ON×SOUL「イノチボンバイエ」感想⑥;クロマニヨン赤星にミキのボディーブローがさく裂 | 元玉拾い(もと、たまひろい)のスポーツとか草花とか

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(写真は、クロマニヨン赤星役・鶴忠博さん)

 

浅野温子×劇団男魂(メンソウル)

TEAM ON×SOUL 1st

「イノチボンバイエ」 中野ザ・ポケット

 

薄暗い照明の中、下手前方

 

 

看護師の本田(上村剛史)から「薬、飲んでないんでしょう?」

 

という言葉をキッカケに、真理子(みはと)が見た、幻覚

 

もう、デキマセン

 

あん?オレだって、体使って、楽しい思い、させてあげたでしょ?

 

 

真理子がホストの後藤(新晟聡)に対して「女を泣かしてきたんでしょ!」と喧嘩を売ったのは、どうも、真理子自身、ホストとクスリにハマり、借金を抱えて風俗で働くことになったらしい。

 

困るんだよ。あ、そうだ、お前、カワイイ妹がふたりいるって言ってたよな。代わりに、そいつらに働いてもらうか。

 

それだけは、それだけは、やめてください!

 

いい、おねぇちゃんでいたいんだろ?

 

クスリ、買っといたから、その分も、つけとくから。

 

クスリやって、気持ちよくなって、一石二鳥

 

・・・アリガトウゴザイマス・・

 

真理子が自傷行為を繰り返し(左腕は傷だらけ)、

「怒ってます?怒ってますよね。ごめんなさい」と怯えていたのは、

ツケをため込んだホストに脅されて、クスリも辞められず、風俗で働いても働いても、借金がいっこうに減らないことが原因だと分かりました。

 

下手側の照明が落ち、上手側手前に照明がつくと、

そこには後藤と、看護師の大島(町屋友康

 

いつも、強気な後藤が、こちらも怯えています

 

(新晟さん、今、サイン、考えてるとこなんだ、と、手本?をスマホでみながらサインしてくださったのですが、かなり、ガタガタしてます)

 

お前、給料、いくらだ?

 

18万です

 

基本、歩合?

 

基本です

 

お前、ここ来て、どんだけだ?

 

8か月です

 

へぇ、驚いたねぇ、8か月も経って。

お前はペットか?

 

俺はな、お前みてぇにガッツ見せねぇ奴が、嫌いなんだよ

今月も指名入らなかったら、クビだ。寮からも叩き出す。

 

 

よーし、お水の基本。何売る?客に何、売る?

 

 

しゃべり売ります

 

 

はぁ?8か月も経って、ヘルプだけのお前に、しゃべりは無理だ

 

 

どうする?

 

 

・・体、売ります

 

チンポ見せてみろ。

 

ジャージとパンツをおろす、後藤

 

ちっちぇなぁ、オレの小指よりもちっちぇじゃねぇか。モノが良けりゃ、ゲスなばばぁにでも紹介しようと思ったが、これじゃあ無理だ。お前、女悦ばすの、あきらめろ

 

どうする?

 

 

ジャージとパンツをおろしたまま

 

・・・・・酒、売ります。。。。

 

 

だよなぁ?!それしかねぇよなぁ

一気しますんで、ドンペリ入れてください。

僕、いくら飲んでも酔わないんで。

負けたら裸になりますんで勝負してください。

 

店に恩返しする方法、いくらでも、あるよな?

飲んで、飲んで、飲みまくれ!

 

チャラくて、草薙を威圧したり、ミキを馬鹿にしたり、みんなの発言に突っ込みを入れてる後藤さん。ホストクラブで稼ぐには、酒を飲むしか手がなくて、アル中になってしまったのでした。その時の先輩からの恫喝が幻覚・幻聴として、後藤を襲い

 

 

この2シーン、亜紀子は舞台奥で観ている形にはなっていますが、実際には見ていないんだと思います。

 

 

看護師の大島、ジャージとパンツをおろして、下半身を出してる後藤を見て

 

何やってるんだ!履きなさい!

