春に花を咲かせ一瞬の煌めきを見せる一群の植物はスプリングエフェメラルと呼ばれています。

 

葉をつけるのは初夏までで、暑いばかりの盛夏には葉を落とし、翌春まで木陰の地下で寝て過ごすという優雅な生活、日本語では春植物と呼ばれます。

 

彼らの中にはヒメウズといった地味な花を咲かせる種もありますが、カタクリ、イチリンソウ、フクジュソウ、ショウジョウバカマといった可憐できれいな花を咲かせる種もいっぱいで、春先、彼らとの出逢いに胸がときめくのです。

 

冬鳥の動きが活発となり、飛去が近いと思われるこの頃ですが、日中が暖かかったきのう、少しだけクルマを走らせてすでに花を咲かせているスプリングエフェメラルの面々に逢ってまいりました。

 

きょうはその中から一枚だけ、先の朝ドラ『らんまん』の主人公・牧野富太郎さんの御母堂が好きだったというバイカオウレンをアップで載せてみたいと思います。

 


ひっそりとバイカオウレン。

 

誰もいない渓流沿いで、周りはなわばりを主張するミソサザイがあちこちで盛んに囀り五月蠅いくらい、ここは天国ではなかろうかと思わせるひと時です。

 

時間はたっぷりあるので、いつものようにマクロレンズをぎりぎりまで寄せてしまい、小さな花をまたまた大きく撮ってしまいました。