今回は、ロサンゼルスのオフィス市場で進んでいる「都心部と郊外の二極化」についてご紹介します。
不動産金融情報会社Treppが2026年8月21日に公表した分析によると、同社が追跡するロサンゼルス都市圏のCMBSローン対象オフィスは、都心型が73件・残高合計78億ドル、郊外型が111件・35億ドルとなっています。
📊 稼働率には大きな差
稼働率の中央値は、都心型が83%、郊外型が93%です。
また、延滞や満期時の返済困難などにより、特別サービサーへ移管されたローンの割合を示す「スペシャル・サービシング率」は、都心型が19.7%、郊外型が6.2%でした。
延滞率も、都心型の6.6%に対して郊外型は5.9%となっています。
🏙️ 都心部では大型ビルに問題が集中
都心部では、一部の大型オフィスタワーの稼働率低下が目立っています。
・Wilshire Courtyard:52%
・One California Plaza:55%
・EY Plaza:64%
大手テナントによる退去、オフィス面積の縮小、別拠点への集約が、収益や不動産価値へ影響を及ぼす要因になっています。
🌴 郊外オフィスにも将来のリスク
郊外型オフィスは現在の稼働率こそ高いものの、安心とは限りません。
郊外型ローン35億ドルのうち16億ドル、約46%は、最大テナントの賃貸借契約がローン満期より前に終了する予定です。
特に2億3,600万ドル分では、契約期限を迎える最大テナントが建物の過半を使用しており、その平均占有率は89%です。
契約が更新されなければ、現在は満室に近い物件でも、短期間で収益性が大きく変化する可能性があります⚠️
🔍 重要なのは「契約期限」と「ローン満期」
例えば、Warner Bros.が建物の56%を使用するSecond Centuryは、ローン満期が2028年である一方、テナント契約は2039年まで続きます。
これに対して、Activisionが建物全体を使用する5454 Beethoven Streetは、テナント契約が2029年3月に終了し、ローン満期はその翌月です。
更新できれば収益を維持できますが、退去や縮小となれば、借り換え直前に大きな空室を抱える可能性があります。
💡 日本の投資家が確認すべきこと
ロサンゼルスのオフィスへ投資する際は、現在の稼働率やCap Rateだけでなく、次の点を確認することが大切です。
✅ 最大テナントの占有率
✅ 賃貸借契約の終了時期
✅ ローンの満期
✅ テナントの信用力
✅ 更新、移転、縮小の可能性
ロサンゼルスのオフィス市場は、「都心だから危険」「郊外だから安全」と単純には判断できません。
現在の数字だけでなく、数年後にテナント契約とローン満期がどう重なるのかを見ることが、投資判断の重要なポイントになっています📈
#LSMRealty
