小泉八雲コレクション。池田雅之編訳。
お馴染の民話から知らない異国の神話まで。
怪奇幻想を揃いも揃えたり、この1冊で50話以上!読み甲斐あります。
『顔真卿の帰還』
忠臣顔真卿は反乱軍の説得に向かったが、反乱の首謀者に屈しなかったために切られて死んだ。
しかし、死してもその忠誠心は奇跡を起こした…
「帰ってくるから心配するな」と言い残したり、
万事思い通りにいっている時に見せる笑顔で微笑みかけたり…
メインの皇帝への忠誠心よりも、老僕とのやりとりが、ものすごくグッときました。
大げさではないんだけど、いい主従だったんだな~。泣ける。
『浦島伝説』
亀を助けて竜宮城に招かれ、故郷に帰ってみればはや数百年が過ぎていた…
「鏡のようにきらめく海」「黄金色の夕暮れ時」「白熱に輝く北の地平線に」
等々…
こんな気合入れて詩的表現で語る浦島には、初めて会ったよ!
ストーリーは全くお馴染の、浦島太郎物語なんですけど。
こうガッツリ幻想的に語られると、ラストが非情なSF風味に感じられますね。
番外 『思い出の記』 小泉節子
妻である節子氏による、小泉八雲の思い出。
無垢で無邪気で、一途に思いつめ感じやすい…
そんな絵にかいたような芸術家肌の八雲の姿が、愛情込めて語られています。
八雲作品を差し置いて、もっとも泣いた…。
芸術家にはそうあってほしいが、家内にいられたら困るね!って感じの八雲さんですが、
「あの美しいシャボン玉をこわさぬように」と思って優しく見守る節子さん。
紫の薔薇の人のような度量だ。
全体的にまさに、「あの美しいシャボン玉」の結晶、という風情です。
読んだことのある話もない話も、懐かしく寂しい優しい…
と思わせといて、突然のショックシーンも淡々と有るのがまたいいわ~。
合間に挟まれてる挿絵やスケッチも味わい深いです。
あ、あと『最初の音楽家』。
すごい豪華絢爛、うっとり…な作品なんですが。
「老ワイナモイネンの涙は、六枚の毛織りの外套、六本の黄金の帯、七枚の青い衣服、八枚の厚手の下着にもしみ込んでゆきました。」って…
寒がりすぎだろ!





