火曜24時55分~
TBS系
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◎あらすじ(ネタバレあり)
前回からの2話連続シリーズ。
前回のあらすじログはコチラ。
高木家にやってきた七瀬(木南晴夏)。
目的は隣人夫婦・市川家とのお互いへの浮気願望を満たすこと。
高木家の夫・輝夫(大河内浩)は市川家の妻・季子(星野真里)への浮気願望を持ち、
高木家の妻・直子(野波麻帆)は市川家の夫・省吾(西村和彦)への浮気願望を持っていた。
また、省吾も直子に浮気願望を持ち、季子も輝夫への浮気願望を持っていた。
「この4人の欲望を満たすことがテレパシーとしての自分の使命だ」と二組の夫婦の浮気願望を満たし、夫婦交換と目論む七瀬。
テレパシーを使い、二組のの密会を計画する。
しかし、なんと密会が同刻同場所だったのだ。
密会当日、やはり出くわした2組の夫婦。
帰宅した輝夫と直子はお互いに意地のためにだんまりを決め込んだままだった。
また、遭遇時の対応からお互いに浮気相手への評価も急降下していたのだった。
その夜、高木夫妻の夜の営みの心の声が七瀬に大音量で聞こえてきた。
相手の女(男)への嫉妬、配偶者への挑戦、お互いへの嫉妬が、ますますぶつかり合い最終的に配偶者への愛情を確認する高木夫婦。
そしてそれは、市川家でも同じだった。
テレパシーを使い自分の思惑の通りに4人を動かそうとした七瀬。
しかし、自分の想像を超えた4人の感情の複雑さに打ちのめされてしまう。
「人の心が読めても思い通りにはならない。だけど、人の心を覗くといつも驚きがある。だからこれからもテレパシーと他人と共に生きてゆく」
と決意を新たに次の家を目指すのだった。
◎みどころ
人の心が読める「だけ」では何にもならない。
◯おもしろポイント
①七瀬のテレパシー能力への一つの区切り
ドラマ初回から通して能力者である七瀬が
傍観者→(能力との)葛藤→(能力を使って)他人の人生に一歩踏み込む
という流れで最終回を迎えた。
能力を使って他人を操ろうとする挑戦者の七瀬。
挑戦は見事に失敗し、七瀬は人の心の複雑さや深淵を見ることになる。
まとめ方としては無難なんだけど、人との関わり方に一つの答えを出した七瀬の今後のストーリーがとても気になる。
②テレパシーがあるだけでは何にもならない。
人の心が読めても、その相手が実際にどういう行動をするのか最終的な判断は、その場になってみないとわからない。
ドラえもんの「のび太」と一緒でドラえもんの道具を使うだけでのび太自身は一向に成長しない。
(「大長編ドラえもん」シリーズとかだとのび太がやたらカッコよかったりするけど)
テレパシーを使っても「人の心が読める」だけでは単にその場しのぎの量産品に過ぎない。
「テレパシー」という道具をどう使うのか、テレパシーを活かして人とどう向き合っていくのか
という生き方に向き合った七瀬の姿は
「自分の持てる力で他者とどう向き合うのか」という視聴者への究極の問いかけである。
「自分はちょっとだけ気が利くんだけど、その長所を誰にどうPRして、どういう人生を目指すのか」
「自分は人より愛嬌があるほうだけど、その愛嬌を使ったら毎日がちょっとハッピーになるのかな」
とかの問いかけ。
「自分の特性を客観的に捉えて活かす事が出来たら、人は人生をもっと楽しめるのに」
というメッセージを感じた。(筒井康隆がどう考えてるんかは知らないけど)
◯ツッコミポイント
ツッコむのが非常に難しい。
「何でこのドラマはこんなにツッコむのが難しいのだろう?」って考えた結果が
ドラマ内ですでに「七瀬が聞こえてくる心の声に対して鋭いツッコミをしている」から。
さすがプロの脚本家のツッコミ付きシナリオ。
一視聴者にはツッコむ隙など与えない・笑
◯つまらなポイント
ドラマの解釈の幅が狭い。
「優れた」と称される作品には必ず「見ている者に多くの解釈を与える」という賞賛がついて回る。
ドラマ自体がエンタメ量産品だし、「多くの解釈を与える作品」なんてものはどのジャンルでもそうそう出てこない。
ドラマだとせいぜい10年に1作。
だけど、やっぱその「10年に1本」を期待してしまう。
家族八景(七瀬シリーズ)には期待させる力がある。