母のノートが面白い・・・。
テレビで見たこと、忘れてはいけないこと、私たちの不在中にあった電話の相手の名前と
電話番号、何かの予約やキャンセルした際の相手の名前などなど~~~、とにかく
一冊のノートにどんどん書いてゆく。
系統だてて書いていないから、あとから見直すには大変だと思いがちだけれど、あちこち
メモしてどこに書いたか分からないよりは、とにかくこの一冊をしらみつぶしに見直せば
必ず探し物は見つかるって方が、確実かもしれない。
知りたいことはここに必ずあるし、どこに書いたかなぁ・・・程度のことは逆に忘れても
さほど差支えないことであったりもする・・・。
このノートは、癌になってから入退院を繰り返していた頃のかな・・・。
母は嫁いでから、家計簿を欠かしたことはなく、基本的に大事なことはすべてこの家計簿に
メモをしていた。
だけど、入院すると日々のお金は使わないし、父が買い物などをするようになったので、
家計簿の役割がなくなってしまった・・・。
入院中は、ドクターからの話もメモしておきたかったのだろうし、日がな一日テレビを見て
過ごすわけだから、せめて、へ~~~と思ったことぐらいはメモしておこうってところだろう。
家計簿には収まりきらなくなって、ノートに記す癖がついたみたい・・・。
だけど、何かあった時に、誰かが見るかもしれないと思うところもあったのだろう、治療が
苦しいとか、どこかが痛いとか、マイナスなことはあんまり書かれていない。
だから今、私が読み直しても全然辛くないし、ぎょぎょ!っと思うようなことも一切ない。
私ならきっと、誰かが読むだろうことを前提に、泣き言ばっかり書くだろうな・・・。
こんなノート一冊でさえ、死を意識し始めていたであろう母の生き様が見えてくる。
強い人だったな。