「家は人が住むもので、企業のものではない」
アメリカのドナルド・トランプ大統領は、大手の機関投資家が戸建て住宅(シングルファミリー住宅)を購入することを制限・禁止する方針を検討していると明らかにしました。
トランプ大統領はSNS上で、「アメリカンドリームである“家を買って所有すること”が、若者を含む多くの国民にとって手の届かないものになっている」と述べ、「人は家に住むのであって、企業が住むわけではない」と強い表現で問題提起しました。
このテーマについては、今月スイス・ダボスで開催される**世界経済フォーラム(WEF)**でも議論する予定だとしています。
📉市場は即座に反応、大手SFR企業の株価が下落
この発言を受けて、戸建て賃貸(SFR:Single Family Rental)を手がける大手企業の株価は下落しました。
-
Invitation Homes:▲約5%
-
American Homes 4 Rent:▲約3%
-
Blackstone:▲約5%
ただし、具体的にどの企業が対象になるのか どのような法的手段で実施するのか
については、現時点では一切明らかにされていません。
実際には、トランプ大統領自身も「議会に法制化を求める」と述べており、すぐに実現するかは不透明です。
🏡背景:住宅は「買えない時代」に
現在のアメリカ住宅市場では、
-
30年固定住宅ローン金利:約6.0%
(2021年初頭の約2.65%から大幅上昇) -
初めて住宅を購入する人の割合:21%(過去最低)
-
初回購入者の中央値年齢:40歳(過去最高)
という状況が続いています。
その結果、全米主要50都市すべてで「購入より賃貸の方が安い」という逆転現象が起きています。
💬専門家の見方:「問題の本質は供給不足」
一方で、住宅経済学者のジェイ・パーソンズ氏は、この政策案に対して懐疑的です。「住宅価格が高い本当の理由は“供給不足”であり、投資家を禁止しても、根本的な解決にはならない」と指摘しています。
また、テキサス州の不動産投資会社RREAF HoldingsのCOOも、「大量の住宅が一社に買われると、住宅が“商品化”され、一般家庭と価格競争が起きてしまう」としつつも、市場全体の構造問題であるとの見方を示しています。
🧭まとめ
✔ 戸建て賃貸(SFR)規制の議論は今後も続く可能性
✔ 米国では「投資 vs 住宅の公共性」が政治テーマ化
✔ 法制化されるとしても、実現までには高いハードル
✔ マルチファミリーや商業不動産との対比がより重要に
アメリカ不動産は今、「投資対象としての住宅」と「生活インフラとしての住宅」の間で、大きな転換点を迎えつつあります。
今後の政策動向は、米国戸建て投資・SFR戦略に直接影響するため、引き続き注視が必要です。
