青鬼の乱 | akariのブログ  けやきハイツ102
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去年の話。
1ヶ月下書きに放置したままだった記事を、節分の先取りということで。↓↓↓長文注意。




イヴの日のこと。
思い出すと吐きそうになりながら、身近な人に話したら意外な反応を得てスッキリしたので、やはりここに綴っておくとする。


あれは、聖なるクリスマスイヴの朝だった。

前置きとして、近頃の新生お父さんにチリツモなる不満を持っていた私だ。


大変くだらないのだが、休日私が携帯に触ろうものなら痛烈なバッシングが飛んでくるのに、自分はというと、身の回りでどんなことが起ころうと一人だけ別室でくつろぎ、何時間でも携帯でディッキア(南米の植物)のサイトやヤフオクを眺めていること。


前日、サイの友達が泊まりに来たのに、会社の忘年会明けではあったけれど、夕方に帰るまで寝室から一切出てこなかったこと。ニートの長男かよ。

テーブルの上にあやたとわこの通知表を置いておいたのに、一向に開かず無関心、ディッキアの剪定に勤しんでる様、etc..これらは氷山の一角でした。






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朝起きて別室にいた夫の元を訪ね、年末の予定について相談したのだけれど、スマホをいじる手を止めず、こちらの目も見ず、相槌は被せ気味で上の空。

今日も一日この調子かと思うとウンザリして、イタズラ心で脇腹をくすぐった。


本当にくだらないのだが、ああ見えて人一倍敏感で極度にビビりやすい夫を、脅かしたりくすぐったりするのは快感に近いものがあった。

不意打ちに驚かすと、世にも間抜けで素っ頓狂な声を上げ、本気でひっくり返ったり飛んだりするのだ。

夜中に帰宅した際、わざわざ起きて足音が立たないよう靴下を履き、着替え、ハロウィン用の老婆のマスクを付けて階段の上で待ち、暗闇から飛び出したことがある。

あの時も、期待通りに人間の弱さ全開のリアクションが滑稽で快感だった。
驚いた反動で階段から落ちれば完璧だったが、残念ながら落ちはしなかった。


その日は脇から脇腹にかけて、表裏くまなくくすぐった。
やめろ、嬉しくない、痛い、と悶え苦しむのが大変愉快で、しつこくしつこくくすぐり続けた。


すると、「ビリーーッ!!!」
勢いよく布が裂ける音がして、一瞬時が止まった。



「!!!何やってくれてんだよ?!やめろって言ったよな?ふざけてんじゃねえぞマジで!!!」


激昂して目の前に立ちはだかる夫のお気に入りのネルシャツのポケットは、見るも無残、全開に取れ、垂れ下がっていた...。


私は、やっちまったな..と思いながら、小さく小さくなりたい一心で、塞がらない開いた口から、パクパク、小声で謝るしか出来なかった。


夫はうおぉーーー‼︎‼︎‼︎と叫びながら二階に下りて行ったと思ったら、程なくしてまた戻ってきて、

「どうしてくれんだよ。謝られても許せねぇよ。時間が解決するしかねーよ。今日はもう無理だ。元どおり綺麗に直してくれよ。今から自転車で元どおり直してくれるところ探して見つかるまで走り回れよ?」


怒りに震えてる人を目の前にして、もう時間は巻き戻せないし、これから先は最善を尽くす以外はなるようになるしかない、と、変に開き直った自分がいた。






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お直し屋さんの開店に合わせて自転車を走らせ、無事に破れたシャツを提出する。

仕上がりは30日だそうで、その旨メールをするも、既読ならず。


帰りにスーパーに寄り、買い物の相談で電話するも、不出。
家電に掛け直して出たわこに、夫に代わるよう言伝を頼むも、話したくないからと断られる。

帰ると、あからさまに席を外されていた。

二階に上がり、子供部屋にいた夫に話し掛けるも、無視される。


執拗に話し掛けるも、どうしても許せないから今日は話したくないと言われる。


だんだん、休日を1人で悠々自適に過ごしたいから都合よく無視してるのではないかとまで思えてくる。

今朝の一件で私が悪かったのは百も承知の上で、夫の幼稚な態度にだんだんと腹が立ってきた。


今日はクリスマスイヴ。

子供たちは家族皆んなで仲良く過ごしたいはずで、聞いてみたらやはりそう言う。


私のことが許せないならそれはそれでいい、子供たちに免じて機嫌を直してくれないか、普通にしてくれないか、と、100万歩譲って頼み込むも、嫌だ、という返事。


私はキレた。


今までなら、諦めて寒空の下4人連れて公園に行ったり下北をブラブラしたりした。

しかしその行動、寒い上に疲労と散財が付き纏う。

彼はというと、家でぬくぬくと好きなことをして過ごすことになる。


許せねえ。


今までと同じではダメだ。これでは去年までの二の舞になってしまう。
新生お父さんになったはずの奴は、愚かにも本領を発揮し始めた。何のために一年前のあの時、あの行動に出たのか。私は諦めない。
こっちが下手に出てりゃぁいい気になりやがってこの愚か者めが。

