『ロスト・ボディ』映画鑑賞 | うさぎくんのお薦め映画ブログ

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『ロスト・ボディ』映画鑑賞。冒頭。夜。森の中。制服を着た男が懐中電灯を片手に死に物狂いで走っている。ようやく道路に出た瞬間、車に轢かれる。病院に運ばれたが、意識不明の重体となる。警察が調べた結果、男は法医学研究所の夜警であることがわかった。何かに怯えていたようだった、ということもわかる。研究所を捜査する警察。そして、研究所の死体安置室から女性の遺体が一体、消えていることがわかった。何者かの仕業か。あるいはもしかして・・・。謎だらけ、不可解なことばかりであるが、警察は重要参考人として、女性と離婚した元夫を取り調べるが、元夫は何も知らないと言うばかりである。アリバイは微妙。現在の映像と過去の映像が交互に映し出されるが、真相そしてこの映画の全貌はラスト直前までわからない。序盤で不可解で大がかりな謎が提示され、様々な伏線をバラまいておいて、それが最終盤で見事に解明される。伏線の張り具合のさりげなさと、その回収の鮮やかさ。幾重にも張り巡らされた巧みなミスリード。素晴らしい脚本に、唖然として声も出ないほどである。今年に入って日本で公開された映画の中でも、脚本の出来栄えの良さは屈指である。死体が無くなるとかいっても、いわゆるホラー映画では無いのでホラー嫌いな人にも、ミステリー好きなら充分に堪能することができる、うさぎくんお薦めの逸品である。