アメリカの農業が産業として活気があるのは、国土の広大さもありますが、「farmer's culture」である、「ベースボール」や「カントリー音楽」などが、時代に即した新陳代謝を常に行っている事も、一つの要因ではないでしょうか。
ベースボールは、ワイルド・カードの導入やファン・サービスの面でも、常に趣向を凝らし、「National Pastime」の地位を不動としていますし、
現在のカントリー音楽は、エレキ・ギターの導入などで、若年層の農業従事者にも強力にアピールするジャンルとして、幅広い人気を保っています。
堺屋太一氏は、「日本の明治維新が成功したのは、丁髷を廃し洋装にするなど、文化面を通じて、
社会制度をスムーズに変革出来たからだ」と述べています。
日本も、「21世紀の国際化時代にふさわしい」農業従事者の方々への娯楽・文化の創造に対し、
真摯に取り組んでみる必要もあると考えます。地方の若い世代の農業従事者が、活気を持って仕事に取り組める様々な環境作りが、今求められている、といえます。
 中国に関して、漫画の例ですが、島耕作シリーズで、非常に印象に残るエピソードがあります。
 主人公、島が、或る中国人の危機を救ったため、全く立場が異なるにも関わらずこの中国人が、島耕作に恩義を感じて、様々な機会に恩返しをする、という話です。この話は、中国人の本質を見極めた、作者・弘兼氏の優れた眼力を感じさせる内容です。
 日本では対照的に、属する会社や組織が違えば、この様な行動をどれだけの方が取るでしょうか。
 日本には日本ならではの良さがあり、日本で、誠、という概念が幅広く受け入れられたのも、日本人の文化風土にマッチする面があったからだとも言えます。
 一方、中国人は、国家よりも、より個人単位で、人間関係や物事を考える民族である事を理解する必要があります。
 中国の故事ですが、戦国期の中国で、ある国に食客として招かれた人物が、その食事の席でのもてなし方を理由に対峙する他国へと赴き、結果として、この国の命運が左右された、というエピソードがあります。
 こうした、中国の歴史から学ぶべき事は多い筈です。
中国は「エンターテインメントともてなし」の面では、今でも
世界一流の大国です。例えば、京劇や、中華料理。
テクニック面に於いて、これらに匹敵する娯楽は、世界中に中々ありません。
中国では「食客」や「一宿一飯の義理」があり、国家や大義など
目に見えないものよりも、目の前に見える人の為に、一生懸命もてなす事を大事にする伝統があります。良く言えば、個人主義的なところがあります。
一方、日本は「誠=ものつくりの文化」。日本では目に見えない
顧客の為にも、一生懸命に尽くす、という伝統があります。
これは、日本の皇室の方々が、毎日、五穀豊穣を祈り、目に見えない国民の事を気にかけてこられた、という伝統もあるのでしょう。
この違いを踏まえて、日本人や日本企業は、中国人や中国の企業とつきあっていく必要があるのではないでしょうか。