 

状況が理解できない、後藤

 

 

下手では、真理子が「ゴメンナサイ、ゴメンナサイ!」と絶叫

 

再び、自傷行為に走る危険がある真理子と、

奇行におよんでる後藤を、

看護師ふたりが引きずるように、保護室へと連れて行きます

 

子「ぃやぁ、いやっ!亜紀子さん、助けて!!」

 

でも、このとき、亜紀子は全く動かなかったので、実際には、そこにいなかったんだと思ったわけです。

 

 

翌日、亜紀子(浅野温子)は、グループカウンセリングの時に約束したように、

部下の川本(谷川昭一朗)に指示して、りんごあめと綿あめをみんなにプレゼント。

 

わたし、ホストクラブ通うの、やめるわ

 

どうしたんです?今日はテンション低いですね。薬のせい?

 

飲んでないわよ。だって、わたし、病気じゃないんだから

 

でも、飲むとこ、見てるんじゃないんですか?

 

だから、飲んだフリして、ごまかしてんの

 

誤魔化すの、好きですね。。

 

あっ、1回だけ飲んだ。そしたら、頭がぼーっとしちゃって、マジ、テンション下がったわ

 

上手から、赤星(鶴忠博)がシャドーボクシングしながらやってきて、下手から歩いてきたミキ(花奈澪)と対面。互いに立ち止まり、赤星がミキに対してシャドーボクシングをすると

 

どけよ

 

ボディーブロー一閃

 

生音が客席に聞こえました。運動とは無縁のなみおちゃん、かなり練習したようで、いいのが入ってました

 

ダウンする赤星

 

すると、赤星に向かって手のひらを差し出す、亜紀子

 

ポーキー♪

 

その手のひらをミットにみたてて、軽くパンチをすると

 

ポーキー♪

 

立ち上がって、下手袖までシャドーボクシング

 

最初はただの変態だと思ってたけど、あいつ、けっこういいやつでさぁ(真理子が落ち込んでたりすると、のぞき込むようにして、言葉は何言ってるか分からないんだけど、パンチのそぶりをみせながら、「大丈夫?」って慰めてたりするのです)

 

北京原人じゃなかったけどね

 

あれでもね、元ボクサーで日本チャンピオンだったんだってよ、

クロマニヨン赤星って言ってさ

 

 

クロマニヨン赤星?!

 

なに?川本、あんた、知ってるの?

 

わたしね、ボクシングだけは詳しいんですよ

 

クロマニヨン赤星、ハードパンチで強かったんですよ

 

顔も草刈正雄みたいで・・えっ。えぇぇ~?!

 

 

ボクサーって、大変なんでしょ?

 

そりゃ、そうですよ

 

 

クロマニヨン赤星、言語障害があって、挙動不審なのは、

ボクサーの時に浴びたパンチによる、パンチドランカー

 

川本が持ってた綿あめをパッと獲って、嬉しそうに駆けていく、白田くん(大塩ゴウ)

 

縁日で売ってるお面をつけて、いつものように歩いてる小幡ちゃん(山田剛)と、

その後ろに、やはりアンパンマンのお面をつけて、一緒に歩いてる佐古っち(横山貴之

 

りんごあめを持って、立ってる清原くん(清田悠聖

 

自分にとっては、獲るに足らない、りんごあめや綿あめ、縁日のお面に喜んでる患者さんたちを見て、なんともやるせな気持ちになる、亜紀子さん

 

 

 

川本「(ファンだった赤星の今の姿を見てか)なんだかむなしくなってきます。帰ります」

 

ちょっと、このあたり、シーンの順番、記憶が曖昧です

 

 

診察

 

どうですか?イライラしてない?

 

えぇ

 

薬が効いてるのかな

 

 

そうじゃないんですか

(薬なんか、飲んでねぇっつうの!っていう、素っ気ない返事)

 

 

よし、大丈夫

 

 

確か、また、川本が来て、優秀な弁護士やコンサルタントを雇って、経営を立て直してるって報告します。

 

そこへ、派手なズボンとニットのベストではなくて、長靴に作業着姿の草薙さん(坪内守)がやってきて、

 

あのよ、おら、溜まりに溜まってるから、1発やらせてくんねぇがい?

