柳花叢書。東雅夫編。
文豪妖怪のあとがきで心魅かれて、まんまと手に入れました。
宣伝上手め…。
文豪妖怪で、ちょっと芥川龍之介も良かったんですよね。
可愛い小話感が意外で。
私、教科書に載ってた芥川作品が全然だめだったので…
濡れた段ボールを咀嚼するような、味わいのない作品だね!
ってイメージ。(すいません、個人的な感想です…)
鏡花と袖振り合うイメージもないんだけどな~、
けどそういえば、鏡花→芥川の弔辞すごかったもんな。
どこの楊貴妃がお亡くなりに…って麗々しさで。
まあまあ、鏡花+柳田國男で元は採れるだろ。
と、芥川さんに失礼にもほどがある気分だったのですが…
予想をはるかに上回って鏡花は大ヒット。
予想をはるかに下回って芥川がアウト。
國男さんはまあ、論文なんでソコソコって感じで。
期待してなかった座談が面白かったんで、全体としてはプラス。
だが鏡花のプラスぶりがすさまじいので、大満足ではある。
なるほど、やはり私の好みでは芥川は無理だな~~~!
と再認識する結果となりました。
短いのは、まあいいよ。
特にひどかったのが、「kappaと発音してね」と注釈のある方の『河童』。
河童を通して人間社会を風刺しているんだろうと思うんですが、
ごめん、まず河童を通す意味が分からん。
あと別に河童を通すことによって、
「上手いこと言ったな!」みたいな効果の出てるシーンもないし…。
おお~~~やっぱ濡れた段ボールの味わい…
こーまで好み外の意味で印象に残ると、逆に感心するわい。
でも座談会では、やっぱなんかちょっと可愛いんですよね…
お前、漠然と死ぬなよ~~~。
で、すっごいヒットだったのが鏡花の『河伯令嬢』!!!
初めて読みました。
『貝の穴に~』『瓜の涙』と、それぞれ良くて、
ああ~やっぱ好みだわ~とホクホクしてたんですが、
ぶっちぎりで良かった!!!
冒頭の「心中見た見た、並木の下で しかも皓歯と前髪で」ってのは一体何の一節なの?
掴みからすごすぎ…!
語り手の彫金師がしっとり語る昔話、そして彫金師自身の激烈な過去、ラストの一文…
このテンションで美意識保ったまま、一作描くか~~~!
…薬やってたとか聞いたことないよね…?と改めて泉鏡花をググるほどでした。
前世ナメクジだったのかな~、
という疑いが消えないほどカエルが苦手な身としては、
長い髪を引いて泳ぐカエル…というイメージだけでも、
強烈すぎるほど強烈。よくそんなこと考えつくね?!
口の中に酸っぱい唾がわくほど怖い!!!
しかも美しい!!!
あまりの美しさにうっかり見過ごしそうですが、
後半は輪姦→発狂→焼身自殺と、
戦前の作品とは思えないほど、展開もぶっ飛んでバイオレンス。
(性犯罪者皆殺しの祟りもある…
が、ここはバイオレンスっつーか、女神を褒めたたえるトコだよね?)
そしてラストの美しさも美しさ。
鏡花のドヤ顔が見える…が、もうそのドヤ顔にすら惚れる。
コレは手元にないと困る(何が?)レベルでしたよ!
あと、座談会でも鏡花の喋りが異常に洒落てるんですよね~。
「ここで喋っちゃ恐縮だが、湯どので、男女が裸体なら、ほぼ話し合いは尽きましょうさ。」
とかって口調なんですが、あんた別に江戸っ子じゃ無かったよね?
洒落た言葉しか口にしたくない!
という意志によって江戸っ子を憑依させてたのか…?
もうともかく鏡花がイカス!!!って一冊でした。
解説で、芥川さんがお亡くなりになった時の鏡花の取り乱し振り(新聞の見出しになるほどかよ…)を読むにつけ、
全然好みじゃないけど、芥川さん漠然と死ぬなよ感を強くしました…。
鏡花…洒落てる上にいい奴…!