散る桜残る桜も散る桜
良寛の辞世の句ですが、花いっせいに咲き誇ったかと思うとすぐはらはらと散っていく桜花にこころを奪われるのは、日本人の特性と言ってよいでしょうか。
先日黄泉への入口と伝わる黄泉比良坂でほんの少しの時間亡き父、母と会話したことから、思慕の念が強まり、抜けるような青天であったきのうは亡義父母が生前に愛でた広島造幣局の「花のまわりみち」を訪ねてまいりました。
広島造幣局・花のまわりみち
今月5日から11日までというごく短かい開催期間のためか多くの人が訪れていて、桜を見上げ笑顔でいるひとびとの姿を、鬼籍に入ってしまった人たちの面影を重ねながら、静かな心持ちで眺めさせていただきました。
世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし (在原業平)
明日ありと思う心の仇桜 夜半に嵐の吹かぬものかは (親鸞聖人)
願わくば花の下にて春死なむ その如月の望月のころ (西行)
死に支度 いたせいたせと桜かな (一茶)