アメリカの住宅市場で、購入価格帯による大きな差が生まれています。
Zillowの最新調査によると、初めて住宅を購入する人が主に検討する「スターターホーム」と呼ばれる低価格帯住宅では、6月の売り出し在庫が前年同月比4.5%増加しました。一方、5月の販売件数は前年同月比5.4%減少しています。
さらに、低価格帯住宅の25%が値下げされており、売主が希望価格を下げなければ売れにくい状況になっています。
これに対して、高級住宅市場は好調です。
高級住宅の在庫は前年同月比5.2%減少し、販売件数は6.2%増加しました。つまり、低価格帯では住宅が売れ残り、高級住宅は供給不足になるという「二極化」が進んでいるのです。
Zillowによる全米の代表的な住宅価格は、次のとおりです。
・スターターホーム:約20万2,000ドル(約3,313万円)
・高級住宅:約190万ドル(約3億1,160万円)
※1ドル=164円で計算
西海岸でも同じ傾向が見られます。
ロサンゼルスでは、低価格帯住宅の在庫が5.0%増加した一方、高級住宅の在庫は16.4%減少。販売件数も低価格帯が5.3%減少したのに対し、高級住宅は10.6%増加しました。
サンフランシスコでは、高級住宅の販売が21.6%も増加しています。
一方、ラスベガスでは低価格帯住宅の販売が13.1%減少しており、一般の購入者にとって住宅ローン金利や生活費の上昇が大きな負担になっていることがうかがえます。
現在のアメリカ住宅市場は、「全体が好調」「全体が不調」と単純には判断できません。
住宅ローンを利用する一般の購入者は金利の影響を強く受けていますが、現金購入や多額の頭金を用意できる富裕層は、比較的金利の影響を受けにくいと考えられます。
今後のアメリカ不動産投資では、都市ごとの市場だけでなく、「どの価格帯の住宅を、どのような購入者が買っているのか」を見極めることが、これまで以上に重要になりそうです。
