1年近く更新していなかった。
その間、音楽を聴かなかったわけで
もなく、むしろ新しい音楽も懐かし
い音楽も常に生活の中で聴いていた。
自分自身の環境が変わったというこ
ともあるのだけれど、思いを文章に
綴る余裕が無くなってしまっていた。
少しずつ、言葉を紡ぐことを再開し
たいとまた思い始めた。
実際、Bialystocksや羊文学について
語りたいなと思っていたし、友人が
嵌まってしまったBE:FIRSTなんて、
推しのアーチストよりもMVも楽曲
も聴いた気がする。
最近は踊りも歌もみんなすごく上手
くなっているからね。
そんな中、やはり新しい音楽のあと
に聴きたくなるのが、10代の頃に耳
を傾けていた音楽の数々。
大貫妙子や吉田美奈子、細野晴臣や
ムーンライダース、大瀧詠一、そし
てジャズ、Crossover。
捨てられなくて残しておいたカセッ
トテープなど、あらためて聴いてみ
ると時代を感じさせない愉しさや当
時は気が付かなった細かい音や息遣
い等に心打たれることも多くて、年
を重ねることの深さを感じてしまう。
聴き手の年齢に関係なく、音楽は色
褪せることなく心に届くということ
もそれはそれで感動だし。
で、今回はジャズの女性歌手の草分
けとも言うべき笠井紀美子について
書いてみたい。
ジャズ歌手は数多いるけれど、この
人ほど洗練されてカッコいい人はい
ないのではないか。
バタ臭い美人で、スタイル抜群だし
その声は芯の強さと繊細さが共存し
グルーブ感たっぷりのソウルフルな
歌は、ハービーハンコックをはじめ
海外の一流ジャズミュージシャンと
のコラボの多さからも、その才能は
知ることが出来る・・けれど、98年
に30年間のアーチスト活動に終わり
を告げ、宝飾デザイナーをしばらく
した後、すっかり表舞台から引退さ
れて今はアメリカ在住のようだ。
ジャズの名曲も多く出しているしア
ルバムも名盤がいろいろあるけれど
今回は、1977年発売の
「トーキョー・スペシャル」という
異色のアルバムの中の1曲目を取り
上げたい。

このアルバムは全曲安井かずみの作
詞でカテゴリーとしては、現在Jポ
ップの中に入れられているけれど、
当時はフュージョンジャズという感
じなのかな。作曲は山下達郎や筒美
恭平、矢野顕子など錚々たるメンバ
ーだ。今ではビッグネームだけど制
作当時は若手のアーチストに委ねた
先進的なアルバムだったのかも。
1曲目の「バイブレイション」は山
下達郎の作曲で、当時割と聴いてい
たので久々に耳にして、この曲が山
下達郎が作ったのかとあらためてび
っくり。
これはLOVE CELEBRATIONという曲
で海外のシンガーに作ったらしいの
だが当時はあまり評判が良くなくて
あらためて安井かずみの詞で笠井紀
美子が歌ったというものらしい。
ファンクっぽい曲なのだが、なんと
なく儚さもある不思議な楽曲。
笠井紀美子は日本語で歌うと、途端
に切なく聞こえるのは何故だろう。
グルーブな曲なのに、侘び寂を感じ
てちょっと和っぽいのが面白い。
出あいがしらに かんじた vibration
かなり高めの のってる vibration
とめようにないワ このトキメキは
口をきこうか 黙ってようか
この歌詞も、クラブシーンで掛かっ
て踊るには良いと思うのだけど、私
には切なさの方が先に立ってくる。
六本木のBACCARATの新作パーティ
で、たまたまご本人を見かけたこと
があるのだが、今年80歳ということ
なので、当時60代だったと思うが、
変わらず魅力的で上品な洗練されて
いた女性だったので、憧れの笠井紀
美子は引退しても控えめながら美し
いと感動したものだった。
このバイブレイションという楽曲は
最近またミュージックシーンで再注
目されているらしいが、若かりし頃
の山下達郎の尖った楽曲と、笠井紀
美子の繊細でカッコいい歌声でまた
新たなファンを獲得してくれるとい
いなと思う。
やっぱり音楽が好きってことで。
