米国の不動産投資市場で、安定した賃料収入を期待できる「ネットリース物件」への投資が回復しています。ただし、用途別に見ると物流施設が好調な一方、オフィスは減少しており、投資家の選別姿勢が鮮明です。
CBREが2026年8月3日に公表した調査によると、2026年第2四半期の米国ネットリース不動産の投資額は128億ドル(1ドル158円換算で約2兆224億円)となり、前年同期比13%増加しました。
用途別の投資額は次の通りです。
- 物流・産業施設:81億ドル(約1兆2,798億円)、前年同期比28%増
- 商業施設:29億ドル(約4,582億円)、同6%増
- オフィス:18億ドル(約2,844億円)、同21%減
2026年第2四半期までの1年間では、ネットリース投資額は570億ドル(約9兆60億円)に達し、前年同期比14%増加しています。
ネットリースとは、テナントが賃料に加えて固定資産税、保険料、建物維持費などの一部または全部を負担する契約です。特に「トリプルネットリース(NNN)」は、オーナー側の費用負担が比較的小さく、長期的な収入を得やすいことから、投資家にも人気があります。
今回の数字から分かるのは、ネットリース市場全体が回復しているというより、投資資金が物流・産業施設や信用力の高いテナントへ集中していることです。オフィスについては、在宅勤務の定着、空室率、将来の再賃貸リスクに対する警戒が続いています。
投資家が米国のマクドナルド、スターバックス、スーパー、銀行店舗などのネットリース物件を検討する際は、表面利回りだけでなく、テナントの信用力や契約内容を慎重に確認する必要があります。
確認すべきポイントは、テナントの信用力、保証主体、残存契約期間、賃料増額条件、更新オプション、契約終了後の再利用可能性です。特に「有名企業の看板があるから安全」とは限らず、フランチャイズ会社による保証なのか、本社保証なのかを必ず確認する必要があります。
金利が高止まりする局面では、長期固定賃料と確実なテナント保証を持つネットリース物件が、再び有力な選択肢になりそうです。ただし、物件の立地と出口戦略まで含めた選別がますます重要になっています。
