試験終了♪ | てざわりの記憶

てざわりの記憶

目で、手で、耳で、時には舌で触れる日々の手触り。

その記憶。

なんだかんだで、試験は終了。

自信があるものあり、運を天にまかせたものありだけれど、ともかく終わったのだ。

試験というモノの持つ独特の緊張感を久しぶりに味わった。

勉強は出来るほうではなかったけれど、むかしから試験は嫌いではなかった。

はじまる瞬間の、もう戻れないかんじ。

沢山の人がいるのに、一人一人が目の前の紙切れと自分自身に向き合う孤独感。

終わった瞬間は、着陸を果たした飛行機の安堵感に似ている。

どこに着いてしまったにしろ、もう着いてしまったのだ。


思いで深い試験はいくつかあるけれど、中でも特別だったのは高校時代に受けたデザイン系の資格試験だ。

他の科に在籍していた私は、一つしたの学年の子たちと一緒に補修を受けた。

すごく目立っていたし、恥ずかしい気持ちもあった。

何度か基本的な講習を受け、実際に課題を提出する段になって、デザイン科の先生は私にキッパリと言った。

「君は下手くそだ。だが、なんとかなる」

この一言は今でも、何かに挑戦する時の私の座右の銘になっている。


実際試験の時は大変で、かき込むマスを一つずらして埋めてしまって頭が真っ白になり、その後30分ほど窓の外を眺めてみたり(笑

やがて我に返り、あわてて全てをホワイトで消し、上から書き直した。

結果なんとかなってくれたその資格は、一枚の証明書以上のものを私の中に残してくれた。


そして今やまた、新たな挑戦の季節がやってきたのだ。

大変だ、なんて口にしながら、少しだけワクワクしている自分が居る。