馬返しまで何とか歩かず来ましたが、
既に体力はほとんど使い果たしました。

そして周りの人は歩くんだろうなと思ったのに、
意外と皆さん走っています。




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でも走ったり歩いたりという感じで、人それぞれでした。
道は狭く1列に渋滞したり、少し広くなったら抜いたり。

私の時はまだ渋滞がそんなにひどくなかったですが、
もう少し後の時間帯だったら渋滞がひどく焦りそうです。



ここからはもう明らかな登山道になりますので、
マジックスピード3だと結構滑ります。
私は1回転びそうになるだけで済みましたが、
盛大に滑っている方は何人もいました。


私も狭くて抜けない道は歩きましたが、
少しでも広くなれば抜くよう心掛けました。


あともう半分なんだ、今日はそれで出し切っていいんだ、
少しでもタイムを削って山頂コースで少しでも前のブロックに行きたい、
と。


頑張りたい気持ちと同時に、
単純に山登りが楽しくなってきました。

木のにおい、鳥のさえずり、土の柔らかさ、

マラソンにハマってからはあまり山登りをしなくなりましたが、
自分は山も好きなんだと再認識しました。
ましてやここは富士山です。テンションは上がります。



でも1キロ1キロが長いです。


当たり前ですがへばってきます。




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この後も斜度はどんどん上がるんだよな、もつのかなと

弱気になった時に、



脇道に髭を生やした男性が「がんばれー」と

 

応援してくださっていました。

私はその方を見た瞬間、誰なのかすぐわかりました。






 

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トモさん!!!



100マイルレーサーの井原知一選手です。

憧れの人物です。なんとここでお会いできるとは。
 

 

 

 


以前にもご紹介しましたが、
100miles100timesというPodcast番組が大好きで、
100話以上のエピソードを全て聴きました。

井原選手は、100マイルレースを100回完走することを目指す方です。

100マイルって160キロです。

フルマラソン4回分です。
それを100回です。
超人です。


私は100マイルをいつかはやりたいという野望をもっていますが、
全くいつになるか分かりません。
でも憧れだけは持っていて、
トモさんの番組は超楽しく聞けます。

国内外の100マイルレースの
開催時期や移動手段、食べたもの、準備物、エイドの様子、コースなど
包まれるような温かい話し方で語ってくれます。


私も少しでもトモさんに近づきたいと思い、
ポイント練の時にこの番組を聞いています。


真冬の気温マイナス4度の真っ暗な朝で、
さすがにインターバルをするのは気が重いなという時でも、
トモさんの声を聴けばやる気になります。


私がいま一番会いたい人物なんです。



ということでトモさんがすぐ右斜め前にいらっしゃってビビりました。

周囲のランナーさんは、たぶんそんな人物ということに気づいていません。




私はすぐ「トモさーん!」と声をかけ、



「あの!

 

ポッドキャスト!

 

全部聞いてます!

やる気もらってます!」
と叫び、



大好きです!!!

 

 

 

と愛の告白までしてしまいました。




右手を差し出したら、

握手をしてくださいました。

大きくてグローブみたいな手でした。

「ありがとう、がんばってねー!」と声をかけてくださいました。



キャー嬉しい、夢のようです。

ありがとうございましたトモさん。

一気に疲れが吹っ飛びました。





マジでトモさん効果なのか、

ここからはほとんど抜かれず、
追い抜くだけでした。

というのはちょっと大げさですが、
明らかにトレランが上手そうな方に張り付くようにしました。

トレランガチ勢の方は、靴はメレルやサロモン、
小型のザックを背負うなど、見ればわかります。

足の置き方、ライン取りが超うまいです。
できるだけ大股にならず、

小股で筋疲労の消耗を最小限にしているようでした。

そういう方に置いていかれないようにしていると、
自然と抜いていくことができました。


応援の方たちが、もうすぐだよ、と声をかえて下さり、
このままなら2時間も切れそうだと意識してしまい、
とにかく出し切るつもりで駆け上がります。



やっと道路に出ました。



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ここに出ると本当にもうあと少しです。

道路で走りましたが、やはり空気が薄い感じはしました。

でも単純に疲れていたから苦しいだけかもしれないし、
よく分かりません笑

時計を見ると2時間は超えてしまいましたが、
1秒でも削るために頑張ります。





そしてゴール

 

 


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ああゴールできた…




全部自分が悪いんですが、

4月からの故障の苦しい日々を思い出し、


泣きそうになりました。

 

 

 

 

 

 

続きます。