木曜22時~
フジテレビ系
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◎あらすじ(ネタバレあり)
財政難のため市町村合併の危機にあったさびれた由芽市。
さしあたって、矢面に立ったのは市の象徴の音楽堂。その音楽堂を潰してゴミ処理場に変えることが市長(岸部一徳)の交わした合併の条件だったのだ。
しかし、市町村合併に反対する団体がいた。
音楽堂で合唱活動をしている合唱団「シャンソンズ」。
だが、シャンソンズは昔は流行ってたが、今やメンバーが4人しかいない、さびれた街のさびれた合唱団だった。
そんなシャンソンズと音楽堂を救うべく、音楽堂の館長(久野綾希子)が呼んだ助っ人が
元”日本を代表する”さびれたミュージカルスターの倉坂澪(天海祐希)。
澪の昔のネームバリューを使い団員募集を行ったシャンソンズ。
集まった団員は、
声量のあるヤンママ南(福原美穂)・、ナルシスト炸裂の玲奈(片瀬那奈)、歌が好きだけど全く歌えない女子大生・まひる(大島優子)、オネエ系の忍(千葉雄大)の4人。
元からいたシャンソンズメンバーは、
市長息子の嫁の優等生系主婦・忠子(石田ひかり)、特売大好きおばさん・みぞれ(大島茜子)、パチンコ大好きぶりっこ主婦の玉子(菊地美香)の3人。
合計7人とコーチの澪で新生シャンソンズを結成した。
練習の一環で合併するとなり町の合唱団の偵察に行くシャンソンズ。
となり町の合唱団のレベルの高さに打ちのめされるシャンソンズのメンバーたち。
うじうじ悩むメンバーに喝を入れる澪。
翌日からシャンソンズの猛特訓が始まった。
そんなところに澪に事務所からの解雇通知が来る。
悲しさと悔しさと絶望感からシャンソンズのメンバーに八つ当たりする澪。
そんな澪のスパルタぶりにシャンソンズは解散しそうになる。
しかし、団員たちの「歌が好き」という気持ちに触れた澪はシャンソンズのコーチをつとめることを決意する。
新生シャンソンズの新たなる船出だった!
◎みどころ
「グリー(Glee)」+「フラガール」!!!
◯おもしろポイント
①”さびれた”感が出てる
さびれた街のさびれた合唱団にさびれた設定の主人公。
田舎の感じがうまくデフォルメされてて、見ていてクスっと笑える。
街も音楽堂もレトロな感じで可愛らしい感じもする。
②グリーとフラガールのドッキング!
全米で大ヒットドラマの「グリー(Glee)」の展開に、
「街おこし」「頑張る女性」的な要素の映画「フラガール」を設定に入れている。
グリーはキャラクターの心情や状況がいきなり歌のシーンになり(しかもその歌とキャラのシチュエーションが異常にマッチしてる)、
「逆境にも負けずに街おこしを歌や踊りで頑張る!」みたいな姿勢はフラガールそのもの。
「本家のグリー見たけど、アメリカ文化に何か馴染めなかった。歌や展開はいいのになあ」って人には間違いなく面白い。
両方の大まかな特徴を連続ドラマにした感じのある意味「おいしいとこ取り」。
③細かい小ネタが面白い
番組冒頭の岸部一徳の合併後プランを打ち出すシーンの仰々しくデフォルメされた姿や、
各キャラクターの登場シーンの画面のコマ割りが面白い。
演出として洗練されているし、テンポも良かった。
◯ツッコミポイント
それでいいのかヤンキー魂?
10年くらい前に絶滅したようなリーゼントに上下ジャージのヤンキー。
3人位でなぜかバス停でたむろしているのに、天海祐希のドスに負けて荷物を運んでしまってる。
3人もいて、それでいいのかヤンキー?
◯つまらなポイント
①期待しすぎてしまったのかな?
予告を見て「ああ、日本版”グリー(Glee)”と”フラガール”をドッキングした感じだ」と思った。
「オリジナル脚本だし(元ネタはわかりすぎてるけど)、スゴいのできるかも!」と非常に期待していた。
番組のはじめの街のさびれた感じや、街にたむろするヤンキーの感じも笑えてとても良かった。
でも、一番盛り上げる見せ場シーンでイマイチ盛り上がらなかった。
決して悪くはない。
でも、見せ場のワクワク感が足りない。
想像の範囲内の事しか起こらず、悪い意味で「期待を裏切らない」。
本家「グリー(Glee)」を見てしまっているから?
2話目以降で魅せてくれるのか、このまま小さくまとまるのかが分かれ道。
なんとなく後者な気もするけど。
②見せ場で盛り上がらない
天海祐希がシャンソンズのメンバーに一喝したり、
歌を教えたり、
大島優子の「ヘタだけど音楽が好き」ってのが天海祐希に伝わって、天海祐希自身の歌への情熱が触発されるシーンが今回の山場。
だけど、なぜか山場なのにイマイチ画面に釘付けにならない。
おそらく、各キャラクターの歌への情熱が伝わってこないから。
シャンソンズメンバーの情熱は今後見せる予定なんだろうけど、
天海祐希と大島優子の情熱を今回見せきれなかったのはイタい。
せっかく、リアクション大きめのコメディーで、「歌や踊りで感情を表現」できるドラマなのだからもっとはっちゃけて「感情が爆発した!」位のものを見せてもいいと思う。
③なんか守りに入ってる
数字の問題やスポンサーとの折衝もあるんだろうけど、何か「守りに入ってる感」が拭えない。
宝塚出身の天海祐希が主人公で「天海祐希が押さえられなかったら真矢みきだったのかな?」とか思っちゃう。
そんな事を思わせてしまう感じが「とりあえず、この内容だったらこのキャスト」っていう定石を抑えすぎてて、意外性がない。
キャラクターの過去や状況や「このシチュエーションならこういう事言うだろうな」ってのが先に想像できてしまう。
爆発的な面白さは「意外性」が爆発した時に起こるものだから。
④元ネタがいいだけに惜しい!
「グリー(Glee)」や「フラガール」の「面白い!!!」って元ネタを使ってるのに今ひとつの盛り上がりのなさ。
例えて言うなら「いい食材を仕入れたのに案外フツーの料理になったね」感。
でも、決して「つまらないドラマ」ではない。木曜22時台に「絶対にコレをしたい!」って事がない人は見て損することはないと思う。
とりあえず「勝負の2話目」を見てみよう。
◯今日の劇中歌
「風になりたい」
「あの鐘を鳴らすのはあなた」