ロサンゼルスのオフィスビルは、新型コロナウイルス感染症のパンデミックの影響で空室が進み、JLLの2022年第1四半期のレポートではオフィスの空室率は20.8%と報告されています。

そのオフィスの空室を埋めるために、オフィスからライフサイエンスへのコンバージョンが積極的に行われています。

 アメリカ国内では、ライフサイエンス業界を積極的に取り入れている地域の順位は、ボストン、サンディエゴ、ローリー-ダーラム(ノースカロライナ州で空港がある地域)、4番目がロサンゼルスです。ちなみにボストンではコンバージョン工事中の面積が約330万sqft(約31万㎡)になり、ロサンゼルスでは2022年第1四半期に667,000sqft(約62,000㎡)コンバージョンされ、前年比で339%増加しています。

 しかし、ライフサイエンス業界を取り組む為のコンバージョンは簡単ではなく、コストが大きくかかります。医薬品開発、生物医学技術開発、バイオテクノロジーなどはクリーンルーム、空気の気圧を下げる陰圧室、実験用動物施設などが必要になり、設置に高額な工事費用が生じます。

 日本とアメリカのライフサイエンス分野の市場規模を調べたところ、JETROでライフサイエンスのレポートがあり、その中で医療用医薬品市場と予測(2019年)がありました。2019年では、アメリカが5100億ドル、日本が870億ドル。アメリカは日本の5.8倍でした。2024年では、アメリカが6200億ドル, 日本は930億ドルの予想です。2024年ではアメリカは日本の6.7倍です。日本のライフサイエンス産業の成長が遅いことが分かります。