最後の王朝キャンディーをあとに、北上して、文化三角地帯に向かう。
シンハラ王朝最初の都、アヌラーダプラ、次の王朝、ポロンナルワ、そしてキャンディーの
3ヶ所を直線でつないだ三角形の中が、文化三角地帯と呼ばれる。
ここに残る古代の遺跡群は、いずれも素晴らしい。
そして、今なお、人々の祈りの場所として存在していることがさらに素晴らしい。
キャンディー、アヌラーダプラ、ポロンナルワ、シーギリヤ、ダンブッラ、いずれも世界
遺産に登録されている貴重な場所でもある。
午前中はダンブッラの石窟寺院へ。
お供えのおこぼれをもらうサルたち。
上座部仏教は、とにかく祈り、徳を積むこと。昔、ミャンマーに行ったとき、市場で大勢の
僧たちが、買い物した人たちからモノをもらってふんぞり返っているのを見て驚いたことが
ある。僧は徳を積ませたあげた、というのだ。備える側は、徳を積ませてもらったと
考えるから、そういうことになる。大乗仏教の日本ではちょっと不思議な光景だった。
その頃は、何にも知らなくて、すごく違和感を覚えた。
ここのサルは皆、人々に徳を積ませてあげてるから、と~~ってもエラソーにしていた。
動物に生まれ変わるなら、上座部仏教の国がいいかな~~(笑)!
ダンブッラの石窟は第5窟まであり、1.2窟がハイライト。
紀元前1世紀にアヌラーダプラを追われた王が、修行僧の住居だった洞窟に移り住み、
逃げおうせた。その後、王位に返り咲いた際にここの石窟寺院を作ったというから、
2200年の歴史があるということになる。
第2窟は、広くて大きい。仏陀の生涯やさまざまな物語が描かれ、座像、立像がたくさん
並んでいる。壁にも天井にもものすごい数の仏さまの絵があり、さながら立体曼荼羅の
第3,4窟はキャンディー王朝の時代に掘られたもの。
第5窟は、1915年に作られたというから、かなり新しい。といっても100年以上前・・・。
長い長い歴史の中で、人々が祈りを続け、盗掘などから守ってきた大切な遺産。
生花が絶えないことが、今も人々の生活の中に存在している証拠。
強い日差しに焼けた石の上をはだしで歩かなくてはならない。
大きなインド菩提樹が、影を作って、暑さと熱さから、一息つかせてくれる。
小高い丘にあるダンブッラからは、シギリヤロックが遠目に見えている。
明日の朝はあのテッペンにいるよ~~。
中には入っていないけれど、各国から贈られた仏像や仏歯を収めるケースのレプリカ等が
展示されているとのこと。