NHK総合
番組公式HPはコチラ
◎あらすじ(ネタバレあり)
故・白河院(伊東四朗)と鳥羽院(三上博史)により乱れきった治世。
そんな朝廷の姿に寺社勢力が陳情を申し立てる事がしばしばあった。
時には強訴という「神輿(しんよ・神が宿るという”みこし”)を担ぎ、武器を片手に朝廷に対する申し立て」を行なっていたのだ。
度重なる強訴を朝廷の命令にて、武力で退けてきたのが平氏一門。
寺社勢力にとって平氏は「目の上のたんこぶ」であった。
平氏一門の繁栄祈願のために祇園に参じた清盛(松山ケンイチ)。
が、そこで乱闘事件を引き起こし、そのことは朝廷の耳に入る。
祇園社の後見である延暦寺は「目の上のたんこぶ」の平氏一門を失脚させるべく、神が宿っているという”神輿”(しんよ)を担いだ強訴に出る。
しかし、寺社に頭に来た清盛は神輿に矢を放つ。
清盛のその行為は延暦寺の怒りを買い、清盛は父・忠盛(中井貴一)と共に蟄居する。
そんな中、清盛の処遇に頭を抱える鳥羽上皇が蟄居中の清盛の元を訪れる。
清盛に「神輿を射たように私を射ぬいてみよ」と告げる鳥羽院。
そんな鳥羽院に応じて、矢を射る素振りをする清盛。
射ぬかれた鳥羽院は
「自分の身から忌まわしい白河院の血が吹き出して、この身が生まれ変わった。清盛は白河院と自分によって乱れたこの世を射ぬく一本の矢だ」
と言い、清盛と敦盛は釈放される。
喜ぶ平氏一門だったが、忠盛の妻・宗子(和久井映見)の胸中は複雑であった。
前妻であり、清盛の母である舞子(吹石一恵)の遺品を大切に保管する忠盛を見たからである。
そんな母の姿を見た家盛(大東俊介)は清盛に対し「自分こそが平氏の嫡男で平氏一門を背負う」と宣言する。
◎みどころ
乱世を射ぬく清盛という名の「矢」。
◯おもしろポイント
乱世を射ぬく清盛という一本の矢
今回のキーワードは「1本の矢」。
清盛が神輿に放った一本の矢により、かき乱される世の中。
たった1本の矢で乱れる脆い世。
だが、その脆い世は亡霊・白河院の負の遺産であり、その負の遺産に囚われる人々。
未だ囚われる人々の筆頭が鳥羽院。
その鳥羽院が今回清盛によって、亡霊から解放される。
清盛本人は周囲に「もののけ(白河院)の子」として負の遺産に囚われたままなのに、
その清盛によって救われる周囲。
清盛自身が救われる日が来ることを願って止まない。
◯ツッコミポイント
①松山ケンイチと三上博史のパントマイム
松ケンの蟄居の場にいきなり現れた三上博史。
しかも「神輿を射ぬいた様に自分を射抜け」とか言い出す。
・・・どうしちゃったの、三上博史?
って思うはずなのに、何の疑問も持たずに射ぬくフリをする松ケン。
何で?
ちなみに、ちゃっかり射ぬくシーンでは弓の効果音が入ってる。
しかし、効果音がなければただのヘンなシーン。

おかしなパントマイムシーン
②生臭坊主しか出てこない
現代では清貧さと冷静沈着をウリにしているお坊さん。
しかし、本ドラマに出てくる坊主はロクな坊主がいない。
海賊出身の兎丸(加藤浩次)と昔つるんで悪さをしていた下っ端坊主、
剃髪したくせに情事にふけまくった伊東四朗と三上博史、
殺人未遂の末の逃げ場所が出家という藤木直人。
揃いも揃ってロクなものじゃない。
今回神輿を射ぬかれた後の坊主集団の慌てっぷりも滑稽だった。
せっかく槍や薙刀を持ちだしたのに慌てて腰を抜かし、そのまま退却。まさに腰抜け坊主。
史実なのかもしれないが、現在のお坊さんのイメージを覆すダメダメっぷり。
③珍しくマトモな事を言った松ケン。
「神輿などただの箱だ。神など宿っておらぬ」と主張する松ケン。
毎回毎回暴れて裸で相撲をし、転んでいる松ケンが珍しくマトモなことを言った。
それがビックリだ!
神や仏がいるのかいないのか人間ごときに知る由もないけど、
自分の主張に神仏の名前を借りる奴にロクなのはいない。
「厄祓いの痰壺」と同レベルである。(歴史的・民族的価値は除く)。
◯つまらなポイント
今日は転倒しなかった清盛。毎回毎回の転倒を楽しみにしている身としては残念極まりない。
◯清盛奇行(きよもりきこう)
本編ドラマ終了後に1~2分程度の「清盛紀行(きよもりきこう)」というコーナーがある。
清盛ゆかりの地を紹介する「大河にちなんだご当地観光スポットPRコーナー」。
しかししかし、ご当地観光PRよりも、叫んだり、転んだり、と奇行の目立つ清盛(と他のキャラ)。
なので「清盛紀行」をパロって「清盛奇行」というものを書いてみようと思った。
やっぱ松ケンと三上博史のパントマイム!
どう考えてもおかしい。
いきなり松ケンのいる(しかも中井貴一も佐藤二朗もいる)部屋にやってきて、矢も何も無いのに
「自分を射抜け」とムチャぶりの三上博史。
そしてそれに応じる松ケン。
単なるパントマイムなのに、射ぬかれて血が出るフリをする三上博史。
しまいには泣き出してしまう。
何なんだ???
本当に射ぬかれたわけでもないのに。(ホントの矢で射ぬかれたら大事だ)
さらにこの二人のパントマイムに驚きもしない中井貴一と佐藤二朗。
かなり乱れきった世だ。