お山でヨガ@六甲カスケードバレイ | 森中あゆみの「山と薬膳で、ココロとカラダをまるごと養生♩」

森中あゆみの「山と薬膳で、ココロとカラダをまるごと養生♩」

「世界の国の人と自然」を愛するヨメが
「岩と雪と氷」を愛したダンナと
日々のつれづれを発信します。

明日止むのかな・・・、と思うくらい前日は大雨でしたが、”お山でヨガマジック”は健在で、

当日はすっかりお天気になりました。ヨガをするためのお部屋は借りているので、雨でも

行けるといえば行けるのですが、トレーニングではないのだし、できれば、晴れたお山で

ココロもカラダも解放されたい!と思う気持ちは、ご参加者だけでなく私たちも一緒…。

朝のお日さまを見て、ホッと一息です・・・。


今回は3名の方がご参加くださいました。おうちの御用で1週間ほど前に取り消しになった

方以外に、今回は直前に風邪でキャンセルになった方もいらっしゃいました。

毎年そうなのですがこの時期になると、体調不良によるキャンセルがちょくちょくあります。

お天気だけでなく、様々なことに出発前はいっつもドキドキの私たちです・・・。


アバンティ・クライミングスクール大阪

何はともあれ、阪急六甲駅に集合して、自己紹介のあと、町の中を小一時間歩き、先日

下見に来た崩壊場所へ・・・。


対岸から撮った写真では見た目の怖さが半減ですが、崩壊地はえぐれているので、最初に

踏み出す場所から一歩目に置く足元は見えづらく、ロープに身を任せる恐怖に多少ビビって

しまいます・・・。


こういう場所ではそっと足を置かないと、どんどん砂が崩れ石がズレてえぐれていきます。

とはいえ、そっと置くという感覚も、歩き慣れないとなかなか難しい歩行術です・・・。

このグループの方々も山歩きは超初心者のようで、デカい石がゴロンと落ちました・・・。

次の人がさらに歩きにくくなる状況にどんどんなってゆきます・・・。


実はここは、手前に迂回ルートもあるので、歩ける歩けないではなく、道の保護のためにも、

初心者の方は、迂回路を歩くようにした方が良いように思いました。

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杣谷は神戸の居留地に住む外国人たちから、カスケードバレイと名付けられ、取り付の

あたりでは学校の飯ごう炊さん行事やファミリーのBBQ場所として知られています。

古くは、江戸時代の参勤交代の際のう回路「徳川道」としての歴史があり、居留地に住む

外国人との摩擦がどれほど大変だったかを容易に想像させます。


今まで何の気になしに杣谷という言葉を使っていた私ですが、ヨガの聡美さんから、

「あゆさん、杣谷ってどういう意味ですか」と聞かれ、答えに詰まってしまいました。

「杣○」など、杣がつく言葉は、山里離れた僻地というイメージの場所やモノによく名づけ

られています。


杣谷をカスケードバレイと英訳されたということは、杣は英語のカスケードに当てはまるの

でしょうか?カスケードとは、狭まった岩壁の間を階段状に流れるようなV字谷地形の

場所のことだと思うので、そういう意味かなぁ・・・、と話したのですが、帰宅して調べてみると

どうやら、杣=カスケードではなかったみたいです。


確かにこの杣谷は、連続する小滝や滑滝が特徴的なルートで、外人がカスケードといった

のは理解できますが、それはルートの特徴を英語で呼んだためで、杣谷を英訳したわけでは

ないようです。


杣とは、昔、国などが所有した山林のこと、あるいは、その山林の木々、あるいは、そこで

働く人たちなどを意味すると書かれています。

都の造営や寺院などの建立のため、大規模な木材伐り出しをするために、国が山林を

所有管理していて、それらが杣の語源だとのことでした。


いつ頃から、この谷が杣谷という名前で呼ばれるようになったかは分かりませんが、ひょっとして

徳川道とも関係があるのでしょうか?

木を伐り出すためではないにせよ、幕府の御用を果たすための道と考えれば、少し意味づけ

出来るような出来ないような・・・。


もっとも、生まれた時に付けられる人の名前などと違って、土地の名前は、何かがある度に

変遷してゆくので、明確な名の由来を探すこと自体が難しいかもしれませんね・・・。


それにしても・・・、

山岳会の人や、山の業界の人たちなど、どっぷり山に浸かっている人たちとの間で出る山の

話と違い、ツアーのお客さまや山歩きをあまりしたことのない方から受ける質問は、私にとって

突拍子もないことが多く、いつも答えに窮してしまいます。


山関係の人の中では普通に話している言葉でも、山に不慣れな方には聞きなれない言葉で

質問をよく受けるのですが、さぁ、いざ説明するとなると、明確なことが途端に言えなくなって

しまいます。知ってるつもりが実はよく分かっていなかった、ということを度々再認識させられ、

ありがたいことだな、といつも思うのです。


ブログや本など、外に向けて文章を書くようになってからは、さらに深く調べるようになったので、

私の頭の中の小規模メモリーは、今やパンク寸前です。山行中、同じことを何度も言ったり、

逆に話さなきゃいけないことをスカッと忘れていたり・・・、それはメモリーのせいで、アルツでは

ないと信じている私です・・・苦笑


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基本的には谷筋ですが、時々、海が見える場所もあります。

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ちょっと緊張感のある岩場も数か所あって、このコースはなかなか楽しいです!

