火曜22時~
フジテレビ系
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◎あらすじ(ネタバレあり)
着任早々、担当外の患者に勝手に簡単な処置を施して医局で叱られる祐太(草彅剛)。
翌日から「処置はせずに、患者さんに挨拶回りと相談役だけを行う」と言い出す。
しかし、そのあいさつ回りも禁止され、元気の無い祐太。
そんなとき、祐太の同僚の研修医・沢村(水川あさみ)ところに糖尿病患者の桑原という男性(徳井優)が入院してきた。
祐太の指導医・新見(斎藤工)が初診で、適当な診察をしたため、合併症を見過ごしてしまった。
医療費の負担と医師のそっけなさを気にして合併症の苦痛を我慢する桑原。
そんな桑原を気にかけ、度々顔を出し話をする祐太。
すると、ある日桑原が合併症を起こして苦しみだした。異変にいち早く気づいた祐太のお陰で一命を取り留めた桑原。
しかし、医局内では「担当医でないのに勝手なことをするな」という不満が噴出する。
だが、祐太の患者への姿勢は沢村へ少しずつ変化をもたらす。
◎みどころ
「いい医者とはなんなのか?」という問いが明確である
◯おもしろポイント
①「いい医者」と「悪い医者」の描き分けがハッキリしている
今回の例なら、
斎藤工演じる医者は、患者とロクに話をせずに何かあればすぐ検査に回す「悪い医者」で、
草彅剛や田辺誠一が演じるのは、患者の話をよく聞き、気を使い、コミュニケーション方法を工夫する「いい医者」として書かれている。
製作者の意図が演出にストレートに出ていて視聴者に
「ああ、いつも行くあの医者は結構悪い医者なんだ」と振り返らせる。
(現実の「いい医者」かどうかはすごく判断が難しいが)
②病院経営に大切なのは以下の3つ!らしい
ドラマ内で、教授役の松平健が言っていたのが以下の3つ。
「ベッドコントロール」
「関係各所への根回し」
「”患者のため”なんてキレイ事は言わない」
確かに当たっている。
「ベッドコントロール」とは、ベッドを患者で満床にすること(救急指定病院だとある程度空けてなければならないが)、患者の入院期間である平均在院日数を下げること(=ベッドの回しを良くすること)を指す。
「関係各所への根回し」とは、大学病院などの総合病院の場合は、近隣の医院からの紹介や返送(紹介された患者の大きい治療が終わったら近隣の医院に返す)の対応、患者の退院後の保健所や市役所(場合によっては身体障害者手帳の取得にもなるから)への連絡などを指す。
一番当たってるのが、残念ながら
「”患者のため”なんてキレイ事は言わない」という部分。
病院経営は残念ながら、儲からない。
私立の聖マリアンナ医科大学のような加算をバンバン取れて、大学まで持ってるようなごくごく少数の潤沢な病院を除いて、大学病院、公立病院はおしなべて経営がギリギリか赤字。
患者でベッドを満床にしても赤字。
保険で「診療報酬制度」で収入を得ているので、
保険の基金から「この疾患にはこの検査とこの処置の分しかお金は出せない」と言われてしまえばオシマイ。
健康保険でありがちな患者の自己負担3割の場合、7割を保険者が支払う。
しかし、その7割で「この検査の部分は払えません」と保険者に言われたら、実施した検査分の7割は取りっぱぐれる。
病院は公共性の高い機関だけど、ある程度利益を出して経営を回していかないと病院自体が存続できなくなる。
公共性と利益の板挟みで悩むのが医者の仕事と言っても過言ではない。
そういう意味では、松平健の役はかなり割り切ってるし、必ずしも間違いではない。
◯ツッコミポイント
①「患者の愚痴や文句を聞くのは看護師の仕事だ」
草彅剛の指導医役の斎藤工のセリフ。
しかし、看護師の仕事は患者の愚痴や文句を聞くことではない。(実態はそうなってるけど・・・)
いくら医師にスポット当ててるからといって、看護師をナメすぎ。
看護師を怒らせると怖い。
ボンボン出身でワガママで結束力のない医者以上に、統制が取れていて、軍隊並みの規律の厳しさの看護師は本気で怖い。
大病院の看護師長の部屋(幹部職員扱いのため個室が与えられる)は「魔女部屋」とか言われているのに、病院内でそんな迂闊な事を言うなんて、後でどうなるか知らないぞ。
②今日はまだ仕事?
草彅剛あてに来た恋人・ミムラからのメール。
しかし、そのメールが届いたのは夕方(背景の明るさから)。
勤務医は夜勤明けとかでもない限り、そんな早い時間には帰れない!
日が明るいうちに帰りたいなら勤務医など目指すべきではない。
②いつもスイーツ食べてる松平健
教授の個室で今回はケーキを食べていた松平健。
前回食べてたプリンに引き続き、甘党と見た。
しかし、仮にも内科医なので、「糖尿病にはお気をつけて」と言いたくなる。
◯つまらなポイント
取り立ててなかった。
ソツなくまとまってる感じに、草彅剛のトラブルメーカーっぷりが面白い。
個人的にはいいドラマだと思う。