高田衛。
『江戸幻想文学誌』にて、学者の萌えポイントって面白いわ~~と、
突然の評論ブームをもたらしてくれたお方です。
高田衛第2弾!!って感じに読む前から盛り上がりますが、期待以上だった!!
冒頭から、江戸にそんなグロエピソードがあったとは…と度肝を抜かれるようなスプラッタを淡々と披露
…しておいて、「憑りつかれた人が霊の言葉を話すって、興味深いですね」と、
例によって「ソコ?!」と戸惑う萌えポイント。
そこから本題の、累が淵伝承探索へと流れていきます。
江戸三大幽霊にも名前の挙がる累さんですが、私ストーリー全く知らんかったわ。
「悪い男に毒を飲まされる」「家宝の皿を割った」など、
漠然とストーリーの肝を存じ上げている四谷怪談・皿屋敷に比べると、知名度低い気がします。
が、がっつり紹介されて納得したわ。一言で説明しづらい、入り組んだ話になっています。
つーか完成度高いな!
パンチのある霊現象!一難去ったと思わせて実は!また来たと思わせて実は!その真相は!!
と、現代のホラーものでも通用しそうなプロットに、
組織の一員である立場と、優れた霊能者としての立場のはざまで揺れる主人公・祐天上人。
信仰をかけて諸神諸仏に啖呵を切るシーン、めちゃめちゃカッコいい。
映画化狙ってんのかってくらいだ。
庶民への仏教布教が目的らしいですが、目的を超えて練りに練られており、本気度が忍ばれます。
ストーリーを追いつつ、高田氏がその豊富な知識で分かりやすく解説してくれるため、
途中でいったん休憩入れるのも惜しいくらい面白かったですよ~~~。
つーかこんなに面白いのは、やはり愛があってのことだろうなあ…。
高田氏の盛り上がりにひきずられて、読んでるこっちも盛り上がる感じ。
祐天上人の生涯をたどる章では、「…私たちを思いがけぬ、実像透視の楽しみに引き込むかもしれないことを、あらかじめおことわりしておかなくてはならない。」などと仰っており、
紹介するお前がウッキウキじゃねーか、ちょっと落ち着け!と突っ込みたくなるほどの愛情です。
全編に満ち溢れる、江戸文学好きすぎてたまらん風情が、
紹介されてる江戸文学の面白そうさを超えて面白いわ。