そう思った瞬間、私の口からは洪水のように鬱憤が溢れ出た。


「子供の気持ちより自分優先するってか!?
お前は小学四年生か!?相手が謝ったら男らしく許せや!!私はどんだけ許してきた?
植物の面倒見る前に目の前の自分の子供育てろや!!一生現実逃避し続けるのか?いつまで逃げ続けんだよ!?
シャツの一枚破れたくらいでガタガタ言ってんなよ?みんな健康で命あるだけ有難いと思えや!!」

私はヤクザ者になった。
 

並べて、彼が反省した時に送ってきた謝罪のメールをつらづらと読み上げた。

ついでに、ヨガの先生が貸してくれた、〝親子を癒す子育てのヒント〟という本の文中で引っかかり、彼に捧げたいと思っていた部分もドサクサに紛れて読み上げた。


え、なんで今?何?なんなの?
私の激情に置いてけぼりなってるっぽい愚か者夫のハテナ顔を前に、なんだかよくわからなくなってきたけど、とにかくスッキリさせていただく。


私 「お昼ご飯みんなで食べに行かない?」

夫  「絶対嫌だ。」


ここからは、クソ力を出して、抵抗する夫の腕を引っ張って無理やり上着を着せる。
私が諦めないことを確信したであろう夫はこう言った。

「とにかくあかりの顔を見たくないから、顔を見せないなら行く。お面でも付けてくれるなら行く。」


キレてる私は、すぐさま納戸の仮装グッズ入れの中から、節分用の鬼の面を取り出して装着した。

奮発して入手した、1800円もする重厚な面だ。


キレてるのでもうどうでも良かったが、何となくワークキャップを被ってツノは隠した。


愚か者よ、恥をかくがよい。

積極的に夫と腕を組みにいき、歩いて行こうと誘ったら、自転車で行きたいと言う。


この我慢比べには負ける気がしなかった。

子供たちは、騒然として私を見つめていた。


電動自転車の前後にきっちゃんとサイを乗せ、あやたとわこは自分の自転車に乗った。

高価な割りに、目の穴が小さ過ぎて視界がすこぶる悪かったが、火事場のクソ力と持ち前の身体能力で事故らない自信はあった。

青鬼の私は、あえて愚か者夫と並走するようにして、今日はあったかいね、何食べたい?などと話しかけたが、何でもいい...と言われる。

鬼の目穴から見えた愚か者夫とあやたは丸い目をしていた。時折笑いをこらえてうつむいた様子だった。

わこは、お母さんお願いだからもうそんなことはやめて、と懇願してくるが、この我慢比べに負けるわけにはいかなかった。


駐輪場に自転車を停め、民亭に入るところで、わこから、お願いだから鬼の面を取ってくれと半泣きで頼まれ、渋々外した私は、目深に被った帽子とマスクの不審者になった。


愚か者夫は、何も言わず瓶ビールとグラスを2つ頼み、注いで1つ差し出してきた。


もう面をつけろとは言わなかった。私は帽子とマスクを外し、静かに勝利した。



午前9時前に勃発したこの事件は、午後3時にやっと収束。
やること山積みの師走のクリスマスイヴに費やしたこの6時間を、単なる無駄にはしたくない。







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年末、夫と子供達に神奈川の実家へ前泊してもらい、1人になった隙に行った隣のビストロにて、夫を愛してるけど死んで欲しい、しばしば呪っている、などとさんざん吐き出し盛り上がった翌日、義母みっちゃんより、
『けんちゃんが胃の調子が悪く、赤十字病院に行きました。』
とメールが来て、呪いが通じた...と少し恐ろしくなった反面、少し歓喜した。


のも束の間、そのまた翌日、本人より
『胃カメラ撮ったけど、とても綺麗な胃です、との診断でした。』との報告メールあり。

なんという強敵か。



そのまた後日、念のため
「下北沢  青鬼」「ママチャリ  鬼の面」
のキーワードで検索をかけてみるも、ヒットしなかった。







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▲正月、ゆみこおばあちゃんのレディースアデランスで遊んだ奴ら