「outsider 第3話」
コードをかきあげると先輩の龍さんが夕刊を
僕の机に投げ出して言った。
「フェアリーって河瀬の会社だろ?」
龍さんはタバコを吸おうとしたので僕は制して
言う。
「龍さん、タバコだったら分煙室ですってくださいよ。」
「ちっしょうがねーな。」
くしゃくしゃに放り出された夕刊が哀れに見えたので
何気なく手にとってみた。
しょうもない記事ばかりだった。放りだそうと思った瞬間だった。
フェアリー倒産!負債額一億!小さい三面記事だった。
僕は、何も言わずに顔面を手で被った。
河瀬のためじゃない。あれほど期待していたマークが絶望した
と思ったからだ。
もしかするとマークは、マスコミに明るみに出る前に知ってそれで
音信不通になったのかもしれない。
僕は、4年前のことを思い出していた。現実が目の前に突きつけられると
逃げたくなった。ぱっとしない職場を見るたびにそう思ったものだ。
ここは僕がいる場所じゃないと。
そんな淡い中2病が抜けきれていないまま今はこの様だ。
僕が自暴自棄になっていた時に、マークに出会った。
彼は、アメリカから日本にいる彼女を追いかけて結局、ビザまで
とって滞在することになった。最初は、日本語を教えたりもした。
マークは、彼女に振られてからもなぜか前向きだった。いつも
前だけを見ていた。僕は、地面ばかりみているのならばあいつは
光だけを見ていた。そんなあいつに引っ張ってきてもらった気がする。
今は俺がマークを引っ張ってやらなきゃいけない。
続く