カリフォルニア州で、意外とも言える住宅関連の新法が成立しました。
2026年1月1日から、すべての賃貸アパートに「使用可能な冷蔵庫と調理用コンロ」を設置することが義務化されました。

この法律により、特にロサンゼルス周辺で長年続いてきた「冷蔵庫なし・コンロなし賃貸」という独特な慣行は、原則として違法となります。

■「冷蔵庫と調理用コンロは贅沢品ではない」

この法律(Assembly Bill 628)を提出したのは、イングルウッド選出の民主党議員 ティナ・マキナー下院議員。「使用できるコンロと冷蔵庫は、贅沢品ではありません。
現代生活に不可欠なものです」と、法案提出時に明確に述べています。

■ なぜロサンゼルスだけ“冷蔵庫なし”が多かったのか?

実はカリフォルニア州は、全米で最も「冷蔵庫が備え付けられていない賃貸住宅が多い州」というデータが、2022年の Los Angeles Times の調査で示されています。

特に
・ロサンゼルス郡
・オレンジ郡

に集中しており、理由は明確ではないものの、「入居者が自分で家電を買う」という慣行が数十年続いてきました。

これまでの州法では、
✔ 給排水
✔ 暖房
✔ 電気などの基本設備

は義務でしたが、冷蔵庫・調理用コンロは対象外だったのです。

■ 低所得者層の負担軽減が目的

入居時には
・最初の家賃
・デポジット
・引っ越し費用

に加えて、数百ドルする冷蔵庫や調理用コンロを自腹で購入する必要があり、これが特に低所得者層の大きな負担になっていました。

ロサンゼルスの住宅支援団体 Coalition for Economic Survival の代表、ラリー・グロス氏は、「冷蔵庫と調理用コンロを新たに購入する追加コストは、多くの入居者にとって現実的ではありません」とコメントしています。

■ 例外もあり

以下の住宅は対象外となります。

・共用キッチン付き住宅
・SRO(単身用簡易住宅)
・ホテル・短期滞在施設

また、入居者が自分の家電を持ち込むこと自体は禁止されていませんが、その場合は修理・メンテナンスは入居者負担となります。

■ 家主・不動産業界は反発

一方で、不動産業界からは懸念の声も。カリフォルニア不動産協会(CAR)のロビイストは、「訴訟リスクが増え、小規模オーナーにとって大きな負担になる。結果として賃貸供給が減少する可能性がある」と議会で反対意見を述べています。

■ ロサンゼルスでは通報制度も

ロサンゼルス市では、家主が冷蔵庫・コンロの設置を拒否した場合、市の住宅局へ正式に苦情申立てが可能になります。

■ まとめ(不動産投資・賃貸オーナー視点)

✅ 2026年1月1日から全州で適用
✅ 冷蔵庫・調理用コンロは「必須設備」へ
✅ 特にロサンゼルスの古い賃貸慣行が大きく転換
✅ 小規模オーナーは設備投資コストを要確認

カリフォルニアの賃貸住宅は、「より入居者保護型」へ一段進んだと言えそうです。