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六甲名物の砂防ダムも、なかなか良い見どころとなっています。

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この谷の特徴的な滑滝。

ナメタケって言ったのだあれ???

頭で分かっていても、口が暴走する時ってありますね!(笑)

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沢の渡渉は、何回あったでしょうか?


昨日の雨で若干水量も多く、濡れたくないという潜在意識が邪魔をして、どうしても腰が

ひけちゃいますが、こわごわ歩くと、体重が後ろに残る → 前に出す足に力が入らない

→ 石が動く → 滑る の悪い構図となってしまいます。


こういう時は、落ちても濡れるだけ!と開き直って、写真の前の方が歩いているみたいに

軽く前傾姿勢でサッサッと歩くのがコツです。(後ろの人と比べるような書き方になって

しまいましたが、この方も歩くのはお上手でした。誤解のないよう書いておきますね!)

そうやって歩いているうちに、動く石、動かない石、また、足を置く場所に気を付ければ

動かない石などが、だんだん見分けられるようになるから、不思議です!


トップを歩く場合は、飛び石の状況をチェックしないと危険なので、ササッと歩くのは

大けがの元になってしまうことがあります。正しい歩き方といっても、状況によってさまざま。

歩くこと一つとっても、山は本当に深いです。

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沢を離れ、急登が続き、ササが増えてくると、杣谷峠は近いです。

トイレ休憩ののち、すぐ近くの山上湖、「穂高湖」を訪ねました。

この時は薄曇りだったのですが、ランチの途中には湖面に日がさしてキラキラと光り、

色とりどりの紅葉を映し出して、とても綺麗でした。


ここでも、またまた質問が・・・。

「湖と池の違いってなんですか?」

・・・・。


これまた勝手なイメージで、池は水がたまったところで、湖は川など水の出入りがある所

では?と答えたのですが、これまた帰宅後に調べてみると・・・


まずは大きさによって区別されるそうです。池<沼<湖 

また、水の中に生える植物によっても違い、湖には中央部の深いところに植物は生えて

いないというのが定義だそうです。


池は人工的に作られたものが多い、ということも書かれていましたが、これは定義ではなく

実際のところ、ということでしょうね。

ほなら黒部ダムの黒部湖はどうなんねん!!といいたくなるようなこともあるし、これは

あまり参考にはなりませんな!


まぁ、いずれにせよ、どこにも川の出入りのことは書かれていなくて、ちょっと残念でした。

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穂高湖をほぼ一周廻って、ヨガをするオテル・ド・摩耶に向かいます。

途中、紅葉がすごく綺麗な場所を通りました。

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今回は、摩耶山の名の由来ともなった「天上寺」を拝観してきました。


摩耶山は、昔は八つの国が見えることから、「八州嶺」と呼ばれていたそうですが、空海が

唐から持ち帰った摩耶夫人像を、ここ天上寺にお祀りしたことから、摩耶山と名を変えた

そうです。

現在の摩耶夫人は、新しく作られたもので、空海が持ち帰ったものは、京都の福田寺に

安置されているということは、このブログで以前にも書きました。


聡美さんは、ここの「気はすごくいい」って仰っていました。

凡人の私には、どういったものを「気」というのか、よく分からないのですが、なるほどここは

スッキリ整然とした心地よさがあり、お天気がよかったこともあったのでしょうか、境内で

のんびりお昼寝でもしたい気分になりました。女性守護の摩耶夫人に見守られがらの昼寝

なんて、何とも贅沢な時間でしょう・・・。

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天上寺からオテル・ド・摩耶はすぐの場所です。

おりしも、小雨がぱらつき始めましたが、濡れることなくホテルに入ることができました。

さっそく会議室へ案内してもらい、聡美さんによるヨガがスタートしました。


既にエアコンで温かくなったお部屋の中で、ハイキングで使った筋肉にアプローチされる

聡美さんのヨガは絶妙の心地よさで、ちょっと気を抜くと、すぐにうたた寝してしまいます。

聡美さんの声と、ホテルが流しておられるBGMがこれまたバランスよく、カラダが浄化されて

いるような気分にさせてもらえます。


ハイキングによる適度な運動と、ヨガによるカラダのすみずみの調整、そられの動きに

ともなうココロの変化など、毎月の「お山でヨガ」は、主宰者である私にとっても、今や

大切な時間となっています。


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ホテル前で集合写真。

またまたカメラが不調となって、両端が揺れる現象が・・・。皆さん、大切な記念写真なのに

申し訳ありません・・・。


このあと、ホテル自慢のハーブ風呂に入るという選択肢もあったのですが、今回のご参加者の

ご希望で、お風呂なしで歩いて下山することに!

まずは、日本三大夜景が見れる掬星台で神戸の街を眺めてから、天上寺跡を通り、

今もなお生きているかのような「摩耶の大杉さん」に会いに行きました。


秋の日はつるべ落としといいますが、樹林帯の中はすぐに薄暗くなってきます。

怪我をしないよう慎重に、なおかつ心もち早歩きをして、阪急王子公園駅へ無事下山。

今回も楽しい「お山でヨガ」でした。

ご参加者の皆さん、本当にありがとうございました。


来月は、万葉より名を残す二上山を歩きます。

詳細はこちら → 12月のお山でヨガのご案内