房総里見氏の歴史・文化を活かす“館山まるごと博物館”  | Blog 安房国再発見

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まちづくりに活かす館山まるごと博物館”

  房総里見氏の歴史・文化をみる

   特集:里見氏城跡

      (稲村城跡・岡本城跡)

       国史跡指定の答申

   (16年間の里見氏「稲村城跡」保存運動の経緯)


1996年、曲亭(滝沢)馬琴の小説『南総里見八犬伝』

の舞台のひとつであり、南房総・安房のシンボル的な

文化遺産ともいえる里見氏稲村城跡が

自治体の手で破壊されると聞きました。

城跡内に市道建設がおこなわれる寸前であったのです。

保存運動は地元の新聞に投稿して、

多くの市民に知らせることから始まりました。


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保守的な政治風土のもと市民運動など育たない

といわれていた地域でしたが、

これまで文化財保存運動がなかったまちで、

多くの市民たちが地域の文化遺産を守れと

立ち上がったのです。


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文化財ということで千葉城郭研究会や

千葉歴史学会などの研究者や専門家の皆さんの

積極的で創意工夫ある支援や協力を受けながら、

市民が主役になった保存運動が

取り組まれてきました。


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千葉城郭研究会の呼びかけで、

全国の中世史研究者や東国史研究者、

そして文化財保存関係者の支援や協力の輪が

広がっていきました。

市民の署名も数千筆集まり、(後に1万筆に)

早急に稲村城跡破壊をストップさせる市民運動として

大きなうねりをつくっていくことができました。


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1996年4月14日、150余名の参加で

第1回「房総里見氏と稲村城跡をみつめる」が開催され、

終了後に50余名によって

「里見氏稲村城跡を保存する会」(世話人代表愛沢伸雄)

が結成され、6月9日に第1回総会が開催されました。

ここでは

(1)稲村城跡を史跡にする

(2)城跡の保存をさまたげる道路建設等は認めない

(3)史跡保存まで会を運営する

という三項目の方針が決められました。


以後、今日まで16年にわたって、

稲村城跡の保存運動が地道に継続してきたのです。

その間にさまざまな経緯がありましたが、

文化財として保存するために地域づくりのなかに、

どう活用していくか、延べ2万人以上の市民の皆さんに

その意味や意義を知らせていく

取り組みを具体的に展開していきました。


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そこでは安房地域にある房総里見氏の歴史文化を学びながら、

なかでも里見氏の城郭群の保存活用を

地域づくりのなかでどのようなことができるかを

具体的に提起していきました。

地元だけではなく全国的に展開していったさまざまな取り組みは、

市民が主役の文化活動になっていき、

市議会や行政当局を動かしていったと思います

今では、里見氏の歴史文化や稲村城跡のことは、

館山市総合計画のなかに位置づけられるようになりました。


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地権者や地元住民の皆さんの理解をいただきながら、

稲村城跡や岡本城跡などの里見氏城郭群「国史跡指定」にむけた

取り組みをおこなってきたことが、

今回の文化審議会文化財分科会の議決となり

文科大臣への答申となりました。

多くの方々のご支援とご協力に深く感謝しております。


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里見氏の歴史文化を代表する城郭群は、

「館山まるごと博物館」の素材であり、

それに磨きをかけながら、地域の皆さんが

誇りを持って語ることのできる文化遺産として、

全国から来訪される方々と

楽しく学ぶことができる見学地になります。


16年にわたる里見氏稲村城跡保存運動は、

地域にある里見氏の歴史文化や

文化遺産の価値を高めることで、

「国史跡指定」になることを証明しました。

そのことは多くの方々が「館山まるごと博物館」

訪れる可能性を高め、地域の活性化に

大きく貢献していくと思われます。