水曜22時~
NHK BSプレミアム
2010年4月4日から放送を開始し、大反響を博し映画化までされ、その映画で日本アカデミー賞を総なめにしたらしい。
「みてみたいなー」と思っていたらBSで再放送が開始されたので、飛びついて視聴した!
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◎あらすじ(ネタバレあり)
希和子(檀れい)は妻の居る男・丈博(津田寛治)との社内不倫をしていた。
ある日、希和子は妊娠する。
妊娠を丈博に告げた希和子は「妻とは別れるから子を堕ろしてくれ」と言われ、子を堕ろし、妊娠できない体になる。
一方、丈博の妻の恵津子(板谷由夏)は希和子と同時期に妊娠していた。
丈博の「妻と別れる」という言葉を信じ、恵津子に「丈博と別れて欲しい」と伝える希和子。
しかし、恵津子は「自分の子供を堕ろすなんて信じられない。そんな身も心も空っぽの人間は夫から離れて」と言い放ち、希和子への嫌がらせが始まる。そして恵津子は子供を出産する。
産めなかったわが子との日々への憧憬が溢れでた希和子は、
ある雨の日に、衝動的に丈博と恵津子の家に侵入し、そのまま生まれたばかりの赤ん坊を連れ去ってしまう。
赤ん坊に「薫」と名づけ、逃亡する希和子。
20年後、薫(北乃きい)は丈博と恵津子の元で「恵里菜」として成人していた。
しかし、薫は20年前の希和子と同じように不倫し、妊娠していた。
妊娠を知った薫は父・丈博に
「私、赤ちゃんできたんだ。相手はお父さんと同じような人。結婚できない人」
と告げる。
空白の20年には何があったのか?
20年後の現在、希和子はどうしているのか?
希和子と同じ道をたどった薫は今後どうするのか?
◎みどころ
暗いんだけどソソられる!
◯おもしろポイント
①空白の20年間に何があったのか?
赤ん坊を連れて逃亡を始めた檀れいと、20年後にその赤ん坊が成長した北乃きい。
北乃きいにとっての「母親」が檀れいを指すらしいが、檀れいは20年後にはいない。
日本列島縦断に近い逃亡劇が想像できるけど、話が20年後から戻っていく構成が
「この間に具体的に何があったの?」
とソソられる。
一種のワイドショーの裏側を知りたいような気分になる。
「あっちゃん、AKB卒業ってホントは何で?」に近いようなソソり具合。
②ソソるんだけど、魅せる
ワイドショー感覚のストーリー予想になるんだけど、さすがNHKというか真面目な作り。
檀れいの悲壮感、北乃きいのフラフラした感じがとても心配になる。
演技も上手いし、どことなく暗い雰囲気の家の演出とか重厚感があるので見応えあり。
◯ツッコミポイント
①性格悪すぎる板谷由夏
夫を取られたくない執着心もわからんでないが、望んでもない堕胎をさせられて子供が産めなくなった檀れいに
「こんなに可愛い赤ちゃんを堕ろすなんて身も心も空っぽの人間」
とか言い放つ。
・・・不倫については檀れいも共犯だけど、不倫相手に堕胎させるダメ夫は悪くないんかい。
しかも立場の弱い檀れいに嫌がらせを始める。
自分より弱い相手の檀れいを選んで攻撃するあたりが、
学生時代にはイジメとかやってそうで、社会人になったらパワハラとかやってそうで引く。
あんた、人間としてどーなのよ、という感じ。
②板谷由夏にして津田寛治というダメ夫婦。
「類は友を呼ぶ」とはよく言ったもので、性格の悪い妻にして「妻とは別れる」と言って堕胎させるこれまたロクでもない夫。
性悪人間にはそれに見合うパートナーしか付いてこない。
しかし、そんな性悪夫婦の間に出来てしまった北乃きいは心底気の毒である。
◯つまらなポイント
悲壮感が漂うあたりが苦手な人は苦手なままかも。
でも、檀れいの持つ悲壮感と北乃きいの愛に飢える様子なんかはスゴく丁寧に描かれていて、
誘拐した経験も、された経験もないけど、どこか共感できるように作られている。
骨太系オンナドラマ。