インドの花旅 その3 ~チャルケワディー風車群・カースレイク~ | 森中あゆみの「山と薬膳で、ココロとカラダをまるごと養生♩」

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チャルケワディー風車群は、カース高地に近い、風車の丘とでも言いましょうか・・・。
マハシュトラ州の殆どの電力を賄うという、アジア最大の風車群なんですが、この

足元にもいろんな種類のお花畑が広がっているのです。

どこという決まった場所はなく、花がきれいなところを歩いてはまたバスに乗り、といった

感じで進めてゆきます。

風車群へのアプローチがまた素晴らしく、緑の草原では牛を連れた人々がのんびり

歩いているのがバスから見えていました。

道路脇には色とりどりのお花が咲いていて、この景色を見た時、実は私、今夏訪れた

フランスとスペインの国境に横たわるピレネー山脈でのドライブを思い出していました。

それはちょっと言い過ぎ!って言われそうですが、スモッグや都会の喧噪のイメージが

強いインドにおいて、この緑あふれるしっとりとした景色は、思った以上に私の心に響く

もので、正直、この時点でインドの印象があっさりと塗り替えられたのでした。



ミズネコノオの群生地

日本では純絶滅危惧種に指定されているとあるけれど、ここではわんさと咲いています。
水草として、日本では水槽の中(沈水した状態)で栽培されていたりもするみたいです。

花は下から順に咲いていきます。


ここ数年は日本でも有名になっているトゥルシーという植物があります。ホーリーバジル

とも呼ばれる「カミメボウキ」です。私もかつて育てた経験がありますが、クセの強い

青じそといった感じです。ヒンドゥー教においては、ラクシュミー(ヒンドゥー三神の一柱、

ビシュヌ神の妻)の化身として、拝まれたり供物として儀式で使われるため、ヒンドゥー

教徒のお家ではよく植えているそうです。

同じシソ科だからでしょうか、ミズネコノオはWild Tulsi(野生のバジル)のくくりとして

(ほんとは違うけど、よく似たもんや、みたいな感じで笑!)、ミズネコノオが群生する

この地を、「大自然の女神のための聖なる寺院」と、カースの植物本は表現しています。



シラタマホシクサ 花かんざしのようなキュートさがたまらん!

日本でいうところのシラタマホシクサ(学名:Eriocaulon nudicuspe)は、日本の固有種で、

静岡、愛知、岐阜、三重の湿地に自生しているそうですが、湿地の乾燥化に伴い、

どんどん減少しているとのこと・・・。葦生湿原にあるそうで、ここは前から行ってみたい

場所なので、また機会を見つけたいものです。

ハイキングが終わって、バスを待ちます。


風車群があるからでしょうか、車道はアスファルトで快適でしたし、ちょっと中に

入り込んでも、こんな感じで大型車でも問題ありませんでした。


風力発電 はクリーンで再生可能なエネルギーとして推奨されてはいるものの、騒音や

低周波などの人体への影響や、稀少猛禽類などのバードストライクといった生態系への

悪影響など、黙視できない部分があります。

このお花畑にとっても、間違いなく影響があるでしょう・・・。そう思うと、のんきにフラワー

ハイキングを楽しんでいてよいものだろうかと、少し心が痛みます。

開発と自然保護といいうのは、いつでもどこでも難しい問題ですね・・・。

アリ塚。緑の草原に赤土の塔が目立ちます。

こちらは、カース高地近くにあるカースレイク。


水面に浮いているのは、ガガブタのようです。


私の通称「盗撮カメラ」(笑)!で撮ってみたら、花びらが糸状に裂けているのが確認

出来ました。カース高地の花の本にも出ていました。


湖畔に沿って、ハイキングできる道がついています。ツバキ(ではない)に似た低木の

ちょっとした森の小道は、高原のお花畑と違って、キノコやアカネなどが確認できました。
これ、マイタケみたい(笑)!

でも、この道・・・、あぁ残念。。。ゴミがすごいんです・・・。
インドの人たち(外国人はほとんど来ないので)がピクニックに来て、付近でご飯を食べて、

ごみをポイッチョするみたいです。


トウダイグサの仲間(Euphoebia)


トウダイグサ属は、世界で2000種以上もあるそうで、砂漠から湿地まで、さまざまな

環境に適応進化するとなっています。古くから漢方として利用されてきたようですが、

『神農本草経』(ひと口で言うと紀元200年頃に書かれた漢方薬辞典)にも、いろんな形

(異物同名)の生薬があると記載されているらしいです。そういえば、尾瀬でも、黄色が

目立つものや、赤が目立つものなどがあったと記憶しています。

現地で買ってきたカース高地の植物図鑑にも、トウダイウグサ属は数種類載っています

が、葉っぱが退化してサボテンみたいなのもありました。ちなみにクリスマスシーズンに

みかけるポインセチアもトウダグサの仲間です。