​本当の話

その日は緊張していた、そんな自分に驚く


え?なんで緊張する?会うの夫だよ?




レモンのブログにお越し下さり


ありがとうございます


もうすぐ60歳になる

何のスキルもないただの主婦が


ひとりで暮らして行く決意をしました


少し遅れて待ち合わせ場所にやってきた夫は

以前と変わらない様子に見えました

単身赴任から戻った直後に感じた違和感は

その日は感じられませんでした




私の目の前に座った夫は

さあ、話って何?

とでも言うようにスンッとしています

何も話そうとしません

私も何から切り出していいのか分からず

無言の時間が過ぎていきます




町内会の話をして場を和まそうとしたけど

そういう世間話には全く乗って来ませんでした





向かい合って座っているから

まるで話を聞いているかのように見えますが

薄い笑顔の夫を纏う空気は

そんな話聞きたくねーよ、で

私の発する言葉は夫の耳に到達する前に

そんな話聞きたくねーよというバリアに弾かれて

粉々に砕け散っているのが見えました





薄い笑顔の夫の目は氷のように冷たく

何の感情の色もありませんでした

私が、このままの冷え切った関係ではなく

和解したいと言っているのに

夫は何も言いません

私の言ってる意味がわからないのか

僕はそんな話を聞きに来たんじゃない

君は何が言いたいのか?

そんな事をいうためにわざわざ自分を呼び出したのか?

とでもいう表情です




そういう表情、醸し出す雰囲気

私の話など最初から聞こうとしない態度

…ああ、これは別居する前から

単身赴任に行く前から

いや、そのもっともっと前からこうだった

この雰囲気、私は何度も経験している

そうだ、この人はずっと前からこうだった

だから私はこの人に腹を立てていたんだ





この人はもはや、私には何の感情もない

妻としても見ていない

いつまで養ってやらなきゃいけないのか

そんな態度の真っ赤な他人でした…




今日はここまで