アメリカ有数の不動産投資都市であるボストンが、大きな転換点を迎えています。

2026年11月、マサチューセッツ州では「家賃規制(Rent Control)」導入の是非を問う住民投票が予定されています。

まだ法案は成立していませんが、不動産投資家の間ではすでに警戒感が広がっており、一部では投資資金を他州へ振り向ける動きも出始めています。

🔍家賃規制法案の内容とは?

今回提案されている制度では、

👉 家賃上昇率を

「5%または消費者物価指数(CPI)のいずれか低い方」

に制限する内容となっています。

ただし、

✔ オーナー居住物件
✔ 4戸以下の小規模物件
✔ 築10年未満の建物

については対象外です。

住宅費高騰に苦しむ入居者を守ることが目的で、ボストン市の Michelle Wu 市長や複数の住宅支援団体が支持しています。

💰不動産価値45兆円消失の試算

今回の議論で最も衝撃的なのは、この数字です。

Tufts University Center for State Policy Analysis が2026年3月に公表したレポートによると、

👉 家賃規制法案が成立した場合、マサチューセッツ州全体の不動産価値が約3,000億ドル(約45兆円)減少する可能性がある

と試算されています。

不動産価値が下落すると、

✔ オーナーの資産価値減少
✔ 地方自治体の固定資産税収減少
✔ 開発投資の縮小

など、経済全体への影響も懸念されています。

📉投資家はすでにボストン離れ?

ボストンで開催された不動産投資カンファレンスでは、多くの機関投資家が家賃規制への懸念を表明しました。

Marcus Partnersの投資責任者Ryan McDonough氏は、「私は投資委員会の中でも最も楽観的な人間だが、それでもボストンへの投資を正当化するのが難しくなっている」

と発言。

またPGIM Real Estateの幹部も、「家賃規制の話が出ているだけで、多くの機関投資家が『ボストンは見送ろう』と言っている」

とコメントしています。

つまり、

👉 法律が成立していなくても

👉 不確実性そのものが投資判断に影響している

という状況です。

🏗️住宅供給はさらに減るのか?

反対派が最も懸念しているのは、

👉 新規住宅供給の減少

です。

現在でも、

✔ 高金利
✔ 建築費高騰
✔ 人件費上昇

によって住宅開発は苦戦しています。

実際、ボストンの新築マルチファミリー供給は、

2025年第1四半期の2,765戸から、直近では1,736戸へ減少

しています。

不動産業界は、「家賃規制によって収益性が低下すれば、新しい住宅を建設するインセンティブがさらに失われる」

と主張しています。

🤔本当に大きな影響が出るのか?

一方で、

「影響は限定的ではないか」

という意見もあります。

ニューヨークの投資会社Dansker Capital GroupのCEOは、「現在のボストンの家賃上昇率は前年比0.3%程度であり、実際に規制の影響を強く受ける物件はそれほど多くない」

と指摘しています。

つまり、

👉 家賃が急騰している市場なら影響は大きい

しかし、

👉 現在のボストン市場では限定的かもしれない

という見方です。

📝まとめ

今回のニュースを一言でいうと、

👉 家賃規制法案そのものより、“家賃規制が導入されるかもしれない”という不確実性が投資マネーを遠ざけている

ということです。

ボストンは、

✔ Harvard University
✔ Massachusetts Institute of Technology
✔ 世界有数のバイオテクノロジー産業
✔ 高所得者層の集積

という強力な経済基盤を持つ都市です。

しかし今、

👉 家賃規制リスク
👉 高金利
👉 建築費高騰
👉 人口成長の鈍化

という新たな課題に直面しています。

11月の住民投票の結果は、ボストンだけでなく、全米のマルチファミリー投資市場にも影響を与える可能性がありそうです。