澁澤龍彦訳。
すんごいご高名な方だし、いくつかは好みジャンルで巡り会ったと思うんだけど、
意外と印象薄いんですよね澁澤さん。
解説で、信頼の東雅夫さんが絶賛してるんですが、
やっぱりそんなにピンと来なかったかな~~。
おそらく洗練されすぎているためかと思われます。
ただマルキ・ド・サドの『呪縛の塔』は良かった。意外。
サドって「美少女を性的に痛めつけるぞ~」って作品だと思ってたんで、
手に取るまでもなく範囲外って感じだったんですが、全然。
ストレートで力強い勧善懲悪ものじゃん!
聖☆おにいさんで計画されてた地獄観光旅行みたいでした。
しかも古めかしい美文。ザ・好み。
えぐい描写が全くないのは、澁澤さんが気を利かしたのか元々短編だからか?
悪の主人公が、反省せずふてぶてしく、スジの通った悪ぶりでかっこいい。
財宝を守る巨人たちと対峙した時のセリフが「好敵手ござんなれ」ですよ。イカスわ~。
途中で出てくる鷲のセリフもいい。
「舌先三寸で渡世している山師ども」とか、使う機会はないが使ってみたいよな~。
この鷲との対話シーンは、派手なSF風味。
見どころの多い豪華な短編でした。
他はわりとすっきり訳されており、そんなに好みのものは…
『共同墓地』の中の『幽霊の死』はちょっと可愛くて良かったですが。
今度エッセイに挑戦してみようかなー。