歳を重ねてくると、時々昔は良かったと言いたくなる場面がでてくる。
懐古主義とか現実逃避とか言われるけれど、昔の状況が良かったというのとは違うんだよな~

 

その頃の自分の方が今より良かった、前向きだったとか純粋だったとか、そういうことに思いを寄せてる気がする。

少なくとも私は。

 

10代に聴いた音楽はどれもワクワクして、感動していた気がする。
なので、貪欲にどんなジャンルでも聴いていた。先入観も偏見も前情報もなく聴くのが楽しかった。

 

シティポップという言い方は最近の表現で、当時はフォークに対してニューミュージックと言っていたと記憶している。
 

で、ニューミュージックが田舎の少女からすると洗練された憧れの都会的な音楽に聴こえたんですね。

「MissM」という竹内まりやのLPは本当によく聴いた。
帰国子女、慶應義塾大学、桜の女王準ミスとかね、なんだか女性が欲しい冠全部持っている人という感じだった。
しかも、歌も上手いし、カレン・カーペンターみたいな低音の魅力があり、とにかく頭抜けて洗練されていた。

特に山下達郎作詞作曲の「Morning Glory」という楽曲が好きで、LPを最初から聴くのだが、A面の3曲目になるとワクワクしてた。
 

Morning Gloryは朝顔のことで、その当時はオーストラリアの見たこともない巨大ロール雲を想像しながら聴いていたという本当に間抜けな少女。

 

 

Morning Glory

作詞・作曲 山下達郎

 

東に向いてる

ブラインドめがけて差し込んだ

光に瞳を開いたら昨晩の暗闇を

濡らしてた雨音かすかに想い出して

表はきっと透き通るような空の色

あわてて飛び立つ翼よ

こんな朝の様な心になれそうな

MorningGlory輝きを

heavenly 浴びせかける

softly 消えゆく悲しみに

 

MorningGloryいつの日にも

Surely 君のそばに

Dearly 愛はあるから

 

どう聴いても朝顔のことだよねと当時の自分に突っ込みたい。

ただ、そういう勘違いの夢見る少女を空想の世界に連れて行ってくれるようなおしゃれな音楽があの頃はいっぱいあった。
未知の世界に導いてくれるような非日常的なものが小説や歌の世界に散りばめられていた気がする。
単純に自分の人生経験が少なかったからと言われれば、そうかもしれないがノー天気で楽観的な世相は文化的な中にもその要素はあったような気がする。

年月を経て、今この音楽を聴いても、何故だか当時のワクワク感は色褪せない。
1980年リリースというから、なんと44年前の楽曲だけど、名曲はいつまでも生き続ける。

爽やかな休日の朝にゆったりと聴きたい曲。


やっぱり音楽が好きってことで。