緑ヶ丘ビーズ荘 -10ページ目

緑ヶ丘ビーズ荘

読書とビーズ。

ジェイムズ・エルロイ。田村義進訳。



アメリカ文学界の河惣益巳…もとい狂犬エルロイ短編集。


実在人物をちりばめながら、古き悪しきアメリカの影と光を、暴力で描き出す―

という基本姿勢はロス4部作と変わらず。

4部作最中に書かれているので、ブランチャードの日常(狙われたり殺したりですが)もあったりで

お得な気分です。

悪は死なない、滅びないということをひしひしと感じながら読む長編と異なり、

結構陽気な雰囲気が漂っています。

やっぱエルロイかなり好きなんだよね~…USAに手を出すべきか…。



7作だったんで特に好きな2編を。



『ディック・コンティーノ・ブルース』


実在のアコーディオン奏者を主役に据え、50年代のアメリカ芸能史の裏側を描く―

もちろんフィクションです。


これ本人からOKもらってると、前書き風のエッセイ『過去から』で触れられてるんですが、

良くOKしたな~~~ディックさん…

犯罪に手を染めてるとかはまあ、フィクションだしいいよねって思うんですが、

すっげー「ワルでタフでモテモテかつニヒル」に描かれてるじゃん。

布団にもぐってジタバタしたくなりませんか…

いやイタリア人だから「まだまだこんなもんじゃなかったよ~」くらいに思ってたのかも。


前書きでエルロイが言っているように、テーマは「恐怖、勇気、そして大幅に妥協した贖い」。

どこか軽薄で明るく、みるみる回転していくストーリーで引っ張り切ります。

ラストのセンチメンタルな感慨が真骨頂。


過酷というにも酷すぎる幼少期のトラウマ、若き日の荒んだ生活、アメリカ白人男性―

この要素のどこで少女漫画成分(褒め言葉として)が育まれたのか、ホント気になるわ…





『甘い汁』


巨万の富を相続した犬のお守りに雇われたクライン。

犬のセレブぶりに驚愕しつつも、心を通わせていく―

だがその裏では卑劣な陰謀が進行していた…。


そもそも人のこと卑劣とか卑怯とか言えない(言わない)前科者が主人公。

セレブ暮らしの犬という、設定からして呑気さ漂ってます。

話は呑気どころか急展開なんだけどね。

犬好きで憎めない主人公なんで、ハッピーエンドで良かった~~~。






他の作品も基本的に、「下衆だが憎めない」登場人物ばかりでした。

短編いいな!









投稿写真

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大濠公園 日本庭園。
第3火曜日は茶室解放・抹茶あり。
サザンカが綺麗でした。
サザンカって満開に開くと同時に朽ち始めるのか、
八分咲きくらいの花がいちばん綺麗ですね。

#サザンカ #大濠公園