新井素子。
遠い未来、惑星ナインに移住した人類は、原因不明の人口減を迎える。
打つ手もないまま、ついに<最後の子供>ルナの誕生を迎えてしまう…。
「生の意味を問い直し、絶望の向こうに確かな希望を見出す」
と裏表紙に力強く煽っているのですが…
これ、希望見出されてます?
読んでる間は確かに、希望を見出してる気がするんですよね。
ものすごく力強く前向きに、すべてを受け入れていくので。
読んでるこちらも力強く前向きに、希望に触れたような気がする…
…んですが、前向きに受け入れているのが『絶望』なので、
結局『前向きな絶望』であって、希望ではないのでは…
と、しばらくたってからじわじわくる。
新井素子さんらしいな~~~!!
この、見た目マカロンだが味は白子ポン酢、みたいな珍味ぶり。
ときどき無性に読みたくなる。
何といっても文体が独特なので、手を出すまでに相当躊躇していたのですが、
手を出したら止まらん感じなので、なんだかんだ長い間読んでるな~。
私コバルトのシリーズとか全部読んでたもんな。
ちなみにとっつきにくいのは文体だけではなく、
「カリスマ性があるらしいがその描写がないので、ちょっとアレな人にしか見えないキャプテン・リュウイチ」とか、
「悪い意味での鳥肌が止まらない、アカリが啖呵を切るシーン」とか、
相変わらず、結構な難所がしばしば設けられています。
ついてこれない者は去れ、という厳しさが感じられる…
乗り越えると「そうそう、この味。たまに食べたくなるよね~」って気分になれます。
もうとにかく、『この味』が特徴的すぎて、大きく外れることがない。
「新井素子読んだな~!」って感想が第一に来るので。
でもやっぱ上下巻は長かったかな…