インドのタミル映画「ツーリストファミリー」は、経済危機のスリランカから、家族がボートで南インドにわたるという話でしたが、映画の中には「恋人がロンドンに行ったら自分は海をわたる」というような台詞も出て来ました。それで昔観たフランス映画「君を想って海をゆく(Welcome)」という佳作を思い出しました。
そのフランス映画には海を泳いでわたるというイメージがありましたが、このタミル語映画は、家族が浜で待っているところに、正面からボートが近づいて来るシーンから始まります。ボートと書きましたが、手漕ぎのボートなら波に合わせて斜めに浜に付けますから、恐らくはエンジン付きのボート、あるいは小型漁船でしょう。
実は2026年2月16日にも「映画俳優ヴィジェイ(タミル映画のスーパースターです。いまは政治家を目指しています)、スリランカ海軍に拿捕された25人のタミル・ナードゥ漁民の即時釈放を求める」という記事が出ていたのですが、タミル・ナードゥからスリランカの領海に漁に出ている漁民は多いようで、いま現在254隻の漁船がスリランカに押収されたまま、90人の漁民が勾留されたままだそうです。
Actor Vijay seeks immediate release of 25 Tamil Nadu fishermen arrested by Sri Lankan Navy (Moneycontrol News)
https://www.moneycontrol.com/news/india/actor-vijay-seeks-immediate-release-of-25-tamil-nadu-fishermen-arrested-by-sri-lankan-navy-13830004.html
ヴィジェイの映画はYouTubeにもあって、例えば2021年のタミル映画「マスター 先生が来る!」は日本語字幕で観られます。
で、スリランカの漁船ですが、スリランカの東海岸のカルクダの定宿の周辺には、いくつかの浜と漁港があります。
カルクダという町はスリランカの東海岸の真ん中辺り、バティカロア県にあります。2012年のバティカロア県の人口は525,142人、うちスリランカ・タミルが72.6%、スリランカ・ムーア(ムスリム)が25.5%で、シンハラは1.2%程度です。スリランカ全体ではシンハラが74.9%、スリランカ・タミルが15.3%、スリランカ・ムーアが9.3%ですから、スリランカの西海岸と東海岸では民族構成・宗教構成がまったく違うことがわかります。スリランカ・ムーア(ムスリム)もタミル語を話しますから、スリランカ東海岸はタミル語の世界なのです。

カルクダの定宿(Aki Villa,2022年から5回行っています)の周りには、漁民の集まる場所が主に3つあります。
1つ目はAki Villaの前のカルクダ・ビーチです。眼の前には大きな地引き網用の船(手漕ぎ)だけが置かれていて、大きな船溜まりは1kmくらい南に、そして小さな船溜まりが500mくらい北にあります。ほとんどが手漕ぎのカタマランで、船外機付きのボートは数えるほどしかありません。
地引き網を張るためのボート(カルクダ・ビーチ)

海岸にあるゲストハウス・オーナー/漁師(シンハラの人)のカタマランで、盟友のお骨の散骨に向かうところ。海岸沿いに30軒ほどシンハラのコミュニティがあります。その回りにはタミルの集落が並んでいます。

2つ目は高級リゾートホテル街を超えて2kmくらい行ったところにあるパシクダ・ビーチです。こちらはほとんどが船外機付きのボートで、手漕ぎのカタマランはあまりありません。
この辺りはスマトラ島沖地震 (2004年)によるツナミで500人を超える犠牲者を出しており、復興プロジェクトとして国際機関・国際NPOなどから、たくさんの船外機付きのボートが供給されたのですが、船外機が故障した時に修理するお金がなかったり、燃料代が払えなかったりで、手放すことになってしまい、それを船主たちは買い取ったようです。
船外機付きのボート(パシクダ・ビーチ)
船主の1人が競りをしているところ。
3つ目は、定宿から4kmくらい行ったラグーンの入口にある、バライチェナイの漁港です。ここにはエンジン付きのいわゆる小型漁船が集結しています。

その奥にはラグーンの岸に沿って、小型漁船がギッシリ停泊しています。

カルクダの地図を観て頂くと、漁港(Valaichenai Fishing Hobour)から真下にメインストリート(AB38)が走っているのをご覧頂けると思いますが、そのメインストリートの東側(浜側)はほとんどがタミル(7割くらいがヒンズー、3割くらいがクリスチャン)、西側(ラグーン側)はほとんどがスリランカ・ムーア(モスリム)の居住する地区ということになります。
1つ目のカルクダ・ビーチと2つ目のパシクダ・ビーチの漁民はほとんどがタミル(カルクダ・ビーチにはシンハラの漁民が数人、パシクダ・ビーチにはシンハラの漁民が数人、スリランカ・ムーアの漁民が1人?)なのに対して、3つめの漁港とその後ろの川沿いの漁民たちはほとんどがモスリム(スリランカ・ムーア)という構成です。
タミルの人たちが船外機付きボート(夕方5時頃に漁に出て朝7時頃に帰って来る)と手漕ぎのカタマラン(朝3時頃に出て7時頃に帰って来る)で漁に出て、浜で競りに掛け、地元の魚屋や行商人に売っているのに対して、スリランカ・ムーアの人たちは長く漁に出て、冷凍した魚を主にコロンボに出しています。
さて今日の一曲は、八王子学園八王子高校吹奏楽部の演奏から。実は今日(2026年2月22日)なかのZERO大ホールであった東京都小学校管楽器演奏会を聴きに行って来たのですが、演奏会50周年の記念演奏が、八王子学園八王子高校吹奏楽部だったのです。2025年は吹奏楽コンクール、マーチングコンテスト、アンサンブルコンテストの全国大会ですべて金賞ということで楽しみにしていたのですが、本当に素晴らしい演奏でした。























