北海道の山旅 硫黄山登山 | 森中あゆみの「山と薬膳で、ココロとカラダをまるごと養生♩」

森中あゆみの「山と薬膳で、ココロとカラダをまるごと養生♩」

「世界の国の人と自然」を愛するヨメが
「岩と雪と氷」を愛したダンナと
日々のつれづれを発信します。

以前、仕事で一緒になったこときっかけで知り合ったジンさんから要請を受けて、

屈斜路湖のアトサヌプリ(硫黄山・508m)へ。硫黄山は19年前に起きた落石事故

以降、入山禁止になってて、それをガイド付きに限定してオープンするにあたっての

「ご意見番」との命。


コースはロマンティックな落ち葉の道からスタート。レモンイエローのコシアブラの葉が

明るい雰囲気を醸しだす。その昔、採掘した硫黄を運び出すための軌道跡とあって、

広く平坦で優しい。深まる秋をしっとり楽しむのにタイムリーだった。

 

山麓は酸性に強いエゾイソツツジやハイマツが優勢。マイヅルソウ、ゴゼンタチバナ、

ガンコウラン、フッキソウなどの葉が残っている。ハクサンシャクナゲも見つけた。

標高150mに高山植物がみられるのは北国ならでは。ちょっと羨ましい!

 

樹林帯をぬけると、景色は一変し、あちこちでガスがもこもこあがる火山独特の地形

となる。念のためにメット着用。が、落石事故の場所は通らないし、コース上で強いて

必要と思われる場所は一ヶ所だけ。といっても、アルプスならこんなところ、あちこちに

あるけどな、な感じ…。

 

数百年前にできた爆裂火口をのぞきに行く。熊落としと言われるところ。温泉卵が

作れる噴気孔や黄色い硫黄が盛り上がった場所など、ダイナミックな地球の営みを

間近に感じ、気分高揚。人の踏み跡が殆どないところがまたいい。

 

残念ながら最高所は解禁されておらず、三角点がある337.1mの認定ピークへ。

見とおしがきく平原の先に斜里岳が立ち上がっている。


ジンさんがイソツツジの葉のお茶を用意してくれた。松や檜のようなスパイシーな

芳香に少し甘さも感じる。たった一枚なのにしっかりした味。昔、アイヌ人も飲んで

いたとチームくっしゃろの敬子さんが教えてくださった。この敬子さんのご先祖は、

なんと、北海道の名付け親、松浦武四郎さんを案内なさった1人なんだとか!!

ムムッ!最近一番のお気に入り、武ちゃんと繋がりがある人に引き合わせてくれた

ジンさんに感謝だ~~♡


下山は、観光地化されているレストハウスがある場所へ、急坂を下りる。一周約5

km、3時間のハイキングだった。静かな森と、その先の地球創成を思わせる荒々

しい表情は、穏やかさと厳しさの両面をもつ、私の北海道の印象に重なり、小さな

山歩きながらも大変満足な山行となった。


このコースは既に指定ガイド同行での指定コースに限り、入山可能となっていて、

北海道新聞などにも取り上げられ、ガイドツアーの募集も始まっている。トレースが

ないので少し歩きづらいところもあるが、山歩きをしている人なら逆にそれが楽しい

と思う。登山靴など山の装備は必要。ヘルメットはレンタル可。場所が場所だけに

何かの用のついでに、ってわけにはいかないだろうけれど、関空釧路にピーチも

就航したことだし、興味がある方は訪ねられてはいかがだろうか。


敬子さんのFBより拝借。

観光地でもある硫黄山(2017年6月撮影)

すっかり葉を落とした森は日差しが入って明るい雰囲気。

一変して、うっすら踏み跡程度のけもの道に入る。

その後は、植物が一気に減り、ガスや水蒸気が上がるコースに変わる。

硫黄が落ちてる。お風呂に良いのでは?と思ったけれど、酸が強いので釜がいたむ・・・。

川湯温泉も、傷があるとピリピリする。

外人さんが好きそうな景色

キノコは見逃さない笑! 帰ってからよく見ると、ハナゴケらしきものも写り込んでいた。

JR釧網線の向こう側に斜里岳

エゾイソツツジのお茶。ビタミンCが豊富なので、風邪などに良いらしいが、ツツジは基本

有毒なので、注意が必要。蜜は猛毒、絶対吸わないように・・・。
ところで、浮かんでいる葉っぱの形と、その陰の形が違うんだけど、どうなってんの??

終盤のエゾイソツツジ(2017年6月撮影)






観光地「硫黄山」の散策路が、眼下に伸びている。