緑ヶ丘ビーズ荘 -34ページ目

緑ヶ丘ビーズ荘

読書とビーズ。

倉阪鬼一郎。ベスト選出。ネタバレ落ちばれあり。




















★★★

明るくリフォームされた中古物件に引っ越してきた間庭家族。念願の広々とした一戸建てでの暮らしが始まったが、その家には凄惨な過去が隠されていた!第六天神社を中心に、過去から蘇った悪夢が現実を侵食し始める…。











おー!コレは中々当たった!


和製ホラーらしくじっとりと、本格的な心霊現象で怖がらせ…に来るかと思ったら、まさかのサイコホラー?!…と思わせといて、超常能力者が邪悪な存在と戦うヒーローもの?!

と、目まぐるしく二転三転。

心霊現象による恐怖は薄れましたが、とにかく展開速くて目を離せない。

要所要所のショック描写もえぐい!


邪悪を表すのに、画数の多い文字や同じ言葉を氾濫させたシーンは、外出先で開くのが躊躇われる迫力。

半ページにみっしり「死ね死ね死ね」とか書いてあるんですもん。コーヒーを運びに来た店員さんに見られてはいかん!という、緊張感がありました。

画数の多い漢字はほとんど読めなかったんですけど、なんか邪悪そう…って感じ取ればいいのかな~。ね…葱?って漢字が多かったけど、なんて読むんでしょうな…。


しかし細かいことは置いといて、ひたすら先を!と読み進められるホラーでした。


詰め込みすぎてて、えっ、そこはもう通過?!って印象もなくはないんですが。

結局鬼母は魔王に何を望んでたんだ、とか、突然出てきてスプラッタだった宮司は特に意味なかった、とか…

でも面白かったので良し。

オチもイゾルデ方式(大和和紀の)で、もしかして…と不安を煽ってうまかったな~。


大長編ってわけでもないので、色々勿体ないな~この能力者なんてシリーズものクラスだろう~と思ってたら、シリーズものでした!

やった、1作目からちゃんと読もう!









竹河聖。異形選出。オチばれあり。

★☆☆

満月の夜に、海で遭遇した美しい光…夜光虫のように輝く光を都会に持ち帰った優也は、恋人とともにその光を飼育し始める。

美しさに喜び、その光を愛でる二人だが、恋人には異変が…優也は失踪した恋人を追い、光の恐るべき正体に気づいていく!!





竹河さんのホラーは怖くないです。綺麗。

ホラーでは耽美派も一大勢力なんで、それはまあいい。


なんだろう~~~それはまあいいんだけど、もう一声!!って毎回なってるな。

毎回読むので、つまらないとか腹立たしいとかでは全くないです。むしろ好み。

昔々、竹河さんの壮大ファンタジーを読んでいたので、「もっと壮大に!!もっと大仰に!!」と思ってしまうのかもしれません。

現代ホラーだとどうしても、都会派のイメージですからな。


目が光るところはとっても良かったです。光の描写もうっとり。

ホントこの、光描写みたいなうっとり加減が入っているので、結構懲りずに手を出しちゃうんですよね~…


が、恋人が失踪したとたん、次の犠牲者ですよ~~~とばかりに魅力的な若い女性が登場したり、おっさんは憑りつかれず死体放置(顔で選んでんの?)。女性にしか興味ないかと思いきや、主人公は憑りついてもらえそうな雰囲気…

と、「ふーん良かったね」って感じの流れでなんか…なんかこう、もう一声!


謎の光は、勝手に都会に連れてこられて殺された、と被害者意識全開ですが、順調に増えてんじゃねーか。しかも、寄生先を選り好みする余裕まであるし。


無差別パニックホラーでなし、耽美にするには現代日本の都会派だから淡々としているしで、もったいない立ち位置です。


やっぱこう、どーんとド耽美大長編(しかもシリーズ物)の似合うお方だ。






ベスト選出。ディーン・R・クーンツ。オチばれあり。



















★★☆

女性脚本家として成功したヒラリーは、自宅で侵入者に襲われる。

危ういところで難を逃れたヒラリーだが、再び襲撃してきた男を今度はナイフで殺してしまう。

しかし、殺したはずの男がまたしても…





あら、また選んでたんですね~クーンツさん。

前回エンタメぶりに感嘆したので、今回も大変期待しましたが、期待に応える堂々のエンタメぶり。


とにかくグイグイ詰め込んでくる。

成功してて、でもトラウマがあって、襲われて、男前と出会って、えーっと犯人を名指しするんだけど信じてもらえなくてまた襲われて…

という流れを、一気に畳みかけてきますよ。しかも下巻も同様。

作者の体力がすげえな!


今回はミステリだからか、前回(怪物モノ)よりお色気シーンが多いんですが、それもなんか「ささ!お楽しみください!!愛があるのでぜひ女性の皆さんもお楽しみください!!!」ってノリ。

本当~~~にエンタメ気質な方なんですなあ。

若干最初のデートのお誘いシーンが、陸奥A子っぽくて笑いますけど。


上下巻ですがまったく退屈しません。

海外の作品って、『壁に何が貼ってあって~そこに何が描いてあって~引き出しに入ってるのがコレとコレで~』という、皆まで言うな描写が多いイメージなんですが、こういう『飛ばしますんで頑張ってついてきてください』作品は、読みやすくて楽しみやすくてホントいいですな!


でもこれ…(※以下ザ・オチばれ)


死んだはずの男が三度襲ってきた!!なぜ?!










双子だったんですよ。

ってオチはどうなのか。当時許してもらえました?


エンタメのためなら手段を選ばず!という肝の据わった方だな~という印象があって、ジャンル・エンタメとして読んでたので私は許します。

が、ミステリとして読んでたら結構怒られない…?

最初の方で、「狂った男が地元では狂気を完全に隠し通せると思うのか」ってセリフがあるんですが、結局双子ともに狂ってたし。


でもまあ面白かったからいいよ!手に汗握った!


ちなみにこの双子だったネタ、以前鉄板のミステリで女性版を読んだことがあって…

「私は殺していないのに、私の姿が犯行現場で目撃されている!!」

なぜなら邪悪な双子の妹がいたからですよ。

という話は、ミステリとして読んだので許しませんでした。

許さなかったのでタイトルも覚えてないんだけど、高名なミステリ作家だったはず…。ミステリではやめて。