奇行」シーンがなかった!なぜ?
「奇行」あっての清盛なのに!
もっと奇行シーンを出せ!!!