 

 

はぁ、草薙さん、あなた、何言ってるの?

 

ほら、これこれこれこれ

(両手の人差し指を腰の前あたりでピコピコピコピコって前後に振りながら)

 

1発やらしてくんぇがい?

 

 

すると、川本が「この方は、1発もダメなんで、今日のところは、お引き取りください」

 

 

もう、川本のサラリーマンの上司への忠誠っぷりが、おもしろくて

 

 

ベンチに座ってるエリカさん(信川清順)をみつけると、そちらに歩み寄る草薙さん

 

警戒するように「・・なんですか?」

 

おら、溜まりに溜まってるからよ、2発やらせてくんえぇがい?

ほら、これこれこれこれ

 

少し間を置くと、人差し指で、(カモーン)と手招きして立ち上がるエリカさん

 

ふたりで、下手からはけていき

 

 

アグレッシブですねぇ

 

なんでわたしが1発で、あの子が2発あのよ!!

 

 

人生、プラスマイナス、ゼロ、という川本の話、このときだったか、ひとつ前のシーンだったか

 

人生、良い事もあれば、悪いこともあって、トータルでは、誰でも

プラスマイナス、ゼロ

 

わたしは信じないからね。

生まれた時からお金持ちで、死ぬまで金持ちだっているじゃないか

 

 

お金持ちが幸せだとは限りませんよ

 

わたしはどうなんのよ?

 

 

ずいぶん、わがまましてきましたからね。

あとは、マイナスだけじゃないですか。

 

わたしは信じないからね!

 

 

 

エリカさんが、そそくさと下手から出てきて、亜紀子さんと川本の前を通り過ぎ

 

「ごちそうさまでした」

 

上手袖へ

 

 

えっ?早っ!

 

 

 

看護師の本田が、キティちゃんのでかパン(下着)を持ちながら「〇〇子さん、ダメじゃない、こんなもの落として」

 

そこには、緒方先生(杉本凌士)と亜紀子さん

 

 

〇〇子さん?

 

エリカっていうのは、〇〇子さんのお子さんなんですよ。事故で亡くしてしまい、それ以来、エリカさんの人格が出てきてしまうんです

 

 

いつも陽気なエリカさんも、実はツラい過去を背負って、精神を病んでいたのです

 

 

真理子さんと後藤さんが、保護室から出てきました

 

 

ふたりとも、生気がなく、ぼーっとした目で、座ってます

 

 

大丈夫なんですか?

 

あそこ(保護室)に入ると、みんな、こうなります。強い薬を使いますからね。

 

 

ひょっとして、草薙さんも?(おかしかったのは、保護室と薬のせい?)

 

 

その可能性はあります。あそこから出てくると、人が変わったようになってしまうこともありますから。

 

 

酷い・・

 

 

 

生気のない、真理子さんと後藤さんを見つめる、亜紀子

 

 

ボンバイエ

 

 

猪木!

 

 

ボンバイエ・・ご存じなんですか?

 

 

もちろん。でも、なんで?

 

 

ほら、うつの人に「頑張れ」って言っちゃいけないっていうじゃないですか。

でも、なにか、言いたくて。

 

 

ボンバイエは、もともと「アリ・ボンバイエ」

 

モハメッド・アリ、(相手を)やっちまえ!

 

アントニオ猪木との対戦後、友情が芽生えたふたり。アリが猪木にプレゼントして

 

猪木・ボンバイエ、に

 

 

ここでは「ボンバイエ」を「やっちまえ!」ではなくて、「顔晴れ」のニュアンスで、

でも、ガンバレっていう言葉は使わずに、

 

 

ボンバイエ

 

 

 

緒方先生をいい先生だなぁって、感じてる亜紀子なのでした

 

 

続く