ECM初期の名盤―マリオン・ブラウン「ジョージアの牧神の午後」 (ジョージア3部作) | 愛しのジャンポール

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友だちはスズメとカエルさんだけ


元BASSIST、現在ALTO SAX吹いてます♪

ヘンな音楽とかフツーの音楽とか、楽器、サクラ大戦、スズメ、カエルさんとか… 
ドーデモイイ日記ですがよろしくよろよろですのだ (・o・)

 
5月8日(日)晴れくもり


みなさま
ごまークマ



昨日撮影↓

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まだジョージアの“働くモビルキャップ”キャンペーンが!


どこもとっくに終了しているというのに、ここだけまだ生き残っています。
ていうか、ただ単に放ったらかされているだけで、全く商品補充が行われていません。


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コカコーラとファンタが全滅です。
選択肢はペットボトルとコーヒーしか残されていません。


しかしモビルキャップ・キャンペーンのPOPが付いてる自販機ってここ以外、もう絶滅だと思います。
場所はスズメの公園の近く、ほっかほっか亭の裏ですよー。

モビルキャップを狙っている人は急げ!
(どうせ当たりなんか入ってないと思うけどっ。)


と報告しようと思っていたのですが…



本日撮影↓

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キャンペーンPOPが外されていました。
コカコーラとファンタも補充されていました。


このモビルキャップ・キャンペーンを初めて記事にしたのが2月23日(←中島みゆきの誕生日だ!)。
一抹の寂しさとともに1つの季節の終わりを感じるのでした。






さて、最近またECMのマイブームが到来しつつあります。

年に一度ぐらい、ECM作品を無性に聴きたくなるのですが…
今回のきっかけはこの女性サックス奏者↓


Mette Henriette (Album EPK)


Mette Henriette(読み方わからん)というノルウェーのサックス奏者です。
去年アルバムがリリースされ、CD屋で商品裏のパーソネルを見てずっと気になってたんです。
チェロやヴァイオリンといったクラシック楽器との共演が、いかにも私好みのECMらしくて…

それでやっとYouTubeで検索(いつも店頭で名前をメモらないので昨日やっと)して、その音を試聴。
そしたら、どストライクの自分好みの音ではあーりませんか!

よしっ、早速買いに行こう。そうしよう。


昨日、喜び勇んで梅田マルビルのT(←ツタヤではない)へ行ってきました。
だがしかし…

やっぱりの輸入盤は高いっ!
2枚組とはいえ4309円もしました。

因みにアマゾンでは3148円(現在)です。
だから買うのはやめ。そのうちアマゾンで買うとしよう。





ところでデヴィッド・ボウイの40周年記念シリーズのピクチャーEPって、今も続いてるのだろうか?
去年11月リリースの「ゴールデン・イヤーズ」以降、どうなってるのかずっと気になってました。

そしたら、いつも覗いてるブログのおととい付けの記事に載ってました。
先月RECORD STORE DAY限定で「TVC15」が発売されております!

あれー、昨日行ったマルビルのTで探したのに、よう見つけんかったわ。
因みにTのオンラインで値段を確認したら2041円。あんまり安くないね。



ということで今日、日本橋のディスクピアへ覗きに行ったら…

在庫あったよ! 1706円だったよ!
モッチロ~ン! 喜んで購入ガーン

こんなに嬉しいことはない。
そして、やっぱりTの輸入盤は高いっ!と再認識。



また無理矢理スズメと一緒に記念撮影↓

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今日はスズメ達、警戒してなかなか近づいてくれませんでした。

マリオン・ブラウンの「Geechee Recollections」と「Sweet Earth Flying」の2on1のCDも一緒に購入。
このCDもTだと2581円だけど、ディスクピアは1512円でした。

やっぱりの輸入盤は高いっ!と再々認識。




このあと、いつもの練習場所へ移動してアルトを練習しました。
んで休憩のため大阪城公園へ行って、さっき買ったEPを取り出してニンマリ。

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暗闇のベンチにて、ナパーム・デスTシャツとのミスマッチ写真。


うら↓
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キモシブなボウイ様。

ボウイ様は、私が洋楽を聴き始めた中3の時から現在も続いている唯一のヒーロー。
亡くなっても、それは今後もずっと変わりません。
私にとってボウイ様は、最初で最後のヒーローなのです。



以上、Tへの悪意に満ちた記事でした。
(私、Tでめっさ買い物してるんですけどね…)






さてさて、本日はマリオン・ブラウンのECM作品を紹介します。
やっとここからが本題です。いつもすみません。



ECM1004.jpg
CDMARION BROWN 『AFTERNOON OF A GEOGIA FAUN』



1970年録音、マリオン・ブラウン唯一のECM作品『ジョージアの牧神の午後』です。今日買ったインパルスの2on1の『Geechee Recollections』(1973)と『Sweet Earth Flying』(1974)とでジョージア3部作と呼ばれており、その1作目に当たります。また「ECM1004」というレコード番号からも分かるようにECMのカタログでは通算4作目、レーベル初期の作品でもあります。
(マリオンについては前々回の記事でも紹介したばかりなので以下、多少の重複はご容赦を。)

