この上なく冷たくて。お財布落としたお話です。
自治会の行事用の茶菓子を買うため、お金を預かりました。高校の先輩方がくれた上質な財布に入れて、しっかりとカバンに入れました。入れたはず、でした。
図書館、郵便局と用事を済ませ、いざ予約済みの茶菓子を受け取るべくお店へ。そこでカバンをあけ、発注書のコピー(確認用)を出して、財布を出し……あれ!?
無いのです。茶色い革製の財布。使いふるしてはいるものの、それが味となっている素敵な財布。普段使いの財布のほうが無事で、より一層大切な財布のほうが無い。これには焦りました。図書館、郵便局と問い合わせても無し。交番にも行きましたがここにも届け出は無し。すっと、風が吹きます。語り掛けます。まずい、まずすぎる(事態が)。
やむを得ず、手持ちの自腹金をかき集め、茶菓子代を支払いました。弁償ですねこれ……。
思い出の財布も消えました。物というのはいつか別れる時が来ます。それにしても、こんなかたちでわかれるとは……。