「平清盛」19話/〜自分のことしか見えてない三上博史 | どら☆ぶろ〜テレビドラマ感想ブログの決定版

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連続ドラマの感想やあらすじ(放送回までのネタバレ含む)などについてを主に書いてます。
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朝ドラ「ごちそうさん」「あまちゃん」のあらすじ・感想が日課です。
旅行記も稀に書いています。

日曜20時~
NHK総合



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◎あらすじ(ネタバレあり)
朝廷では雅仁親王(松田翔太)が後白河帝として即位した。
後白河帝の即位により、朝廷内の権力図が激変する。

その混乱は平氏一門にも及んだ。
清盛(松山ケンイチ)の妻・時子(深田恭子)の妹の滋子(成海璃子)を
「後白河帝の妻にどうか」という声まで出る。

だが、清盛は崇徳上皇(井浦新)と鳥羽法皇(三上博史)が和解することを祈っていた。

そんな折、鳥羽法皇が病床に伏せる。病床で鳥羽法皇は
「有事の際は自分と得子(松雪泰子)を護衛しろ」
という誓文を源氏や平氏に書かせようとする。

しかし、崇徳上皇と鳥羽法皇の和解を願う清盛は誓文を書きあぐねていた。
悩む清盛に「お前は何を守りたいのか」と問う信西(阿部サダオ)。
その問いに苦渋の決断をする清盛。
平氏一門を守るために、崇徳上皇と鳥羽上皇の和解を諦め、誓文を書くのだった。

そして鳥羽法皇は崩御した。

また、源氏では義朝(玉木宏)が自分の息子を使い、実弟を襲い家宝を奪うという事件が起きていた。
義朝は源氏の中での覇権を取るために父・為義(小日向文世)と完全な決裂をしてしまう。



◎みどころ

すれ違う親子の悲劇

◯おもしろポイント
①届かない父子の本心
父である三上博史を恨む井浦新に、そんな子に許しを請う三上博史。
二人を何とか取り持ちたいマツケンだが、その願いは届かない。
三上博史は井浦新に謝罪文を送るが、井浦新はその謝罪文をその場で破り捨ててしまう。

その後、松雪泰子の謝罪もあり、三上博史が危篤状態になって、井浦新はようやく心を開く。
しかし、時既に遅し。
「自分が守るべきものは平氏である」という決断を下したマツケンは二人の仲を取り持つことはなかった。

積年の憎しみが謝罪文一つで消えるはずもないが、それでもようやく心が通いかけたその時に、
儚い希望は打ち砕かれる。


②届かない父子の本心2
松田翔太の天皇即位の祝の場に、井浦新から祝いの歌が届く。
しかし、その歌には松田翔太への憎しみが込められていた。
その事に激昂する松田翔太。
井浦新の憎しみを見た三上博史は、井浦新への懺悔の念で心がいっぱいになり
「今回の松田翔太の即位は間違っていた。井浦新の希望を叶えるために井浦新の子を即位させるべきだった」
とその場で叫ぶ。

しかし、松田翔太も三上博史の子。
今まで三上博史には諦められて、檀れいからは子への愛情を与えられないまま失意の中育った松田翔太。
その愛に飢える姿が、飽くなき権力への渇望をもたらす。

与えられなかった愛情の代償に、ようやく権力を手にした矢先に父・三上博史からの自分を否定する言葉が投げられる。
怒り狂った松田翔太は三上博史へ「ここは私の世だ」と言い放つ。
その言葉はかつての伊東四朗を彷彿とさせ、三上博史は伊東四朗へのトラウマ(天皇であった時代に実権を持たせてもらえず、愛する妻・檀れいを寝取られ続けた)から倒れてしまう。

三上博史と井浦新が「心が通いかけたところで、すれ違う」のならば、
三上博史と松田翔太は「心が通うどころか、憎しみと脅威のみ残して去った」という救いようのない悲劇。
そこにはお互いを思う気持ちがはじめから存在しないのだから。(ホントは少しくらいはあったのだろうが)


③届かない父子の本心3
父である小日向文世と決裂した玉木宏。
これまで「父である小日向文世に認められたい」という一心で強さと権力を追い求めてきた玉木宏。
強くなりすぎた玉木宏に脅威をおぼえた小日向文世は、玉木宏を牽制し、玉木宏はそんな父の牽制を跳ね返す。
お互いを思って生きてきたのに、今も心の底は変わらないのに立場や状況が二人の関係を変えてしまった。
親子に限らず、同様のことは往々にしてある現実だが、それでも見ていて辛い。


◯ツッコミポイント
①「棟梁がアホやと家臣もアホになるんやな~」
成海璃子が平氏にやってきた際に、「年頃なので、誰かの嫁に~」という話が出る。
と、マツケンは「俺は成海璃子の姉の深田恭子と既に結婚してるし・・・」と言い出し、
マツケンの子達は「年から行けば自分たちが~」と浮かれ、
上川隆也に「もう少し年上の方が~」と言われたら、
中村梅雀が満面の笑みで、豊原功補はニヤリ顔を隠せない。
そんな姿を見た海賊出身の家臣・加藤浩次が言ったのが「棟梁がアホやと家臣もアホになるんやな~」。
確かに!笑


②転倒の次は這いつくばりとちゃぶ台返し!
第二部になって、転倒シーンが亡くなった。オトナになったことの象徴だろうが、代わりに目立つようになったのが這いつくばるシーンとちゃぶ台返し。
這いつくばるシーンは後悔や動揺の演出と思われ、
ちゃぶ台返しは激昂の演出。

しかしまあ、その回数の多いこと。
「平安末期が動乱や愛憎渦巻く時代であった」という事を表現しているのだろうが、
毎回毎回地面に這いつくばる三上博史と、よくちゃぶ台返しをするやんごとなき方々(今回は松田翔太)。

「殿上の方々は中二病なんだろうか?」と思ってしまうではないか。



◯つまらなポイント
ない。
脚本も演技も演出も秀逸なのだけど、展開が早すぎてついていくのが難しい。
史実だが、重要人物がどんどん名を変え(即位、譲位等により)、亡くなったりする。
平安末期という時代がドラマにするのがいかに難しいのか見ている側でもわかる。


◯清盛奇行(きよもりきこう)
何かと奇行の目立つ平清盛(とその周囲のキャラたち)。そこで、ドラマ本編終了後の「清盛紀行(きよもりきこう)」をパロって清盛たちの奇行を紹介することにした。

松田翔太にかつての伊東四朗を見た三上博史の狼狽ぶり。
口を鯉のようにパクパクさせ、酸欠でも起こしたのかと思いきや、次の瞬間その場でぶっ倒れる。
以前からやたら地面に這いつくばっていたけど、法皇の威厳は全くなかった。
しかも、その松田翔太の怒りを買った原因は三上博史自身。
我が子・井浦新への懺悔の念でいっぱいになったため、同じく我が子の松田翔太を全否定したことが原因。
・・・しかし、三上博史は天皇→上皇→出家 と長めの人生を送ってきたはず。
少しは「自分の感情を抑える」とか「周りのことを考える」とかしないのだろうか。
譲位を取り消すにも、もっと波の立たないやり方もあるだろうに。