マリオン・ブラウン(1931-2010)はジョージア州アトランタ生まれ。高校へ入るとサックス、オーボエ、クラリネットなどを始めますが、卒業後は大学へ進学。クラーク大学で主に音楽教育を、さらにハワード大学で政治、科学、経済、史学などを学びます。根っからの学究肌です。やがて音楽活動を始めますが、ニューヨーク進出が何年だったのかは文献によってまちまちなのでよく分かりません。初録音は1965年2月、アーチー・シェップ『ファイアー・ミュージック』への参加です。同年6月にはジョン・コルトレーンのフリージャズ宣言アルバム『アセンション』に参加。この2作への参加によってシーンにその名を知らしめます。

前述の名盤2作への参加、そして同年11月録音の初リーダー作のリリースがフリージャズの名レーベルであるESP-Disk'だったこともあり、マリオンといえばフリージャズの人というイメージで現在も一般的には認識されています。しかし彼のアルトの音を聴くと線が細くて弱々しく、フリージャズに似つかわしくない音なんです。技巧面においてもそう大したことはない、はっきり言えばちっとも上手くなく、個人的には好みでないアルト奏者です。なのに何故か結構CDを持ってるんです。不思議です。


上段右のギュンター・ハンペルとのやつ『リーズ・アンド・ヴァイブス』が一番好きです。
もし彼のフリージャズを聴きたいならば上段中央の『ポルト・ノーヴォ』に尽きます。


話を戻します。まず最初に気になるのがパーソネルです。総勢11名の名前がクレジットされています。

Marion Brown (as,zomari,per)
Anthony Braxton (as,ss,cl,contrabass-cl,chinese musette,fl,per)
Bennie Maupin (ts,alto-fl,b-cl,acorn,bells,wooden flute,per)
Chick Corea (p,bells,gong,per)
Andrew Cyrille (per)
Jeanne Lee (voice,per)
Jack Gregg (b,per)
Gayle Palmore (voice,p,per)
William Green (top o'lin,per)※
Billy Malone (african drum)※
Larry Curtis (per)※                     ※はtrack2のみに参加


私の大好きなアンソニー・ブラクストンの参加がきっかけで本作を買いました…という話は置いといて、錚々たる顔触れです。マイルス『ビッチェズ・ブリュー』(1970)で頭角を現し、のちのヘッドハンターズでもおなじみのベニー・モウピン。やはりマイルスのバンドでハービー・ハンコックの後釜としてシーンに登場したチック・コリア。ローランド・カーク『ドミノ』(1962)やセシル・テイラー『ユニット・ストラクチャー』(1966)への参加等、既に10年選手だったアンドリュー・シリル。そして1961年にラン・ブレイクと結成したピアノ&ヴォーカルのデュオで新風を巻き起こしたジーン・リーetc…

以上の名前だけでも本作がフツーのジャズ作品ではないことが窺えます。楽器名には何だかよく分からないものも多々あります(zomariとか、acornとか、top o'linとか…)が、全員がパーカッションも兼任している点が特徴的です。そんな多楽器主義的なところはアート・アンサンブル・オブ・シカゴを代表とするAACM/シカゴ派を想起させます。実際アンソニー・ブラクストンなどはAACMのメンバーですし。

しかしブラクストンやマリオンのサックス演奏をじっくり聴きたいという向きには肩透かしを食らう作品です。前衛的でフリージャズ的であるのは確かですが、フリーキーな音をけたたましく鳴らすイメージの所謂60年代の黒人フリージャズとは随分と異なります。そしてアルバムには長尺な曲が全2曲、アナログでいうA面にはタイトル曲、B面には「Djinji's Corner」を収録。因みに「Djinji」とはマリオンの息子で、現在ヒップホップ界で活躍しているジンジ・ブラウンのこと。

タイトル曲では殆んどサックスの音は出てきません。カタコト、カサカサといった小物類パーカッションや笛の音などが中心で、明確なメロディーは登場しません。。それはまるで森の奥深くの、風にそよぐ木々の葉の音、泉のせせらぎ、鳥の鳴き声、動物の遠吠えなどの風景を思い浮かべます。しかしフリーインプロヴィゼーションではなく、あくまでコンポジションの枠組みの中での即興です。中盤からはジーン・リーのヴォイスが加わりさらに幻想さを増しますが、最後まで全体に霧のかかったような音世界のままでやがて幕を閉じます。

続く2曲目「Djinji's Corner」は打って変わって、いきなりドシャバシャな演奏で幕を開けます。60年代フリージャズ的な演奏が時おり顔を出します。とはいえ、やはり全体的には霧のかかったようなサウンドで、各プレイヤーの演奏をじっくり聴きたいという人には向いてません。そんな音のヴェールの隙間からチラチラと漏れるように聴こえてくるノイジーな金属(恐らくシンバル)の擦奏音が実に効果的。まるでエディ・プレヴォーのAMM、はたまたTNB(ザ・ニュー・ブロッケイダーズ)あたりとの仄かな同質の匂いを嗅ぎ取り快感を覚えてしまうのは、ノイズ・ファンゆえの性か。

