夕食前に気付いた。
今日は事務所設立19周年の日だ。
会社を辞めた時、19年後の自分は今とはかなり違うものを想像していた。
だが、ここまで続けられたことに対する沢山の感謝は、これもまた想像していなかったことだ。

あの日、朝起きて「もう、今日から会社行かなくていいんだ」ってホッとしながらシャワー浴びて、広告代理店へ営業の電話したっけ。
退職金で買ったゼンザブロニカやEOSのレンズ。それももう売っちゃったな。
FAXもパソコンもなく、携帯とパジェロとフィルムの頃。
懐かしいっていうより、一日一日の重なりが重くて思い出せないことが多い。
写真の勉強がしたくて芸大へ行き、写真の仕事がしたくて地元の印刷会社に就職して、
そして写真一本の自分を信じて作った事務所とフリーランスの立場。
明日も変わらないいつもの生活。
泥の海の中でも清々しい空の下でも、ただシャッターを切りワンカットごとに信頼を得続けていくのだ。
たまに作るポスターっぽいカレンダー
半年前に作ってたんだっけ・・・忘れてた。スタジオに貼っておこう。

タイトルは
「 brilliant wings 」
長い英文の和訳は
「 昨日を越えて、明日へと飛び立つ。それは輝かしい翼の力。 」
です。
写真をモノクロ化しながら頭の中に浮かんだ「brilliant」
僕の知っている僕を知っている人に無料配布。
お気に入りの道具。
カメラやレンズではなく、フラッシュの事。

設置場所を限定されず自由にセッティングできチャージも早い。パナソニックの何とかっていうものを、2個駆使して雑誌のロケ撮をこなす。
私は似たスペックの道具を持つことにしている。
EOS6Dと70D
24-70の2.8と4
70-200も2本あったか。
でもこのフラッシュは同じ物。
同じ得物で同じ撮り方をしている仲間はいるのか?
似た人が旭川にいたので、世界中には何人もいると思いたい。
パナついでにナショナルのストロボットは3つとも現役です。
過去に写真展「Beautiful Days」を作品を更新させながら3度開いたことがありました。
今回、それをベースにして新たにタイトルとは別に「メッセージ」を書き加えた新作をデジタルブックで発表しました。
hokkaido ebooksという電子書籍サイトで公開しています。
自分の中で何度か変化させながら続いていく作品だと思い02・03と回を重ねていったのですが、既に完成した作品に新たなメッセージを吹き込むのはとても難しい事でした。
何度も撮影した時の記憶を辿り、何度も作品を見つめ直し、32個の気持ちをまとめ上げました。
サンプルを2点ほど。

line 果てしない気持ちとその理解を求めて
32作品の中で一番難解だと思う写真。人と人との分かり合えない境界線で模索する心理。

father 僕が見ていたいつもの姿
割とわかりやすい写真かなと。お父さんの後ろを付いて回りその仕草を真似をしていた頃、その二人。
電子書籍なのでアクセスして頂けたらすぐ見れます。
最近の中学校の美術では写真の授業があるらしい。
露出の仕組みとか、結構真面目に教えてあげないとわからないだろうと個人授業。

シャッタースピード 1/2秒

こっちは1/1000秒
最初は押せば写るコンパクトカメラで良かったが、人はこうやってフォーカスや露出をマニュアルで操作しやすい「一眼レフ」が欲しくなります。
でも、あげません。余ってるカメラあるけど、あげません。
5歳の時、息子撮影の哲学の木。

確かに立入禁止のその木の下には誰かが写っている。その「誰か」を写そうとしたらしい。悪い奴をね。
僕が写真学科生の頃、長野で。
「先生、立入禁止のロープ越えていますよ!」って言ったら、「このぐらいえぇ」って返ってきた。「そんなん言うとったらえぇ写真撮られへんわ」とも。
当時、プロのカメラマンはメーカーで常にメンテナンスされたアマチュアとは違う機材で、アマチュアとは違うエマルジョンの管理されたフィルムを駆使し、アマチュアとは違う「エリア」で撮影していた。もちろん技術もセンスも全く違う。そして肖像権より著作権、そんなこともあった。平成になる前の頃。
作品のためならどんどん前へ進む。ワンカットのために我が前へと。
それが出来ないのなら留年するしかない。留年を繰り返せば卒業は出来ない。
でもルールを守って、限られた条件で、そしてその機材で。
いくらでも作品は作れる。
あの時先生に反論できずずっと考えていたが、今俺に生徒がいて
「先生、立入禁止のロープくらい越えないといい写真撮れませんよ」って言われたらこう言うだろう。
「君はあと10㎝向こう側へ行って撮っても、自分の気持ちを10㎝向こうの相手には伝えられないだろう。10㎝過去の自分にもね」と。
俺はミリ単位でアングルを決め最高の一瞬をクライアントに売っているのだが、人んちへ土足で入り込む輩は、こうして非難を買い、そして笑われ、しょうもない写真を写すのだから余りにもご不幸な趣味だ。
仕事なら、こんな仕事しかないのかね。



