クライミング『比良・堂満ルンゼ概念図&中央リッジルート図』 | 森中あゆみの「山と薬膳で、ココロとカラダをまるごと養生♩」

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比良の堂満岳に行ってきました。関西の雪山クライミングとしては今シーズン最後となるでしょう。2月5日にワイフと行った時は雪に覆われてのクライミングでしたが、今回は春を思わせるポカポカ陽気の中、楽しく登って来ました。


堂満岳ルンゼは滋賀、京都などの地元だけでなく、神戸、大阪の方にもポピュラーな冬の雪稜入門ルートです。最近は崩壊が激しいためか、登りにくる方も少なくなった感じです。今回は堂満ルンゼの概念図とクライミングルートを少し紹介します。適期は1月中旬~3月初旬、アプローチは、車なら湖西バイパス(161号)を登山口となるイン谷口へ(Pあり)。公共交通機関ならJR湖西線・比良駅下車、徒歩約30分。イン谷口から堂満第1ルンゼまで約1時間、堰堤前で登攀具をセット、準備が出来たら出発。堰堤を3つ越してルンゼに入る。取り付き迄いくら雪が多くても約30分あれば行けるでしょう。


 堂満ルンゼ概念図



 中央リッジルート図



 

雪が全くない取り付き。壁は非常に脆い、クラックを慎重に登る。


  

3ピッチ目のビレイポイント『ポカポカ陽気で余裕の二人』


カンテに一旦立つ、カンテの右にキャメロット♯-1とストッパー♯-5をセット、左側よりクラックに足を利かせてフェイスを直上する。雪に覆われていると雪を払いのけてクライミングとなる。クラックを慎重に探す。意外と分かりにくいので注意したい。ランニングビレイは右手に尖がった岩にスリングを巻きつける。その他、雑木にスリングを巻く、上部に一ヶ所ピトン有り。P2からP3間は木が倒れリッジが崩れている。(注)P3のマッチ箱を一旦、5mダウンする。P4へは狭いリッジを行くのだが、この箇所は雪が多いとキノコ状に大きく発達するので慎重に行きたい。ここでルートは左右に別れる。右直上ルートはボロボロのチムニーを登りナイフリッジを抜けて終了。左上ルートは狭いルンゼを直上して終了。


 左上ルート:7ピッチ目


最終ピッチの出だしは、腐った雪の狭いルンゼをクライミングする。

ロープを50mいっぱいに伸ばして終了。


  

終了点で余裕の3人、『ワイフ、T氏、私』 


ルートは雪の状態に大きく左右されます。

通常雪の多い時を考えると6~7ピッチのクライミングとなります。

所要時間は約2時間30分~4時間、グレードはⅡ~Ⅲ+と登り易い。

初心者の冬山雪稜入門ルートに最適です。

下降ルートは左右ルートとも終了点から谷を下降する。

特に降雪時は雪崩に注意してください。

出合(大岩)まで約30分、雪の状態が良ければ尻セイドで約15分・・・?

今回は3人で出来るだけロープを伸ばし5ピッチでのクライミングでした。

来シーズンの初心者の雪稜クライミングの参考になれば幸いです。


★使用ギア(3月16日)

◇個人のクライミングギア=アイゼン、ピッケル、ハーネス、ヘルメット、

◇共同のクライミングギア=ロープ=50m/9㎜と10.5㎜(各1本)、

                 キャメロット・・・・・・・・♯1~0.5、

                 ストッパー・・・・・・・・・♯5~8、

                 スリングテープ・・・・・120cm、60cm(各5~8本)

                 クイックドロー・・・・・・10セット

                 カラビナ・・・・・・・・・・・10個

                 カラビナ安全環・・・・・5個