余談ですが、本作はアンソニー・ブラクストンとチック・コリアがこのあとサークルを結成するきっかけとなったことでも有名です。この2人とデイヴ・ホランド(b)、バリー・アルトシュル(ds)の4人で結成することになります。前衛に急接近した頃のチックを捉えたドキュメントとも言えるサークルでしたが、やはりチックに前衛は無理だったようで、たった1年ほどの短命グループに終わりました。その後のチックは商業的なリターン・トゥ・フォーエヴァーで大成功を収めたのは誰もが周知の通りです。

「ジョージアの牧神の午後」というタイトルは、ドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲(Prélude à "L'après-midi d'un faune")」からヒントを得たものだと思われますが、具体的にどう関連があるのか、どのようにインスパイアーされたのかまでは分かりません。また、ジョージアといえばその昔、黒人奴隷が沢山使われた地であり、一面に広がる綿花畑を想像します。しかし本作の2曲のどちらからも『ノヴェンバー・コットン・フラワー』のジャケットのような風景は一向に浮かんできません。何とも冷たくて硬質な感触しかないのは、如何にもECMならではと言うべきか。


MARION BROWN afternoon of a Georgia faun (1970)

妙に映像が音に合ってていいですね。






以上です。が…

ついでなので、今日買った「ジョージア3部作」のあとの2作も簡単に紹介します。
(長くなってホントすみません。)



IMG.jpg
CDMARION BROWN 『GEECHEE RECOLLECTIONS / SWEET EARTH FLYING』





IMG_1.jpg 『GEECHEE RECOLLECTIONS』

Marion Brown (as,ss,cl,per)
Wadada Leo Smit (brass,strings,per)
William Malone (mbira,autoharp)
James Jefferson (b,cello, per)
Steve McCall (ds,per)
Jumma Santos (congas,per)
Bill Hasson (per,narration)
A. Kobena Adzenyah (per,idiophone)

マリオンの故郷をテーマにした「ジョージア3部作」の2作目。1973年リリース。結局ECMとは前作の1作きりで、今度は久々にインパルスに戻ります。前作よりもずっと曲らしくなっており、聴きやすくなっています。フリージャズではあるが、やはりドシャバシャなフリーキーさはありません。アフリカン・パーカッションやムビラ(親指ピアノ)などによるポリリズムが実に土着的。2曲目ではポエトリー・リーディングをフィーチュア。前作に比べ幾分かは各楽器の即興やアンサンブルが楽しめる演奏になっています。レオ・スミスのラッパが良いです。しかしマリオンのサックスはあまり印象に残らないという… う~ガーン


Marion Brown - Once Upon A Time (A Children's Tale)






IMG_2.jpg 『SWEET EARTH FLYING』

Marion Brown (as,ss)
Muhal Richard Abrams,Paul Bley (p,el-p,organ)
James Jefferson (b)
Steve McCall (ds,per)
Bill Hasson (narration,per)

「ジョージア3部作」の最終作。1974年リリース。アナログでいうA面が「Sweet Earth Flying」のPart1~5(但しPart2はお蔵入りのため抜けている)、B面が「Eleven Light City」のPart1~4となっています。リチャード・エイブラムスとポール・ブレイというフリージャズを代表する2人の鍵盤奏者が参加。この2キーボードのスタイルはマイルス・バンドの編成に触発されたようです。エレピを大胆に取り入れたサウンドは前2作とは打って変わって、実にスピリチュアルでメロウでフューチャー。恐らく3部作の中では本作が1番人気があると思います。「Sweet Earth Flying Part5」のR・エイブラムスのピアノが実に美しく、次作『ヴィスタ』で聴かれるアンビエント・サウンドを予感させます。


Marion Brown, Sweet Earth Flying, Parts 1-5, from Sweet Earth Flying, Recorded May 6, 1974






以上です。

いやー、ホント長くなってしまってすみません。
冒頭で書いたモビルキャップとか、Tの輸入盤は高いとか、要らなかったですね。まぁええわ。


まー。






■先月(4月)の買い物

CDオーネット・コールマン 『ジ・エンプティ・フォックスホール』
CDレニ・スターン 『シークレッツ』
CDジョージ・マイケル 『LISTEN WITHOUT PREJUDICE VOL.1』
CDMasada 『JOHN ZORN 50TH BIRTHDAY CELEBRATION Vol.7』
CDチャラン・ポ・ランタン 『貴方の国のメリーゴーランド』
CDTONY MACALPINE 『CONCRETE GARDENS』(CD+DVD)
CDRAAF HEKKEMA 『J.S.BACH:Partitas Arr.for saxophone』
CDマリオン・ブラウン 『ヴィスタ』
CDNILI BROSH 『A MATTER OF PERCEPTION』
CDアーク・ストーム 『ジ・エヴァーラスティング・ウィール』
CDSTONE THE CROWS 『Stone The Crows / Ode To John Law』
CDCHRIS PITSIOKOS TRIO 『GORDIAN TWINE』
CD中島みゆき 『組曲(Suite)』




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