柳花叢書。東雅夫編。
鏡花の長編幻想小説+その幻想小説のネタ元になったと思われる柳田論考をセットでお届け!
泉鏡花 『山海評判記』
一人旅を楽しんでいた主人公・矢野だが、思いがけない怪異に悩まされる。姪の李枝と同行することになり、その怪異はより鮮明になっていく…
「第一、あの、目の働き、その色気は、雪を使い、花を咲かせ、鳥を鳴かせ、蝶を吸う。」
「ただ苛高の数珠と思うが、― 狼の牙、貂の頤、鷲の爪。悍邪毒悪、百年凝石の封を解いて、今こそ猛威を顕したれ。」
憑依?!っつーほど、幻視を見たままに描いたかのような長編。
そのため話の流れは掴みにくい…
えっ、危ない軍人さんどうなったん?あのいかれた小説家志望青年なんやったん??
など、諸々疑問のまま…
あと、男女の恋愛に厳しい私の中の修道院長が、主演の二人にダメ出しまくり。
下心なしみたいに二人旅してますけど、結構いい歳だからさ~~~。
無理があるだろそのピュアぶりは。
…が、それを上回って人外大活躍。
歌う、祟る、黒魔術も真っ青の大数珠振り回してスケベ親父どもを薙ぎ倒す!!
姫神その人でなく、使者でもこの自由奔放さ。
「人外最高!!!」という熱い思いが、美しくコブシの利いた文章で綴られます。
やっぱいいわ~~~。
特に素晴らしいのが、民話をネタに主人公を揶揄うシーン。
「ほほほほ、と桃色の笑いが、障子を染めたようであった。……」
障子を!桃色に!!笑いで!!!
も~~~すごいセンスだよな~。ひれ伏す。
柳田國男
『山海評判記』の注釈を兼ねるかのような小論がいくつか掲載されており、便利。
特にびっくりしたのが、「そんな黒魔術的な数珠、イカスwww」と思ってた数珠が、
実際にあったってことですね…事実は小説より奇なり。
あとオシラ様を自宅に迎えた喜びなど。
こう…
柳田さんって「ザ・民俗学開祖」であり、まあほら、若干…
「結構キツイ方だったのかな~」と思うようなエピも目にするんですが。
でもやっぱ、その界隈が好きで好きでしょうがないんだよね~~~
という、微笑ましいノリでした。
「うちのオシラ様ってば、進歩的で活発なんですよ~~~」という自慢気さが特に。
柳花叢書『河童のお弟子』後に手に入れたんですが、
この二人組ってことは…
やっぱり…
やっぱりみんな思ってたんじゃないのか?!
「龍之介は若干毛色が違う…」と。





