宇治へ | 森中あゆみの「山と薬膳で、ココロとカラダをまるごと養生♩」

森中あゆみの「山と薬膳で、ココロとカラダをまるごと養生♩」

「世界の国の人と自然」を愛するヨメが
「岩と雪と氷」を愛したダンナと
日々のつれづれを発信します。

先日、宇治でワンコインで健康ウォークをしたとき、私がたまたま

「宇治に来るなら、萬福寺で普茶料理を食べたかったな!」と言ったことがきっかけでした。


私は昔から、肉キライ魚キライ卵キライな人で、いや、食べますよ、全部・・・、だけど、

好きか嫌いかで食べ物を分けたら、野菜や豆や穀物が好きなんです。

で、洋食よりは和食の方が好き。


そんなんだから、昔からベジミールとかマクロビ、精進料理に興味があって、その類の

本は山と持ってるんです。

京都が好きだったということもあり、京都で精進料理が食べれるお寺の本も持っていて、

もちろん、何軒かは行ったことがあるのですが、宇治の黄檗山萬福寺の普茶料理は

まだ行ったことがなかったのです。


・・・で!

その独り言?うわ言?を聞いてくださっていた枚方小町さんが、

「いやん、私も行きたかったのよ」

と・・・!!!

その一言で即決まり!です。


かくして、本日は枚方小町ご夫妻と、晴れ女さんをお誘いして、萬福寺に行ってきたのです。


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暑い暑い一日。

盆地である京都の夏はそれでなくても暑いのですが、今日はなお暑い。

でもたいがい、お寺に行って屋根の下に入ると、涼しい風が吹き抜けて、ホッとするもの

ですが、今日はお寺ですら暑い!

しかもこのお寺には・・・、この金ピカの暑苦しい布袋さんが!!

いやいや、失礼いたしました!


布袋さんは、中国の実在人物らしいですが、弥勒菩薩の生まれ変わりとも・・・。

日本では七福神の一人として有名ですが、七福神は京の都が発祥で、都七福神と言われ、

そのお一人がこの布袋さんなんですと・・・。

つまりは、日本の七福神の元祖!的なありがたい布袋さんなのでした。


萬福寺は中国の高僧、隠元禅師建立の、日本三禅宗のひとつ、黄檗宗の大本山です。

だから、建築様式も、お祭りされている神様仏様も、お経もお料理も、中国です。

布袋さんも大陸系のお顔でしょ? 

卍崩しの勾欄(手すり?)とか、関帝(三国志の関羽=商売の神様)もお祀りされていました。

放生池のところには、「三門を 出でれば日本ぞ 茶摘みうた」という句碑がありましたが、

それほど、外界とは一線を画した雰囲気があります。

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このお寺の見るべきもののひとつが、斎堂の前のこの開板(かいばん)。

これを打って時を知らせるわけですが、魚は目が開いたままでしょ?

それが勤労の意味を表すそうです。

禅宗は何事にも厳しいイメージがありますが、これを打ちながら時を知らせることで、

また自分自身も時間へのケジメをつけるという感じなのでしょうか・・・。


時計を見る、除夜の鐘を聞く、季節の花が咲く、風の向きが変わるなどなど、

時の移ろいをしみじみと感じるときって、さぁ頑張ろう!って襟を正しますもんね。

同時に、今までのことをリセットして、一から頑張ろう!って考えさせてくれる都合の良さも

持ち合わせているような気がして、それが救いとなるからこそ、次のステップに進める

という感じですかね・・・。


そんなことをしみじみと考えていたら・・・、大手旅行会社の団体さん来襲!

皆さん、ここの普茶料理がお目当てのようで、無機質系の添乗員さんに即されて、斎堂

奥の食堂に吸い込まれてゆきました。


え?

そうです、そうです、そうですよーだ・・・。

私もその、普茶料理がお目当てで来たのですから、エラそうなことは言えませんよ(笑)

でもね、気合が違いますよ!

だって、団体さんは普茶料理とはいえ、せいぜい普茶弁当でしょう?

こっちは、7300円の高級お料理なんですから!!!

20数年来、食べてみたいと思い続けた、「深い思い」付です!!


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係りの方の丁重なご案内で、個室に通され、お料理の説明もきちんとしてもらえます。

逆光で、暗く映っていてごめんなさいです。

もう、お料理を目前に、写真は儀礼的になってます(笑)

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日本の箱膳みたいに、一人ずつ盛られたものではなく、中国式に大皿に盛られて出てきます。

普茶は、上下の関係なく、皆が一緒に食事をするということで、もともとは、普く(あまねく)

多勢の人にお茶を差し上げるという意味で、お寺行事の打ち合わせ後の謝茶(慰労会)で

出される中国式のお料理のことなのだそうです。

取り箸はなく、自分のお箸で銘々皿にとりますので、アットホームというか、高価なお料理

の割に緊張せずに楽しく食べることができました。

日本の鍋を囲む和やかさと同じ感じです。


ところで、このお料理は黄檗宗の開祖、隠元禅師が中国から伝えたものですが、これが

驚き発見の連続なんです。

まず、分かりやすいことから言うと、手前のインゲン豆の和え物、これは隠元禅師の名が

由来だそうです。中南米産の豆が、ヨーロッパ→ユーラシア大陸と伝わり、隠元来日の際、

日本に持ち込んだのだとか・・・。


蓮、スイカ、孟宗竹などもそうで、私の大大大好きなレンコンやタケノコ料理は、隠元さん

と共に渡来したのだそうです。

味噌も醤油もそうだけれど、仏教伝来で、日本の食文化は大きく変わったのだと再認識!


え?

般若湯が写ってるって???

あれはノンアルコールビールですよ!! そんなん飲むわけないじゃないですか!

ねぇ、晴れ女さん!! ・・・???


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どれもシイタケの出汁が効いていて、とっても美味しかったですが、さすが中国伝来とあって

油ものが多く、かなりお腹にきました。

始まる前は小食の枚方小町夫妻の分もお手伝いします!と息巻いていましたが、結局、

お手伝いしたのは、紫蘇の葉っぱだけでした(笑)

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うなぎのかば焼きがあるやんけ!と思いきや、これは、お豆腐とゴボウと海苔でできてる、

いわゆる「擬き料理」なのです。

これは、精進料理にも多く取り入れられてます。


しかし・・・。

心頭滅却すれば・・・、みたく、厳しい世界に身を置く人も、やっぱり世俗的なものが

食べたくなるもんなんですね。手間暇かけて擬き料理まで作って、肉魚に執着する

って、ちょっと情けないんちゃうん!って気もしないでもないけれど、まぁ、人間らしくて

よろしい!ということで・・・(^_^;)プププ

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久しぶりにお目にかかった面々での楽しいお食事会を終え、京阪電車にて帰途へ。

吊り輪に広告、涼しげな抹茶色で統一されています。さすが宇治線!


本線に乗り換え、空いた席に座ったら爆睡!

魚の開板ならぬ、お腹の鼓を叩きましたら・・・、


「萬福寺で、ただいま満腹時!!!」


おあとがよろしいようで・・・(´0ノ`*)オホホホ~